旧機材系・再録

(再録) コシナ フォクトレンダー BESSA-L

 実は今週になってからテンションがダダ下がりの毎日でして、なにか気の利いた話を書こうとしても、さっぱりヤル気なし。
 そんなわけですんで、またカメラの話になってしまうものの、再録モノでお茶を濁させていたたきますのよ。

 以下、再掲分。

 
 

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 新規調達したわけではない。いつぞや安さにつられて調達したものの、使わないままに我が家に転がっているだけであった。
 M5に28mmか35mmをつけて使い、15mm域は専用ボディ状態でBESSA-Lにお任せしちゃおうと企んだのだけど、RFで2ボディってのもなんだか荷物だよなーとか考えているうちに、哀れBEESA-Lはお蔵入りになってしまったのである。

 Lマウントの露出計内蔵機なのにファインダーレスというスタイルはユニークだが、レンジファインダー機でカネがかかるのは距離計とファインダー部なのである。それを省略して製造の手間とコストを省いているのだから、製造する側にとっても購入する側にとってもメリットはある。
 とはいえ、ファインダーのないカメラというのは、どこか落ち着かないものがあるのも確かで、内蔵ファインダーがないというのならばなにを目標にして撮ればいいというのか。
 そのために外部ファインダーというものがある。初期のコシナフォクトレンダーレンズに必ずファインダーがセットになっていたのは、BESSAシリーズ一号機のファインダーレスBESSA-Lという存在があったからである。

 外部ファインダーはボディ上部のホットシューへ装着する。このホットシュー基部に3灯式の露出計表示があり、外部ファインダーを使っていても、視界の下には露出計のランプがあるわけ。
 露出計はいちおーTTLなのだから、Lマウントのファインダーレス機とはいえ、投入されてる技術は現代のものなのである。そのへんのミスマッチもまたBESSAシリーズのおもしろいところだ。

 ベースボディになっているのがコシナの一眼レフボディであるため、シャッターはガションという感じで落ちる。レンジファインダー的静粛性は期待できない。静かなカメラではないのだ。
 けれど一眼レフからファインダーを撤去したまんまの構造なのだから、ペンタプリズムの出っ張りがないフォルムで、けっこうなコンパクトさである。
 ライカCLを超広角専用機にしてしまうのはもったいないけれど、中古でも安く調達できるBESSA-Lなら15mm固定という使い方をしても惜しくはない。

 というか、ファインダーレスだから広角レンズ専用機みたいなものなのだけどね。距離合わせは目測以外に手がないのだから、やはり広角専用機なのだ。
 こういう価格帯にこういう変形ともいうべきカメラが存在しているのはいいことだ。単一機能の変形機って高価な機種が多く、簡単に手を出せるような存在ではない場合が多い。その点でBESSA-Lは実にお気軽に手を出せる。稀有な特殊カメラといった存在だ。(2004,09,16)

 
 

 以上、再掲分です。

 なんにも使わないままだったなぁ、というもったいなさばかりが私の記憶にあるBESSA-Lですが、今はもらわれていって、かわいがられていることと思います。
 以前の文章にも書いてますが、レンジファインダー系の特殊カメラというのは必要以上に高価なことが多く、こういったファインダーレス系が安く入手できるというのは、趣味的に喜ばしいことではないでしょうか。

 BESSA-Lへ装着して使ったわけではありませんでしたが、コシナの目測式レンズを使ってから、アバウトに撮る良さを知ったように思います。
 露出もアバウト。フレーミングもアバウト。もちろんピントもアバウト。それでもちゃんと写ってるんですから。カメラというのは優秀なもんです。

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再録 Pentax MZ-3

 もう自分でもなにを掲載してなにを掲載していないのか、まったく把握できなくなってきてる旧機材系再録というジャンル。
 なんとなく「前にも掲載しなかったか?」という気がしないでもありませんが、今回も再録モノに逃げます。またしても仙台方面へ向けてプッシュしようという魂胆w

 以下、再録分になりますよ。使用カットはフレクトゴンとダブりますがご容赦を(^^ゞ

 
 

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 Kマウントボディに使うペンタックス純正M42変換リングは、実にKマウントへピッタリフィットするデザインであり、つい入手してしまったフレクトゴンの母艦としてMXを使うことが、なんの抵抗もなく自然である。
 そんな具合に思っていた私は、いざM42のレンズを絞り込み測光で使ってみると、そんなに気軽なものではないことに気がつかされた。ピントと露出に泣かされたのである。

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 絞り込むとピントが動いたように見えて混乱し、見るからにカメラの露出計はオーバー傾向。
 やがて読者の方に私は教えられた。絞り込み測光というのはそういうものなのですよ、と。ピントが動いて見えるのは仕方のないことであるし、ボディ側の測光部の位置によっては、ファインダーからの逆入光によって測光に影響があるとのこと。
 むう。MXとフレクトゴンを組み合わせて使っている限り、不自由はなくならないようなのである。

 ボディを別のものにしたら済む話だと簡単に済ませるのも、自分に対して腹立たしいので、私はしつこく使ってみたのだけど、ピントはなんとか我慢できても、測光だけはどうにもならなかった。
 順光/逆光、そして天気によってもファインダー逆入光の具合は変わる。自分の目をどのくらいファインダーガラスへ近づけるかでも変わってくる。

 カメラ内部の露出計を使わなければ良かろう、というご意見もあるだろうが、リバーサルを好んで使う私にとって勘露出はまるで自信がなく、外部露出計を持ち歩くほど几帳面な性格でもない。
 さあて、どうしたものか。フレクトゴンと濃いフィルムの組み合わせがおもしろく感じた私は、もっと使ってみたく。

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 で、考えた。気軽に入手できるボディで、かつ修理の心配をあまりしなくてもいいボディというのは、ひょっとしたらAFボディなのではないかと。
 ペンタックスはAF化した際にマウントの形状を変更していないので、古いレンズでもくっつけば使える。絞り込みがレンズ側でできるなら、AF以外は普通に使えると考えられる。おお、いけるやん、AF機。

 まあ現実的に考えるなら、マニュアルレンズを装着して使うとなると、できるだけ古いカメラと同じような操作性のボディがいいわけで、狙いはMZ-3/5あたりになるのは自然である。価格的にもお手頃といえる。タマ数も多い。狙いやすいんである。
 けれども、狙いやすいのと買いやすいの、これが両立してくれればいいのだが、これがなかなかネ。

 そういうわけで我が家に来たMZ-3は(当時)広島のぴゅんぴゅんさんちからやって来た。レンズコーティング剥がれのクラッセをとりあえず宅急便で送ってみたのだけど、どう考えても私が得してますな。ぴゅんぴゅんさん、スマン。
 フレクトゴンの母艦として使っているMZ-3ではあるものの、MFレンズで使ってみても不満が出てこないところは驚きであった。適度に自動化されたAE機という感覚でMFレンズを抵抗なく使えてしまうんである。
 これすなわち、なんら奇をてらっていないオーソドックスさが、使いやすさに直結しているのだと思う。
 分割測光、絞り優先AE、自動フィルム巻上げ。なのにM42レンズを使って違和感がないのである。ピントスクリーンもMFでちゃんと使える。ピントを合わせるという行為に対して十分文句がないのだ。

 手にして感じるのは、構えた時に指先で処理できるスイッチの配置だ。撮影中にめったに切り替えないスイッチは、極力指の当たらない場所に配置されている。頻繁に切り替える可能性のあるものについては、すぐ触れる位置にある。
 メインスイッチ、シャッター速度ダイヤル、露出補正ダイヤル。この3つが操作しやすい位置にある。測光の切り替えだとかAFの切り替えなんていうものは、普通に使っていたら触ることがない位置に追いやられている。理詰めなのだった。

