旧機材系・再録

再録 オリンパスOM-4

 里子決定記念。以下、再録です。


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 なにをいまさらOM-4。ごもっともなご指摘である。けれど私、実はかねてからOMシリーズに未練タラタラであったのだ。

 印刷媒体に掲載された作例は写りの参考にはならない。そんな根強い意見が巷にはあるようだが、脳内変換できれば十分に写りの参考になると、私は何度か書いている。
 雑誌などに掲載されている絵でレンズそのものを評価しようというのではない。「印刷でこんな感じなら、おそらく実写ではこうなるであろう」という推測である。決め付けられはしないものの、レンズの方向性というか性格というか、そんなものはある程度把握できると思う。

 で、私はかねてからオリンパスのズイコーレンズの写りというものに興味があった。どうも私の好みなのではないかと。一言で表現するなら「しっとり感」。その中にズイコーレンズのキレがあるように思える。
 それは雑誌などに掲載される絵で感じたものであったりするし、コンパクトカメラの傑作であるミューを使ってみてもそうだった。

 ミューの写りが大変に素晴らしいと褒めちぎるつもりはない。価格にしてはよく写る。リバーサルを装填しても場面によってはかなりキリリとした絵が得られる。その程度のものではあるものの、オリンパスレンズのキレ。その一端はかいまみれるものがある。
 これはいつかはズイコーレンズにいかねばなるまいのう。そう長年感じてきていたのではある。

 15年ほど前(2010年注・ようは1990年前後のこと)、中古でOM-1を買おうとしたことがある。21mm、35mm、100mmの3本で小さなセットを作ろうかと思いついたのだった。
 当時の私は、航空機撮影メインの趣味から、カメラ片手に気になる街をひたすら歩くスタイルに移行しつつあって、なにか被写体を目的に街を訪問するのではなく、肌で街を感じつつ被写体があったら撮ろうという散歩スタイルだ。現在と同じスタイルである。
 そんなブラブラ歩きには軽量なカメラがあれば助かるわけで、一眼レフ一辺倒であった当時の私はOMシステムに目をつけたのだった。

 だけど店頭でOM-1を手にしてみても、どうも手にしっくりこない。小さすぎるのではないかとあの頃は思った。そしてマウント基部にあるシャッター速度ダイヤルの配置に納得がいかず、とりあえず私はOMの調達をあきらめたのである。

 キヤノンユーザーであった私はシャッター速度優先AEで育ったが、最近はマニュアル露出機や絞り優先AE機のほうがしっくりくるようになった。シャッター速度が二次的な要素である撮り方をするようになったからだと思う。
 そうなってからあらためてOMを考えてみると、絞り優先AE機のOM-2は特等席に露出補正ダイヤルがあったりするし、OM-4はモード変更なしでAEのままスポット測光が使えたりする。

 しつこいようだが、中央部重点平均測光のAE機というものは、思いのほか露出補正の必要が頻繁にあるものだ。とくにリバーサルフィルムの使用においては1/2段といえども補正の必要性を感じるシーンがある。
 そうなると露出補正の具体的な操作性、それは露出補正ダイヤルというわかりやすい手段に限らないのだけど、AE機と露出補正はワンセットと考えていい。

 AE至上主義たるキヤノンの一眼レフなど、測光と露出補正のせめぎあいがそのままカメラの進化といってもいいくらいである。
 EOS-1に至って裏ブタへサブダイヤルを配するなど、いかな分割測光とはいえ、AE機に露出補正は必要なのだとキヤノンが認めたようなものだ。
 実際、EOS-1に搭載される分割測光は、ありがちな日常の撮影においては90%ほどの確度で露出補正の必要は認められない。AE機として優秀な測光である。けれど残りの10%が補正の必要がある限り、AE至上主義たるキヤノン機としては完璧を求めるなら露出補正ダイヤルは使いやすい位置に設置しなければならなかったのである。

 閑話休題。絞り優先AEを抵抗なく使える身になると、選べるカメラは飛躍的に増えるわけで、AEメインで使うなら、私の苦手なオリンパス一眼レフのマウント基部のシャッター速度ダイヤルを恒常的に使う必要がほとんどなさそうなのである。
 そうか、AEで使えばいいのか。そんな簡単なことに気がつき、銀塩システムの価格崩壊により入手へのハードルがさほど高くなくなったなら、使ってみてもいいのではないか。
 そんな「買う理由」が明確になった私は、OM一眼レフを使ってみようと心に決めたのであった。