 ダイヤル類をケチらないできちんと配置している効果は、実際に使うとひどく納得のいくものである。
 アナログ風な操作配置にしたらそれでいいだろうという甘さではなく、実際に使うユーザーの立場になって企画されたボディであることがよくわかる。ペンタックスさんらしい生真面目さが凝縮している感じなのだ。

 幸か不幸か、私はMZ-3をAFレンズで使用していない。MFのフレクトゴンで使った驚きを正直に表現しているのみである。
 もしやAFレンズで使うなら、ピントが合わなくて迷うなどのイライラがあるのかもしれない。だが本機の要点というのは、なにもAFレンズでなくても無理がないところではないかと思う。
 現に私はM42のアダプターをカマしてフレクトゴンをマウントしている。そういう使い方にまったく無理がない。つまりMZ-3はAF一眼レフというより、進化したユニバーサルKマウントボディという捉え方が正しいのではなかろうか。

 元来、Kマウントという規格は、ユニバーサルマウントとして全世界に広く公開されたマウント規格である。各カメラメーカーがセコく自社専用マウントとしていく流れの中で、旭光学さんはユニバーサルのバヨネットであることを世に問うたのである。
 そういう気概というかね。専用マウントでガタガタとお家騒動を繰り返している他メーカーより一段高いところからペンタックスはアプローチしている気がする。MZ-3にはそういったユニバーサルさが色濃く感じられるのである。(2006,07,16)

 
 
 

 以上、再録分となります。

 いささか誉めすぎという感じの文章になってはおりますが、よくできたカメラだという感覚は今でも変わりません。
 たぶんAFに関しては、キヤノンあたりのサクサク動くAFと比べて不満が出るのではないかという危惧があるものの、あたしゃKマウントのAFレンズを使ったことがありませんから。フレクトゴンとか、ペンタックスのMF28mmとかMF50mmだけですけん。
 そういったマニュアルフォーカスのレンズでしか使ってなくても、不満がほとんどないっていうのは、やはりよく練り込まれたカメラだということなのだと思うのですよ。

 幸か不幸か、ペンタックスのリミテッドシリーズに手を出さず、Lマウントの43mmをお試ししたレベルでしかありません。もしかしたらペンタックスの一番美味しいところを知らない不幸なのかもしれませんねw
 リミテッドに手を出していたら、今頃はペンタックスユーザーだったんでしょうなー。K5とか使ってたんでしょうか。

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再録 Pentax 43mm F1.9 Limited for Leica L

 さあて、これを載せてしまうと、もうレンズ系再録ネタはなくなりますよ、というわけなんですが、まあ勢いですので。載せてしまいましょう。

 というわけで、以下再録分なのです。

 
 

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 密かに私はペンタックス贔屓である。しかも昨日今日の贔屓ではない。ここ20
年ほどペンタックス贔屓を続けてきているのだから、筋金入りである。
 そのわりに使ったのがエスピオミニだけだったりするし、やっと最近MXを手にすることができた程度の接点しかないのだけど、それでも贔屓なものは贔屓なんである。

 私が中学3年生であった頃、70-200mmクラスの望遠ズームというのは、学生にとってひとつのステータスだった。
 初心者というのは、一眼レフを手にすると、交換レンズはまず望遠を欲しがるもので、しかも当時は各メーカーからまともな望遠ズームが出揃った時期でもあった。
 カメラ雑誌のやることというのは、今も昔も変わらないもので、当時も「各メーカーの望遠ズームを徹底比較!」なんつって、対決記事のようなものをよくやっていた。まだメーカーがたくさんあった頃のこと、比較評価記事はけっこうなページ数を占めていたのである。

 そんな記事のひとつを見て、私はウムムと唸った。それはB/Wフィルムを使用して完全逆光のポートレートを補助光ナシで撮るという記事であった。けっこう意地悪なテストである。
 記事の内容は「さすがキヤノンとニコン、そしてツァイスはたいしたものだ」という要旨のものであったのに、掲載されているテスト画像を見れば、どう考えてもペンタックスのものがダントツの優秀さであったのだ。まだ鼻タレのカメラ小僧であった私でさえ、容易に理解できるほど違いがあった。

 まず逆光でもコントラストの低下がない。シャドーになっているモデルの顔がきちんと出ている。着ている服の模様もちゃんとわかる。そんなのはペンタックスだけであった。
 次点でタムロンのSPシリーズ。タムロンのものはペンタックスにコントラストでわずかに劣る程度であった。三番手でツァイス。キヤノンもニコンも、逆光に弱いとされるシグマのものと大差ない描写であった。

 私はずっとペンタックスのレンズに対して逆光に強い印象を持っている。何度かペンタックスのレンズを試してみようかというチャンスはあった。MZ-5の登場はそのチャンスのひとつだったのだけど、ファインダー視野が気に入らなくてやめてしまった。
 せいぜいエスビオミニのモダンな描写を楽しむ程度が関の山であった。あのシンプルな構成のレンズも、やはり逆光に強く、しっとりと写るレンズであったのだけど、コンパクト機のせいか、遠景には弱かった。

 私の頭の中に「ペンタックスのレンズは素晴らしい」という固定観念が据えつけられたままであったので、あのリミテッドの43mmがLマウントで発売されていたことを知った時、もう無条件で入手してしまった。あまり売れなかったらしく、とても安かったんである。
 無職になって暇な時期に、ゆっくりレンジファインダー機でも使ってみっかと考えていたので、タイミング的にもバッチリだったのだ。

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 だが最初の印象は決していいものではなかった。シャドーが妙に青くなり、ハイライト方面へのトーンが滲むようになるのだ。こんなもんなのか、とガッカリした私は、しばらく使わなくなった。

 それから2年が過ぎ、なんとなくまた持ち出して使ってみたら、これがまたなかなかの写りであることに気がついてしまった。押しつけがましいシャープさではなく、適度に抑えた描写なのである。
 日中はスッキリタイプの淡白さと、適度なコントラストが目立つ特徴に思えても、これが夕方などに使ってみると、いきなりシャープなのである。条件が悪くなればなるほど光る描写なのだ。

 トップに掲載したカットは、こりゃ非球面レンズでしょ、と私に思わせる写りなのだけど、非球面レンズは使われていないんである。普通の球面レンズだ。それでこれだけの写りをするとは、日中の写りからは想像できないものがある。
 安易に非球面レンズを使わないあたり、ツァイスにも似た哲学を感じさせてくれ、実はなかなかやるレンズなのではないかという疑問が私の中に生まれたのであった。

 レンズそのものはまったく素っ気ないものだ。外見は地味である。最短撮影距離は0.9mまでしかないし、フードは引き出し式の内蔵フードである。
 レンズの目盛りなどに使われている色使いが、これはペンタックスのレンズなんだなと感じさせてくれるくらいで、あとはいたって地味なレンズなのである。

 レンズ全長が少し長いかと思うくらいで、大口径らしい派手さもなにもない。とくに黒塗装バージョンは地味だ。地味だから私は黒のやつにしたんだけども。地味好きだからね。
 でも写りは地味っていうのと違うなあ。「控え目」っていう感じ。ギラギラしたところやガチガチした硬さがない。けれど色彩はちゃんと出てる。過度な現代的硬さがないだけで、白がけっこうすっきりと出る。

 以前に印象がよろしくなかったのは、使ったボディに問題があった。距離計が狂ってることに気がつかずにBESSA-Rを使用した。ピントが合ってないんだもの。そりゃ滲むように見えることもあるだろう。
 フィルムも一因かもしれない。どうもコダック系のフィルムは合わないのではなかろうか。フジクロームだとシャドーに変な青が出たりしない。このへんは相性の問題かもしれないけれども。

 私はカメラ側ファインダーの50mm枠を使って撮ってみたけれど、どうも広く写って困ってしまった。私の場合はむしろ35mmの枠で使ったほうがいい感じであるよ。
 でもレンズにはちゃんと43mmの外部ファインダーがオマケでくっついてくるのだった。43mmの枠と50mmの枠がついてるやつ。43mmも50mmもたいして違わない枠だから、それならカメラ側のファインダーの50mm枠でもいいべよって思ったんだけど、結果はずいぶん違うんだよなあ。

 世間の40mmにどうも納得がいかない方。とくにロッコール40mmに対してもうちょっと刺激が欲しいような方。変化球でペンタックスの43mmってのはいかがだろうか。
 普段は控え目ながら、いざとなるとモダンな描写に変身する性格は、なかなか奥ゆかしい性格だと思うのである。(2005,07,20)

 
 
 

 以上、再録分です。

 なかなか注目されないレンズですが、日本的な奥ゆかしさというか、光線状態が悪くなればなるほど真価を発揮するというか、通り一辺倒なインプレじゃなかなかわからんものがあるレンズだと思います。
 とくに斜光線の時間帯に威力を発揮するのではありますまいか。普通に使っても個性らしい個性の主張はなく、いたって地味なのですけれども、暗くなってくると急にキリキリとした描写になるんですね。

 おそらく絞りの増減による描写の変化も当然にある性格のレンズと思うのですけれど、残念ながらそこまで使い込んでない私なのですよ。
 今ならともかく、当時は43mmなんていう焦点距離をひどく苦手にしておりましたしねえ。奥に秘めたポテンシャルを感じつつ、使わなくなって久しいレンズになってしまいました。

 なのに、私は処分しようとしておりません。もしかしたら田舎暮らしでもまた銀塩を楽しめる時期が来るのではないかという、とても実現しそうにない環境を夢見ての話っす。

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再録 Carl Zeiss Jena Flektogon F2.4 Auto for M42

 銀塩環境が真っ暗の田舎で暮らしてますと、M42に手を出そうなどとは考えもしないのですけれど、仙台方面で盛り上がってる方がいらっしゃいますので、順番は多少アレですが、ひとつフレクトゴンなどを。

 以下、再録になります。

 
 

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 まだ使い切れていないレンズなのだけど、おもしろいレンズだから書いちゃう(^^;

 事の発端は、私の手元に西日本方面の某氏からペンタックスMXが届いた時である。横浜から密かにM42の変換リングが届けられた。犯人はKizaoさんだ。
 M42。スクリューのネジ込みマウントだ。変換リングがKマウントにつくと↓のようになる。

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 M42といえば、日本でいうとロシア方面のレンズの流入がきっかけで見直されたマウントのような気がする。
 日本においてははるか昔に絶滅したはずのマウントだ。絞り込み測光と共に語られることの多いマウントである。

 古いマウントとなれば、あちらこちらに古いレンズも転がってるはずで、当時はあまりウケなかったレンズが、現代的な目で見ると実はものすごいレンズだったりして、懐古趣味に走るだけの価値がある世界のようだ。
 懐古趣味のない私ではあるが、ごく普通の顔をした普及価格帯レンズの中にアタリを見つける行為に対しては、大変に理解がある。そうやって写真を楽しんできた経歴があるからだ。

 とはいえ、ライカMマウントですら、Lマウント変換リングのおかげで、実はものすごいユニバーサルマウントなのではないかと感じている私にとって、M42の世界はさらなる深い沼を自分の前へ用意するだけだということも、きちんと自覚できていた。
 昔からあるマウントというのは、長く続いたマウントだけあって世界中にレンズが転がっていたりするし、シンプルなマウントなら生産も楽なため、発展途上国でも生産していたりするし、機械的な連動はイマイチでもガラスに自信があるなら光学性能一点豪華主義のようなレンズもあったりして、ライカLマウントもM42も大変に危険な世界である。
 無限に広がる大宇宙。そんな空間に船出したら、もう帰って来れなくなるかもしれないではないか。ほどほどにしておかないと、地球に戻れなくなっちゃう。だからヘタレの私はライカもM42も手を広げないのである。

 だが、なにがどうしてしまったのか、私は晩酌をしながらヤフオクを見ていて、あまりにも格安だったためフレクトゴンをポチッとやってしまった。
 安かったんで、まさか自分が落札することになるとは思わなかったのだ。即落価格が設定されているとも気がつかず、私は落札してしまっていた。
 東欧を本拠とするらしい業者。聞くところによると、メールで問い合わせしても返信はまったくなく、画像の品とは違う現品を送りつけてくるような業者らしい。ポチッと落札してしまってから気がついても遅いのであった。

 ところが。忘れた頃に届いたフレクトゴンは、厳重な包装の中で鈍く光っていた。とてもきれいなレンズだったのである。コーティングの色も美しい。どうやら私はアタリを引いたようなのだった。

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 M42変換リングで、MXへドッキングすることとなったフレクトゴン。フードは汎用の金属フードをフィルターネジにセットした。
 で、いざ使ってみたら、絞り込み測光にまつわるお約束を知らず、私は閉口した。絞り込むことによって移動するピント。ファインダー接眼部からの逆入光に影響されていると思われる露出計。

 最初に使った時は冬の好天で、弱い冬の光と、建て込んだ建物のおかげで露出はあまり気にならなかった。
 シャッター速度が速いような気がしたのだが、結果はまあまあの露出だったのである。アンダーめが好きな私なので、多少の露出不足は気にしないしね。
 けれど撮る場所を変えたら、とたんに露出の制御が難しくなった。都市から田舎へ持ち出したら、ファインダー逆入光の影響が大きくなったようなのだ。開けたロケーションで使ったからなのだろう。

 これは困った。フレクトゴンが下手にキッチリ写るレンズなだけに、私はなかなか諦めきれなかった。外部露出計を持ち歩くのは面倒だし、勘露出には自信がない。となればボディ側でなんとかするしかないのか・・・。

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 結果的にAFボディを選択することになった。MシリーズのAE機という手もあったのだけど、気に入ったボディとなかなか出会わなかったのである。
 MGあたりなら私の好みであるのに、めったに中古品を目にしない。そのわりにMZシリーズのボディはやたら目にする。

 M42変換リングがちゃんと使えること、絞り込み測光用のレンズでも絞り優先AEで問題なく使えること。この2点をユーザーさんへきっちり確認した上で、私はAFボディでフレクトゴンを使ってみる決意をした。
 でもMXもMZ-3も広島のぴゅんぴゅんさんちから来たのよ~。重ね重ねってやつである(^^;

 MZ-3の操作性は優れており、M42レンズを使うことになんの不自由もない。やっとストレスなくフレクトゴンを使えるようになったのである。
 ピント移動の問題は絞り込み測光を使っている限りどうにもならないのだから、開き直ることで解決。
 開放でピントを合わせ、あとは絞り込んでいく。絞り優先AEで使ってるから、そのままレリーズするだけ。しかも分割測光なので、あまり神経質になる必要もなく、集中してバンバン使える。

 フレクトゴンについては、その光学性能の高さからあちらこちらで語られている。もはや私がなにかを表現しようとしても、舌足らずのものになるに違いない。だから私の体験的な部分の狭い話でご勘弁願いたい。
 カール・ツァイス・イエナは、ドイツ東西分割で東側になってしまったツァイスのことである。DDRである。
 どうせ共産圏のレンズだろうという先入観は不必要で、戦前に高い設計レベルに達していた上に、スローペースとはいえきちんと新しい技術も取り入れてきているレンズだ。