 選んだボディはOM-4である。OM-4Tiの黒ボディならまだメーカー修理ができるから、ぜひそうしなさいとオススメする方は多かったが、ちょっと高価。最初の一歩としてはハードルが高かった。
 OM-2のスポット&プログラムにしようかと思ったら、なにやらレリーズのタイムラグがやたら大きいという。細かいことは気にしない大雑把な性格の私ながら、レリーズタイムラグは初期のデジタル機で泣かされたにがい経験があるので敬遠したい。
 しかもそういった小さなことでOMにガッカリしたくない。OMとズイコーレンズに関しては15年来の思い込みがある。それをだいなしにしたくないのであった。

 OM-2NかOM-4で出会いがあったら決めてしまおうと思い、OM-4に出会ったということである。
 小さなボディが自分の手に合うのかということは心配になったものの、OM-4はボディ前面にセルフタイマーレバーがなく、指に引っかかって気になる可能性が皆無であったのも、私にOM-4を選ばせた理由かもしれない。

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 (中央部重点)平均測光AE機には露出補正が欠かせないと意識するようになり、補正ダイヤルの位置というものを気にする私としては、巻き戻しクランク側に補正ダイヤルがあるのはマイナスポイントではあるものの、スポット測光の搭載がかなりの救いになっている。

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 通常のAE撮影のまま、なんらモード変更などの操作を必要とせず、いきなりスポット測光ボタンを押せば測光が開始され、そのままAEロックになるのは大変に使いやすい。
 8点まで積算平均ができるので、露出補正の代用として利用できる。ちょっと露出が飛んだかな、と思えば、別のポイントをスポット測光して平均値をズラせばいい。そういう使い方ができるのである。

 だがスポット測光というものは使いこなしが難しいもので、けっして万能の測光というわけではない。
 通っぽくて憧れる人は多いようだけど(私も20歳台の頃はそうであった)、スポット測光オンリーというのはAE機でかなり不便なものである。あれば便利に使えるのは確かなので、迷った時の判断材料、あるいは露出補正の代用として使うくらいがちょうどいいと私は思っている。

 (2010年注・OM-4は中央部重点平均測光機であり、スポット測光ボタンを押すことで瞬時にスポットの測光値に切り替わる)

 ちなみにハイライトコントロールとシャドウコントロールボタンは、スポット測光した測光値をハイライトとして白く写すため、あるいはシャドウとして黒く写すための自動補正である。
 推測では、それぞれプラスマイナス3.0の補正幅ではないかと思っていたが、実際にはハイライトコントロールが2.0、シャドウコントロールがマイナス2.66とのこと。ガッチガチの補正ではないようなので、ネガ撮りなどではかなり活用できる自動補正かもしれない。

 私が入手したOM-4はファインダー内の液晶表示が若干コントラスト低下という様子だが、薄くてわからないというほどひどくはなく、使う分には影響がなくてラッキーであった。
 液晶部の照明も装備していて、OM-4は高級機なんだよな、と再認識させられる。露出表示部の照明は高級機として譲れない装備だと私は思っている。
 レリーズの感触は予想したほど柔らかいものではなかったが、手ブレなどを危惧するような感触ではなく、これなら暗いところでもかなりイケると思わせされた。

 ただファインダーの見え具合がどうも私に合わず、50mmレンズ開放ではピントの甘いカットが散見された。視度補正ダイヤルで調整してみたのだけど、どうもしっくり来ないんである。
 35mmレンズを調達して使ってみても、やはりピントの甘いカットがあった。私の視力がオッサン仕様になってきているのか。それともAF機に慣れてしまいピントを合わせる能力が欠如しただけか。原因はともかくとして、ピントは問題である。
 普段レンジファインダー機を使うことが多いため、一眼レフでは絞りを開いて使いたくなる私なので、そういった撮り方にも問題はあると思われる。

 また、かつてコンパクトカメラであるXAを使った際にも、二重像合致にも関わらずピントの合っていないカットがあったことを記憶している。オリンパス機は私に合わないのだろーか、と思わなくもないが、そんなわけねえよな。