 現代のいわゆるツァイス(西側ツァイスね)に比べると、絶対的なトーンとヌケのよさは落ちる気がするのだけれど、普通のフィルムできっちり勝負ができるという点で、私にとってはツァイスなのである。
 必要以上に派手なフィルムを必要とせず、中庸なフィルムで十分にそれらしい写りになる。立体感とコントラストがきちんとあるので、馬鹿みたいにヌケた描写が嫌いな人にはいいんじゃないかと思う。

 「こんなにきっちり写っちゃってもいいのかな」と申し訳なくなるくらいの写りだ。こと写りに関しては、M42であることや、旧共産圏のレンズだということを意識する必要がまったくない。お値段からしたら、コストパフォーマンスは最高なのである。
 しかも最短撮影距離がわずか20cm弱だ。近距離撮影では露出補正の必要性を感じる結果だったけれども、寄れることで撮影の幅が広がることは間違いない。密かに一本勝負向きのレンズなのではないかと思うのだった。

 M42マウントと親和性の高いKマウントボディにつけっぱなしで、ブラブラと地方へ旅に出るというような使い方が似合うかもしれない。リバーサルを普通に使って。
 スナップの基本たる35mmという焦点距離でもある。なんだか撮るのが下手になってきている自分にとって、撮る勉強をし直すいいレンズだったりしてな。(2006,08,15)

 
 
 

 以上、再録分になります。

 中古相場が高いという噂で、どれどれとオークションを覗いてみたら、確かに安くはありませんねえ。
 海外船便の送り賃と汎用フード代を含めても、2万円代半ばで調達した私は、かなりの幸せモノ(^^;

 カメラマスコミ的な視点からしますと、いろいろと欠点もございましょうが、かなり個性的な写りをするレンズといえるんじゃないかと思います。
 フンワリ系ではなくガッチリ系のレンズで、好みは大きく別れるものと思われますが、私はこのレンズ、好きですねえ。とくにフォルティアなんていう派手なフィルムと組み合わせたりしますと、もうガツーンという感じの絵になって。

 上記でも触れてますが、最短撮影距離が短いレンズながら、その近辺で撮るなら露出倍数は意識したほうがいい結果を得られます。絞りでいうと1絞りから1絞り半は最低でも必要かと感じました。
 また、デジタル適性に関してはいささか物足りなく、ヌケの良さはデジタルで使っても変わりませんが、シャープネスが物足りない結果になりがち。銀塩向きのレンズですね。

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 逆に考えれば、過度な個性がデジタルでは弱まりますので、普通に使えるっちゃ使えますけれど。わざわざフレクトゴンを使う理由がないのなら、やはりデジタル専用設計レンズを使ったほうが無難ですかなぁ。

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再録 Konica M-Hexanon 28mm F2.8 for Konica KM

 レンズ系再録モノの連投ですいません。もうすぐネタが尽きますw

 以下、再掲分。

 
 

 コニカの現代的レンズというと、私の場合は、HEXARに搭載されていたやたらキレる35mmF2が頭に思い浮かぶのだけど、KMマウントのシリーズは、ヘキサーのノリとはちょっと違う。
 いや、ちょっとというより、かなり違う感じなんである。キレるという印象は受けないのだった。

 KMシリーズに関し、私はまだこの28mmしか使ったことがないのだけど、カメラマスコミはなんとなく奥歯に物が挟まったような表現に終始してはいないかと感じる。
 HEXARのレンズとKM35mmを比較した記事でも、どっちかというとKMのほうが粘るとか、そんな程度だ。
 でも28mmを使ってみた限りでは、ヘキサーのレンズのノリなんていうものは微塵もない気がする。
 というか、故意にKMシリーズはこういう味付けをしてるんだろうな、と思わせるくらい、まったく別個の独立したシリーズだ。

 レンジファインダー機のユーザーは、現代的なキリキリした描写を好まないという。ホントかどうか知らない。
 レンジファインダー機ユーザーというカテゴリーの中には、少なからずライカ偏執の人というのがいて、しかもライカ偏執の人の中には、古いライカほどありがたがるマニアというのがかなり多くいるだろうから、そういった人というのは「ライカレンズの味」なんていう具合に古いレンズをありがたがったりして、その声も大きいのかもしれない。

 現代的なライカレンズというのは、むしろ日本のレンズに歩み寄ってるかのようなキレを備えつつあり、ライカの写りが古めかしいなどともはや言えなくなってると思う。
 けれどコニカKMシリーズは、あえて派手さを抑えた味付けに思え、HEXARのレンズはさすがにキレすぎるとしても、KMマウントはもうちょっと現代的な描写でも良かったんでないの?と私は感じたりする。けれど奥が深そうなのは理解しているつもりである。

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 例えばリバーサルでこのレンズを使ってみる。仕上がりのスリーブを眺めていると、いかにも現代ヘキサノンっぽくきちんと色分離がされていて、今っぽいレンズだなーと感じる。
 ところがルーペで1コマずつ見ていくと、けっしてシャープすぎず、むしろおとなしい描写に感じる。発色も派手なレンズではないので、なんとなーく地味に感じてくる。最初にスリーブを眺めた時の印象とはガラリと違うのだ。

 このへんはスキャナでパソコンに取り込んでみても変わらず、おとなしいのう、というのが第一印象だ。
 けれどよく見ると色彩のトーンがたくさんあって、色数が豊かなレンズなのかと感じさせてくれる。派手な発色ではないけれど、地味な中にもたくさん色がある感じなのだ。
 こういうレンズはリバーサルよりも、むしろネガフィルムで使ってみるべきなのかも。そう感じさせてくれるものがこの28mmにはある。リバーサルではラチチュードが狭くて活かしきれていないのではないか。

 そんな私の疑問は、リバーサルで使ってみて、いまひとつ納得していないから生まれる。こんなもんではあるまい、まだまだ奥があるはずだ。
 そのヒントが、地味に感じるわりに表現豊かな色数であろうし、スリーブを眺めた時とルーペを使って観察した時の意外な差なのであろうと私は思っている。

 じゃあKM35mmとかはどんな感じなのよ?という興味を、少なからず抱かされるだけの深みがあると思うのだ。
 一目で気に入った写りだったというだけがいいレンズの条件ではあるまい。GR1に搭載されていたGR28mmの時もそうだったが「もうちょっと使ってみたい」という気持ちを抱かせてくれるレンズも、いいレンズなのではあるまいか。
 奥にありそうななにかを確かめたくなる興味。それがこのヘキサノン28mmには間違いなく存在しているような気がしている。

 厳密には、ライカMマウントとコニカKMマウントは別物である。相互に装着が可能だというだけのことで、フランジバックの長さが違うのだ。だからF1.2クラスのレンズを開放で使った際などに、ピントがズレる可能性があるということになる。
 コニカではヘキサーRFのフランジバック調整を引き受けている。ライカMレンズに合わせた調整を引き受けているのだ。
 コニカにとってはなにやら屈辱的な調整作業のような気もするが、密かにライカのメガネつきレンズがそのままヘキサーRFに使えたりするなど、ライカMを大変に強く意識した仕様になってるのがコニカKMシステムなのだ。

 まずライカありき。それが大前提になっている雰囲気がある。そのへんにMヘキサノンのレンズの味を解く秘密があるのかもしれない。(2005,04,07)

 
 

 以上、再掲分。

 好き放題に書いてますなぁ。読み返して恥ずかしくなってきます。けれどKMレンズの絵には落ち着きがあると思うのですよ。派手な写りの一眼レフ用レンズとは違い、現代のレンズ設計技術を反映させた上で、落ち着きを与えているというか。

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再録 Cosina Voigtlander Nokton 50mm F1.5 Asp. for Leica L

 また再録系でお茶を濁すようになってまいりました。あきまへんなぁ(^^ゞ

 以下、再掲分です。

 
 

 初期のコシレンのレンズが苦手だ、と私はよく書く(2011年・注 当時はそう感じたのですよ)。その印象は、ウルトロン35mmF1.7Asp.によって主に作られている。
 私は35mmレンズの素直な遠近感が好きなので、レンジファインダー機を使ってみるにあたり、35mmレンズを選んだ。それがウルトロン35mmである。
 ところがこのレンズ、やたらハイコントラストで、しかも初期のコシレンに共通のシャドーの潰れが顕著なレンズでもあった。リバーサルフィルム愛好家の私としては、大変に使いにくいレンズである。ネガ撮りならイケるかもだが。

 35mmレンズ。そして中途半端なF1.7という明るさ。そして非球面。なにやら期待したくなるスペックではあったし、レンズ本体も小さくて、これで写りが妥協できるなら、愛用したくなる要素はあったが、どうにも私には写りが許せなかった。
 どーもコシレンのレンズの明るいとこは怪しいな、とわかる前に、なぜか私はノクトン50mmを入手してしまっていた。
 調達の動機はもう忘れた。たぶんいつもの「やはり50mmレンズがなくては」というだけのことではないかと思う。

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 このノクトンも初期ラインナップのうちの1本と区分していいと思う。いわゆる高コントラストでシャドーが潰れる一連の性格を持っているはずである。
 ところが、大口径レンズのおかげなのか、コントラストの高さがあまり嫌味になっていない。ガツンとコントラストがつくというより、飛んでるとこは飛んでる。そんな感じで、ウルトロン35mmよりもはマイルドな印象がある。

 シャドーもそんなに潰れない。傾向としては潰れやすいのだが、新緑の木陰の緑が潰れず、深みのある緑を再現していたりもする。やはりマイルドな印象だ。
 発色が素直な印象がある。白がきちんと白として出て、変なクセがない。変な色カブリをすることがなく、レンズとしては素直な発色だと思う。

 意識して使っているわけではないが、私はこのノクトンを条件の悪い時ばかり使っていることに気がついた。雨天で暗くなってる時。あるいは夕方の光量が低くなってきている場面などでだ。つまり絞りを開放に近いところでばかり使っている。
 趣味としての大口径レンズの楽しみは、絞り開放付近での大口径描写の主張だと私は思っている。それはやたら狭い被写界深度の表現だったりするし、あるいはちょっと淡さのある開放描写だったりする。
 このノクトン50mmには、そんな開放付近でのちょっとした乱れがあって、いかにも大口径レンズらしい気がする。完璧な描写ばかりがレンズの魅力というわけでもあるまい。(2004,12,01)

 
 

 以上、再掲分。

 なんつーのか、コシナでRF機用レンズだから存在価値があるようなレンズですねえ。最近のライカレンズみたいに、バリバリのガチガチなレンズって、RF機を好むユーザーさんにどれだけ需要があるものでしょうか。
 30歳を過ぎてから、なんでもかんでもクッキリハッキリ写り込んでればそれでいいものなのかなぁ?と疑問を持った私としては、大口径の主張みたいな性格の淡さをも併せ持ったレンズがかわいく思えたりするのですよ。

 もちろん、低照度下でキッチリ勝負できる明るいレンズというのも、存在価値はあります。コシナさんでいえば35mmのF1.2とかね。重いレンズとはいえ、ライカM5に装着するといい前後重量バランスになり、私の構え方なら左手の中指に全体の重心が来ます。
 これが一眼レフなら、もうレンズが重くてしょうがなくなる大きさと重さになっているのでしょうが、RF機ならではのこと。

 昨今のようなデジタル機全盛の時代になっても、RF機には存在価値があるようです。リコーGXRの次期ユニットがライカMマウントという話も出ております。ライカM9なんか買えない日本の貧乏人のため、がんばってほしいところです。

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再録 Sigma 14mm F2.8EX HSM

 立春ですねえ。旧暦が基本の季節分けとはいえ、たまたま今年の日本列島は立春にふさわしい雪融けでやんすねえ。
 ええ、当地でもすっかり寒気が緩みまして、秋田市内は急速に雪が消えていってます。

 北国の春ってのは、けっこう汚いもんでしてね。毎年書いていることながら、「雪融け」という言葉のきれいなイメージとはまったく違い、雪の下から汚いもんがたくさん出てくるんです。
 雪が積もり始めた時期からずっと溜まっていた汚いものが顔を出し、けっして快適な光景ではないのですね。
 本格的に春が来て、空気が乾き、普通に雨が降るようになって、ようやく冬の汚れが洗い流される。そんな北国の春。

 寒気が緩んでくれたおかげで、毎週末の除雪行は免除の様子で、のんびりとした週末を送れるみたいです。
 すっかり気が抜けておりますんで、今日も古い記事をコピーして済ませますよ。

 以下、再掲なのです。

 
 

 おお。シグマのレンズを登場させてしまった。いいのか?いいんである。どーせ私の寝言なのだ(^^;

Img_4400_1

 シグマのレンズに対する世評を集めてみると、だいたい以下のようになるかと思う。「新製品開発に果敢なチャレンジを見せ、どんどん新製品が登場するものの、逆光に弱かったり色再現が物足りない場合あり。安価で軽量なのはマル」こんな感じか。

 正直な話、最近でこそ描写もなかなかのレンズがあるけれど、シグマのレンズは逆光に弱く簡単に破綻しちゃうのは事実であった。
 シグマのためにフォローしておくと、これはシグマのレンズがダメなのではなく、他社が対策をそれなりにいろいろ施しているだけのことで、むしろシグマのレンズがストレートスタイルなのだといえる。あれ?なんもフォローになってない?(^^;

 まぁ描写だけではなく、AFレンズがたまに妙な挙動を見せる場合があるし、AF駆動音がゴソゴソと精密さに欠けたりする面もある。
 がさつだとでもいうのかな。マニュアルフォーカス時代には変な色カブリをした安いズームレンズとか、開放F値の変化がボディ側にまったく連動していないものもあった。
 けれどシグマの美点は果敢な新製品チャレンジにあると私は受け取っているので、全面的に遠ざけるつもりもないのである。シグマでなければ入手できないレンズっていうのは確実にあるのだから。

 この14mmF2.8EXはそんなレンズの1本である。キヤノンのEF14mmF2.8Lは驚くようなコントラストと色乗りを併せ持つレンズで、価格なりのものすごさがあり、こりゃおもしれーなーと感じるレンズなのだけど、いかんせん簡単に買えるものではない。一般人としては論外扱いにしたほうが良さそうな感じである。
 けれどシグマ14mmのなんと安価なことよ。同時期にタムロンからも14mmが発売されており、おそらくタムロンのものは私の好みに合う描写なのだろうと予想できたけれど、私はあえてシグマにした。

 14mmという焦点域は常用するものではない。あくまでもワンポイントで使うものだ。ならば安価なことに越したことはないのではなかろうか。私はそう考えたのである。
 別のタムロンAFレンズを使ったら、ゴソゴソしててなんだか動作が気持ち悪かったのもあって、超音波モーター搭載のシグマ14mmにしたのであった。