 AEオンリーで使っている分にはマウント基部のシャッター速度ダイヤルを操作することはなく、ズイコーレンズ独特の絞りダイヤル位置にさえ慣れれば、操作する上で困ることはない。
 普通、絞りのダイヤルはレンズのマウントに近いところにあるものなのだけど、ズイコーレンズはなぜかレンズ先端に近い位置だ。
 このへんの配置というのは、ボディ側はシャッター速度、レンズ側は絞りという明確な差異を求めてのものだと私は考える。マニュアル露出機を使う上で、使用者の意識の明確な分離を求めてのものではあるまいか。シャッター操作部と絞り操作部を極力離す配置が感じられる。

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 レンジファインダー機のレンズにはこのようなレンズ先端に近い位置に絞りリングのあるレンズが少なくない。それで私が慣れていたのもあるのか、意外にもすぐ慣れることができた。

 OMシリーズは伝説のわりにマイノリティ感がある。かなり練って構成されたカメラであるのに、どうもマイナーなのである。これはOMシリーズの操作性が独特であることも関係していると思われる。正直、もったいないのであった。
 OMを積極的に使う層というのは、日本国内においてはマクロ撮影に強いOMの特性を生かした撮り方か、極端に手の小さなミニマムサイズの女性であり、海外、とくに北米においては、ライカMシリーズと変わらぬ機材寸法で扱える一眼レフとして使われてきた。
 アメリカ人というのはプラグマティズムであり、大雑把なように見えて合理性を重んじるところがある。そんな彼らがOMをシステムの大きさとして重視したのは卓見だろう。実にOM開発のポリシーをストレートに受け取っているからだ。

 とくにジャーナリストは、カメラなんぞは大きくて重いのは勘弁してほしいと思ってる。けれど撮影において失敗するわけにはいかない。
 クソ高いライカ、しかもレンジファインダー機は作法があるし、頭を撮影に使わなければいけない比重が一眼レフよりも大きい。確実性からしたら一眼レフだと彼らが考えても不思議ではない。

 そういう観点からすると、OMというのはまさにプロの道具なのである。派手なプロカメラマンの道具ではないのかもしれない。けれど写真専業ではないのに確実なカットがなければ商売にならない地味なプロにとっては、またとない本物の道具であるかもしれないのだ。(2006,01,27)

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再録 オリンパスXA

 更新が実際の日付より遅れているのを気にして、本日は連投2本目。再録モノでお茶を濁します。
 しかもオリンパスのXAなんて、真面目に使い倒しているユーザーが今でもいるのかと疑問なチョイス。ちっこい画像しかなくて申し訳ない。これ、たぶん何十年か前の年賀状カットからトリミングしてっぞ。以下、再掲です。


Xa

 ニコンAD2で気を良くした私は、おもむろにコンパクトカメラ路線を歩くようになった。小さくても安くてもなかなか写るじゃないの、という喜びであったわけだ。
 そして行き着いた結論は、オリンパスXA。小さくてもよく写り、絞り優先AEが使える。しかも露出計がよく当たると聞く。いいじゃないの。

 当時(2010年注・おそらく1980年代半ば)、すでにXAシリーズは中古市場で高値がつきつつあった。
 XAには、XA、XA1、XA2、XA3、XA4と各種あったが、どれも改良機というわけではなく、基本のXAから派生した廉価版といった機種ばかりで、元祖のXAは存在感が違っていた。

 中古専門店でふっかけられるのを嫌い、私はあえて普通のカメラ店や小さなDPショップを狙い、やがて西新宿高層ビル街の一角にあるDP屋でXAのフルセットを発見した。
 純正ストロボと化粧箱がセットになったXAがなぜか2セットある。どちらも中古であった。見比べて程度のいいほうを\20,000で購入した。
 コンパクトカメラの究極の姿(のように私には見えた)であるXAを入手し、私はホクホクであった。さあて、明日からバリバリ使うぞーという感じで張り切っていた。

 しかし悲しいかな、なぜかXAのレンジファインダーに私の目が合わない。ひたすら使うのがつらく、ひょっとすると私はレンジファインダーを使えないのではないかと不安になるほどであった。
 今では普通にレンジファインダー機を使っている私だが、XAは今でも使いにくいのではないか。そんな気がしてならない。

 その後にXA盗難という経験をした友人へもらわれていった。あれだけ検討して購入したのに手放してしまう苦痛はたまらなかったが、使わないよりもは使う人に提供したほうがいいに決まってる。
 ロクに使わないまま手放した数少ないカメラである。その頃いっしょに暮らしていた姉ちゃんとも別れてしまい、あまりいい思い出がないカメラでもある。(2004,02,29)