 ●シグマ14mmF2.8EX HSM \140,000 / \86,899
 ●タムロンSP14mmF2.8 \198,000 / \130,686
 ●キヤノンEF14mmF2.8L USM \307,000 / \214,189

 いまちょっと価格を調べてみた(2011年・注 記事を書いた頃の価格)。メーカー上代でこれだけ差がある。実販もこれだけ差がある。ここだけの話、数年前の業界流通価格もこのくらいの差があった。
 元から価格が違うんだから仕方ないけれど、もしもシグマとタムロンが同じ価格なら、かなり迷わせられる。かたや超音波モーター、かたや逆光に強そうなタムロンレンズ。でもなぁこの価格差じゃちょっとなぁ。立派なシグマの価格戦略である。

 シグマの14mmというと、私の頭の中には旧タイプの描写が記憶にある。まだオートフォーカス一眼レフなんて存在しなかった頃のものだ。
 その描写はとても荒々しく、線は太くザラザラしたもので、周辺光量は落ちて流れちゃう絵ではあったけれど、なにしろメーカー上代が6~7万のF3.5であった。このくらい写ってくれれば御の字というものである。
 トライXと組み合わせると似合うのではないか、という荒々しさであったから、使うフィルムによってはなんらハンディのない仕様であったともいえる。

R1307eb3e14

 現行の14mmF2.8EXは、旧タイプの延長線上といえるような荒々しい顔を見せることもあるが、非球面レンズを投入したおかげで周辺光量の落ち込みは皆無に近い。ただし四隅はそれなりに荒れる。絞り込むことで解決できるレベルなんだけどもね。

 私は14mmでこのくらい荒れるのは当たり前だと思っているので、むしろ歪曲の無さを美徳に感じる。きちんと直線が出ているではないか。たいしたもんである。
 発色だってかつてのシグマ色ではない。黄色がかったぼんやりとした色調ではなく、きちんと色が出る。
 コントラストもしっかりしたものだ。ゴーストが出やすいのはこのクラスのレンズはみんな同じ。そういう時は撮影の基本に立ち返ってハレ切りをしたらいい。きちんと価格なりの写りをしてくれるのだから、文句のあろうはずもない。

 今でもシグマのレンズにはハズレのものがたまにあるらしい(2011年・注 最近はハズレレンズはないように思える)。そういう評判を目にすることもある。
 けれど私はシグマのレンズに対して全面的に否定したくはない。妙に贔屓をしている。その理由がこの14mmF2.8EXなのである。

 アタリハズレが極端でわかりやすいメーカーと考えればいいかもしれない。現行品でもあいかわらず逆光に弱いものはあるようだが、すべてのレンズがそうだというわけではない。
 以前、70-200mmF2.8EXを使ったことがあるけれど、逆光でもなかなかのもんだった。明らかにカメラメーカーへケンカを売ってる写りである。商売に使うのでなければ文句のない写りだったよ。

 というか、我々アマチュアは写りがうんぬんとヌカす前に、まずきちんと撮ることが重要だったりするではないか。(2004,09,16)

 
 

 以上、再掲分。

 今となっちゃ、かつての「安かろう悪かろう」のシグマさんなんて、もう隔世の感がありますな。
 遅々としたカメラメーカー純正レンズの開発ペースを尻目に、思いっきりケンカを売るような仕様のレンズをガンガン出し始めた頃から、レンズメーカーさんは本気のレベルになり、ハズレのレンズなんてものは見当たらなくなりました。

 超廉価なダブルズームレンズセットでさえ、それなりの写りのレベルにちゃんと達しているわけで、カメラレンズとしてもっとも大事であるはずの写りで及第。
 搭載しているAFモーターがうるせえとか、本筋以外のところでは、メーカー純正レンズに劣る場合もあるでしょうが、価格が安い理由をきちんと納得して使う分には問題ないですから。

 コシナさんだって昔は三流メーカー扱いされてたんですよ。シグマ・タムロン・トキナーの三強より格下扱いで、下請け専業みたいな。
 けれど日本の光学メーカーはきちんとした技術を保持した上で、あえて廉価のために手を抜いていたことが今では明らかですな。ライカの一眼レフ用レンズを日本のメーカーが下請けしていたなんて、当時は驚きだったものです。

 ちゃんと評価されればきちんとしたものを作れる。トキナーのAT-Xで火がついたようなこの流れの上に、日本のレンズメーカーさんはきっちりと勝負しているわけです。

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再録 Canon EF24mm F2.8 for Canon EOS

 「今月お誕生日の方に特典のご案内」なんていうメールが届くと、分割金利でも割り引きしてくれんのかと期待しちゃうのだ。そんなこたぁ、あるわきゃないか。

 久しぶりにレンズ系の再録モノでお茶を濁します。しかも今時銀塩で使ってる人などごく一握りで、デジタルでも一握りであろうというEF24mmF2.8でやんすよ。いちおー掲載時の順番ということで。

 以下、再掲となります。

 
 

 とっても地味なレンズである。外見も地味。お値段も地味。たぶんあんまり売れてない。
 けれど単焦点地味派のEOSユーザーにとっては、ちょっと見逃せない存在ではなかろうか。

 あれ?EOSユーザーに単焦点地味派なんかいるのだろうか。ズームレンズ主義ばっかりだったりしてな(^^;

 24mmの単焦点ってのは微妙なポジションのレンズだと思う。画角が外のお隣20mmは、単焦点としてけっこうメジャーなとこだし、反対に28mmはスナップ用レンズの王道なので、単焦点レンズユーザーが多く、メーカーさんが力を入れるので目立つ。
 20mmと28mmという両メジャーに挟まれて、とっても目立たなくなっている24mmである。以前は超広角レンズへの入り口として重要視された存在であったのに。

 ズームレンズによって画角をカバーされるようになったのも、24mm単焦点レンズをマイナーにしていっている理由のひとつだろう。
 昨今はデジタルカメラ対応としてズームレンズの広角化が著しいので、ますます24mmは地味になってきている。個人的には24mmの写りを「派手な画角だなぁ」と感じていた頃が懐かしい。

 20mmほど誇張が激しくなく、かといって28mmのような自然な広がりでもない。わかりやすい広さとでもいうか、ハンパといえばハンパ。微妙といえば微妙。けれど使ってみると振り回しやすくて意外によろしいものである。
 レンズ本体の大きさが小さく済ませられるのも利点である。50mmレンズから24mmまでは小さな寸法であるが、たいてい20mmくらいからレンズ外寸が大きくなる。

 クルマで移動することが当然で、機材をなんぼ持ち歩いても構わないというタイプのユーザーならともかく、歩きで被写体を拾うには、機材の寸法というものが気になって当然であろう。
 単焦点レンズで、しかも常識的な開放F値のレンズならば、24~100mmくらいのレンズは大きさも重さもたいして変わらない場合が多い。価格もそんなに差はない。機材を持ち歩く肉体にとって優しいし、財布にも優しいんである。
 そういった意味で、普及価格帯の24mm単焦点レンズは、もっと注目されていいポジションだと思う。

 F2.8という普通の明るさのEF24mm、実はけっこう写りがいい。無理をしていない明るさのせいだろうか、ピントの来ているところはググッとシャープだし、アウトフォーカスに汚いボケなど出ない。リアフォーカス方式とか、フローティング効果とか、なにやら工夫をされているためであろうか。
 色乗りもそこそこすることから、どこかツァイスっぽい雰囲気すら漂わせている(誉めすぎかな)。写りにウエットさがあるところがいい。

P199rvp

 艶のあるものを撮影した時、実にいい感じでぬめりと描写するレンズと、単なる明暗でパサパサに描写するレンズがあるけれど、EF24mmはどちらかというとヌメヌメ型である。
 ヌメヌメ型のレンズというのは、コントラストがきちんとつき、色乗りもそこそこしているレンズであることが多い。
 私は基本的にヌメヌメ型のレンズを優秀と感じるタイプなので、地味ながらEF24mmF2.8というレンズはけっこうな穴だよなーと思うんである。私の好みは硬めのレンズだけれど、硬けりゃなんでもいいかというとそういうわけではない。

 こういった地味なレンズが旧式のモーターを搭載したタイプのままであることが、キヤノンEFレンズシリーズでちょっと面白くないところなのである。
 EF35mmF2とか、EF28mmF2.8なんていう機動性優先レンズが、ザーザーと音を立てるノイジーなレンズなのは、スナップという用途からすると、まったく似合わない。こういったスナップレンズにこそ静粛な超音波モーターが必要だろう。

 キヤノンは実用的必要性よりも、販売価格の差別化に超音波モーターを利用しているみたいだから(2011年・注 10年前の話)、今後も一切期待できないのはわかってることだが。
 スナップマシンとしてのポテンシャルを持つEOS kissと組み合わせると、レンズのAFはノイジーだわ、ボディ側はシングルAFとコンティニアスAFが勝手に切り替わるわで、おめーよ!というイラつき状態になりかねない。
 kiss3の黒ボディは実に地味で目立たないコンパクトボディなので、AFの手動切替という一点だけでも追加してもらえれば、私はスナップ用のメイン一眼レフとして使うことにやぶさかではない。まあkissデジタルでも同じパターンであるから、キヤノンは販売上の理由でそうしているんだろうけれど。

 ズームレンズ全盛になり、地味な単焦点レンズを改良しても仕方ないというメーカーの思惑と、ご家庭向け記念写真カメラと宣伝用高級カメラだけ売れればいいという販売施策が、真面目にスナップを撮影したいと考える層からキヤノンがあまり支持されない理由になっていると考えられる。
 メーカーとして販売施策がはっきりしているのは結構。宣伝文句で違反ギリギリの偉そうなコメントを並べるのもいいだろう。けれど使っているユーザーは知っているんである。

 私はお客だから勝手なことを言う。私がキヤノンユーザーなのに絶対メーカーを誉めないのは、物造りよりも販売施策を優先させる企業姿勢に対して不信感を抱いているからである。
 このEF24mmのようなレンズが地味なままになってしまっている一因は、単焦点レンズが売れないという市場だけが理由ではなく、企業側の姿勢にも原因の一端はあると思う。(2004,08,20)

 
 

 以上、再掲分。

 なんだか大上段に構えて偉そうなことを書き殴っておりますねえ。しかもこの24mmレンズ、銀塩の頃にあまり使ってませんでした。なんだかんだいって、一本勝負するくらい気合が乗ってる時じゃなきゃ、やはり使いづらいとこがあるかも(^^ゞ
 貧乏学生時代に24mm単焦点レンズに出会っていたら、おそらく一本勝負を厭わず、論理的に実例を上げて誉めちぎるのでしょうけど、迷って私は20mmに走りましたからなー。説得力がないのでした。

 APS-Cサイズのセンサーを搭載したデジタル一眼レフ機なら、24mmレンズはおおむね38mmレンズってな感じで使えますんで、世の中には装着して使ってる人もごく少数ながらいらっしゃるようです。
 カラーバランスはEFレンズとしてデジタル用レンズと同じはずなので、発色という点で気にしなくてもいいかと、私もKDXへくっつけてお試しで使いましたが。
 シャープなビシビシの描写を期待しちゃう人には向きませんなぁ。むしろホッコリとした柔らか目の絵になります。広角レンズならではの最短撮影距離の短さがありますんで、便利に使えなくもないかとは思います。

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再録 コンタックス T3

 なんとなくまた更新をサボりそうな気がするので、高級コンパクト機路線の再録でお茶を濁しておきます。誰にでもオススメできる優等生、コンタックスT3でやんすよ。

 以下、再掲分。



 私が20歳代の頃ですな、なんでツアイスはこんなに高価で、しかも確固たる支持者がいるのかと疑問に思ったことがあった。つまりツアイスの良さがよくわからなかったんですなあ。
 おっさんになってきてから「なるほど」と思うことは増えた。硬めでシャープな描写が好きなビヨーン太であっても、ツアイスはなかなかだなと思わせてくれる。

 世間でいう色ノリの良さというものは私は感じていない。単に色ノリやヌケのいいレンズはなにもツアイスでなくても存在しているのだ。
 素性の良さ。これに尽きる。脈々と続く貴族の末裔ながら、本人自身も貴族の末裔だと周囲を納得させてくれるだけの人物。そんな感じなのである。

Cx_t3b

 まあ手短に表現すると、派手な色が出るフィルムを使うと間抜けな写りになってしまうガンコなレンズである代わり、地味な普通のフィルムで十分に素晴らしい写りをしてくれるレンズでもあるのだ。

 まあコンパクト機のレンズでゴタクを並べても仕方のない気はするんだけども(^^ゞ。でもT3のレンズもよろしいですヨ。一眼レフのレンズは使ったことないけれども、フレキシブルな性格はGシリーズのレンズより上だと感じる。
 というのも、GシリーズのレンズでEBXを使うとなんかイマイチの軽薄な写りになるのに、T3にEBXでも軽薄さがなかなか顔を出さないのである。

 しかも、かなり近距離まで寄れるAFであるため、近距離での写りも悪くない。AFの測距能力の関係もあり、遠距離の風景を積極的に撮るカメラではないことはいうまでもないが、逆に生活距離、日ごろスナップで使われる距離に重点を置いてチューンナップされているのではないかと感じるほど、普段使うカメラの写りとしては文句のない描写である。
 もちろんAFは信頼性が高く、レンズの描写を生かす使い方が可能である。

 操作もそういう性格を反映しており、スイッチオフからロックボタンで解除してからプログラムAEモード、そこから絞り優先AEモードに入るためにはもう一度ロックボタンを押さなければならないなど、極力スイッチオンでパチリという使い方を推奨されているのではないかと思ってしまうほどちょっと面倒なところがある。
 露出補正などを積極的にするには少々イラつく面もある。モードボタンを押してマルチコマンドダイヤルを回すのだが、このダイヤルが小さくて操作性がスポイルされる。もっとも、他の同クラス機種に比べればダイヤルがあるだけマシではある。

Ct3d_2

 フィルターを装着できたりフードが装備できたりするが、そこまでシビアに撮影するならGシリーズにステップアップするべきだろう。それよりもデフォルトの状態で使う姿が似合う。
 ちょっと高価な生活カメラで、しかも写真の基礎知識があるユーザーに似合うカメラといえる。普通のコンパクトカメラと同じようにプログラムAEで撮る使い方をしつつ、いざとなったらマニュアル操作する余地もある、そんなカメラなのである。
 露出傾向はニュートラル~オーバー傾向なので、リバーサル使用では場合によって露出補正固定のまま使用するケースもあるかもしれない。

 T3ってうまくまとまってるカメラだ。あまり好きな言葉ではない『高級コンパクトカメラ』。T3にこそ、ふさわしいかもしれない。高いカメラだからと撮り方を変えるのではなく、普通のコンパクトカメラと同じ使い方をして、写りに数段差がある。そんな雰囲気なのだ。
 あえて欠点を指摘するなら、液晶部に夜間照明を装備していないこと。ファインダー内にAF測距表示が出ないこと。サブダイヤルが小さすぎることとタッチがイマイチなこと。こんな程度なんである。どれも使い方でカバーできることだ。

 このようにうまくまとまっているカメラだが、2004年冬、金欠により手放してしまった。優等生が必ずしもかわいいとは限らない。だが誰にでもオススメできるカメラではある。ホント、よく写るんだ。(2004,02,01追記)



 以上、再掲分。

 レンズに関しては別に書いたものがあるのでそちらをご参照願いたく。とにかくよくできてるカメラです。
 当時の高級コンパクト機の中で、誰にでも文句なしにオススメできるのはT3。凝った使い方をするにはどうかと思いますが、不可能ではありません。
 内蔵フラッシュの設定モードをキープしておけるあたりは、このクラスのカメラとして当然の機能で搭載していますし、シンプルなデザインなのに厚みがあってホールディングも悪くありません。

 ただ、優等生すぎるんですよね。優等生というか、単なる秀才って感じで。一通りなんでもこなせるのに、ちょっと突っ込んだ要求をするとモゴモゴしてるっつーか。
 人間に例えるなら、天賦の能力だけで突っ走ってきた秀才ですな。応用が利かない。一見、ものすごくできる人なのに、ただそれだけ。
 カメラとしては優等生だと思いますけれど、使っていてイマジネーションが沸いてくる個性がまったくないというか。

 道具としてはとても優秀です。でも相棒としてはどうか。そんな感じですね。だから私は手放したのでした。

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再録 コニカ HEXAR

 高級コンパクト機とかつて呼ばれたジャンルを連投。

 ヘキサーに関しては某巨大掲示板で叩かれたものの、別にウソは書いちゃいないからなー。責められてもいかんともしがたく。
 でも叩かれた具体的な部分に関しては、もうイヤなので今回は再録しません(^^;

 以下、再掲分。



 以前からものすごく興味を持っていたカメラである。私が好んで使用していた35mmレンズ。しかもF2.0という明るい高速レンズは、あきらかにメーカーの意思を感じ、他社製のコンパクトカメラとは一線を画している。
 地味な外観にすこぶる評判のよろしいレンズ。なにやら羊の皮を被った狼のようではないか。憧れは募るばかりであった。

 借り物のヘキサーロジウムを南の島へ持ち出してみたところ、期待に負けない惚れ惚れする写り。これはもう入手するしかないだろ。
 けれど私が調達できたのは、シルバーの後期型。中古ではなく新品が欲しかったのだった。

Hexar_01

 使ってみての印象は「こりゃ生半可な腕じゃ使いこなせないぜ」であった。昔ながらの部分測光とAEの組み合わせは一般的ではない。慣れれば部分測光ほど使いやすいものもないのだが、慣れるまでは苦労する。そのくせしてAE時の露出補正は、後発機に比してやりやすいとはいえない。
 マニュアル露出に切り替えると今度はスポット測光になる。スポット測光も難しい。一眼レフのスポット測光よりもは広めの測光範囲であるところが救い。
 露出に関する情報をあれこれと表示してくれるわけではなく、ファインダー内情報も極端に少ない。昨今のいたれりつくせりのカメラではないのだ。異色である。

 頭を使わなければ使えないカメラで、露出にはあまり自信のないまま使用フィルムを現像してみたら、これがなんともんのすごいシャープな写り。ずいぶんスッキリとしたスリーブやな~という印象である。
 きっちり写って色調コントラストが高いものだから、コダックのEBXなんか使うとぶっ飛んじゃって、ものすごいハイコントラストなカットになって使い物にならないくらいである。
 そのくせ、おとなしいフィルムで使うと、これぞ高速レンズだよなぁという味と、きっちりした写りを堪能できる。曇天でもどんよりとした写りにならない。

 ヘキサーってのはベテランをターゲットにしたカメラなのだろう。片手に下げて街を歩いてみると、重くもなく軽くもなく、自分の無意識の中に、作品を撮影できるくらいのカメラを手にしているのだという意識を与えてくれる。適度な存在感である。
 AFは世評どおり99%ピタリと合う。私の使用状況では100%合っている。この頃のコニカのAFはものすごい精度でピントを合わせるのだ。F2.0開放でもなんの不安もない。

Hexar_04

 だけどもうちょっと優しいカメラであってくれてもいいんでないかとは思う。ファインダー内情報の寂しさと、ボタン操作中心の操作性は誉められたものではない。使い勝手が向上するなら、おそらく銀塩写真最後の日まで使われるカメラの1台になるはずである。
 そのくらいに基礎ポテンシャルは高い。基本的な部分が完成されているのである。地味な外観が禍していまひとつウケないようだが、こんなに戦闘的なカメラもそうそうないものだ。

 手元にあるのはヘキサーシルバー。後期生産型である。社外フラッシュ用にGN設定モードがあるあたり、使用する人の立場になって搭載された機能と感じる。(2004,02,28)

 《中略》

 さて、後期生産型に対してサイレントモードを搭載しなかった理由は、様々な憶測がされているが、もっぱら隠し撮り防止、あるいは特許侵害という説が横行している。真相はわからない。
 私などは黒ボディ好きなのになぜかヘキサーはシルバーを使っているが、サイレントモードが搭載されていないというのはちょっと残念な気がしていた。ROM改造によりサイレント化してくれて、個人的には得した気分である。

 ただ爆速AFのレンズ駆動速度が、サイレントモードでは遅くなるというのが痛し痒しであると思われる。
 また、あまりにも静かなシャッター音のため、サイレントモードではシャッターの落ちたタイミングがよくわからない。すぐ落ちてしまっている。巻き上げモーターの音がいかに撮影のリズムを刻んでいるかよくわかった。




 以上、再掲分。

 問題の「後期型ヘキサーでもサイレントモードを生かすコマンド」について割愛しています。
 私は中国の某サイトにてそのやり方を見つけ、元ネタが英文で書かれた某サイトであると発見し、英語ならなんとかなるべえと自分でやってみて成功したので、親切心のつもりで日本語化したものを掲載したのだけど、出展は某巨大掲示板のはずなのに発見してきたかのように書いている!と叩かれたのでした。

 批判されてまでも親切心を維持するほど私は聖人君子じゃありませんので、今回も掲載はいたしません。
 おそらくコピペなりなんなりされてネット上のどこかには明記されているはずですから、興味のある方は自己責任でどうぞ。

 でも素直に黒ヘキサーを選んでおいたほうがいいと思います。サイレント化しても黒とシルバーじゃ音が違うんですよ。たぶん黒ヘキサーのほうが静かだと思います。黒ヘキサーは最初からサイレントモードを搭載してますしね。
 ヘキサーに手頃なフードとしてみんなが手を出したコンタックスGのフードがキンキラなので、ボディはシルバーでもいいかと思ったのでしたが、目立たないスナッパーであることを意識しても黒ボディの程度のいい中古を探すほうが賢明だと思いますですよ。

 ヘキサーはいわゆる高級コンパクト機のカテゴリーで語られるカメラですが、その大きさからコンパクト機というより「レンズ一体機」ですわ。気軽に持ち歩く存在じゃないですもん。
 けれど、いざマジで撮るというシーンになると、いい大きさなのね。体積的にはライカMあたりを持ち歩くのと変わりがないけれど、重量が軽いので、適度な緊張感を維持してられるというか。

 んで、レンズも決して優等生ヅラした写りではなく、開放ではなにげなく破綻しかけてるところを見せたりして、銀塩時代ならではの性格だと思うんです。ゆえに処分できません。そういうかわいいレンズが好きですから。
 レンズについての詳細ウンチクは、以前に書いたものを参照願います。

 

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