 以上、再掲。

 ケースレスデザインといい、絞り優先AEの搭載といい、究極のスナップカメラを狙ったのではないかと思われるXA。
 当時のオリンパスは、コンパクト機でたまにこういうことをやってくれるから目が離せなかったのですよ。今のオリンパスさんについては、あまり多くを語りたくはないですが。

 オリンパスイズムとでもいいますかね。一眼レフのOMシリーズもそうでしたが、製品に思想があったのですよ。「売れればいい」というのではなく、思想に共感してくれた人の期待は裏切りません!というような力強さがあって。
 このXAも、非常に微妙なタッチの電磁レリーズをあえて採用してまでコンパクト化にこだわり、絞り優先AEに慣れたスナッパーへ道具を提供したようなところがありまして。

 銀塩コンパクト機の歴史を語るには、絶対に欠かせない名機でやんす。使いこなせなかった私は悲しいですが。

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再録 海鴎

  暑くなってきましたねえ。梅雨らしい雨は内陸部や山沿いばかりに降り、沿岸部はスルーされてるような昨今の雨。
 出かけてりゃきっと降られたことと思いますが、週末を自宅に閉じこもって過ごしてますと、ひたすら天気がいいだけの空がうらめしく。

 話は変わって、旧機材系からの再掲。変化球で海鴎っすよ。


Highou

 漢字で書くと「海鴎」。中国語ではハイオウと発音するらしく、誇らしげに横文字が刻印されている二眼レフ。やがてシーガルシリーズになる。シーガルは海鴎の英訳だったんだな。

 言わずと知れた中国人民大量生産的な粗製濫造モデルで、製造年数は長い。若者向けカメラ雑誌のCAPAでもかなり以前に紹介されたことがあった。

 当時の記事によれば、謎の同心円状のボケが出るとのことであり、掲載されていた参考カットを見ているうちに酔ってしまうくらいグルグル渦巻き。むむ。これではちょっとなぁ。

 ある日、新宿のミヤマ商会で見かけたら、なんと価格がたったの新品\9,000。これでもその後の価格に比べたら高いくらいのものだったけれど、大げさな大時代的フォルムに一目惚れして衝動買いしてしまった。

 機構に難点があることを表現すべく、店員さんから「必ずコッキングの前にシャッター速度を設定してください。修理不能ですから。」としつこく説明された。セルフコッキングとはいえ、難点はあるようだ。
 だけど夢中になって撮っていればそんなことは忘れてしまう。巻き上げてからシャッター速度を変更してしまい、案の定、壊してしまった。なんだっちょなぁ。

 どーせ修理不能なら遊んでしまえと、酒に酔った勢いでバラしてみたら、けっこう簡単な構造になっており、ドライバー1本で修理は完了。皮シボを剥がす手間が面倒であったくらいである。
 バラしたついでに、内面が素材むき出しであったのが気になっていたので、ツヤ消し黒のパクトラタミヤを塗ってみた。
 ラッカー系塗料ではパリパリと剥がれてゴミになってしまうので、エナメル塗料なら良かろうと思ったのである。安くてシンプルなカメラは楽しく遊べていい。

 肝心の写りは、おそらく改良されたのであろう、同心円状のボケは発生せず、いつも135サイズを使っているせいか、6×6の画面は大きくて楽しい。価格からしたら上等の自然な写りであると感じた。
 順光なら順光なりに、逆光では逆光っぽく、それなりにきちんと写る。なかなかシャープでヌケも悪くないではないか。
 しっとりさなどは期待してはいけない気がするし、階調表現に乏しいけれど、開き直ってリバーサルフィルムを装填してもイケちゃうんである。ちょっと重いカメラではあるんだけど。

 私は東京時代に初詣は中野の新井薬師と決めていた。初詣にはこのカメラを必ずブラ下げていき、近所のジジババから注目されてヒーローとなっていたことは言うまでもない。
 数年間は正月の新井薬師の風景に、このカメラを下げた私の姿が必要であったのだ。そのくらいクセになっていた。(2004,02,28)


 と、当時は書いておりますが、今となってはわざわざ海鴎やTEXARを選ばなくても、もっと軽くてよく写る二眼レフは中古でたくさん出回っております。
 あの頃(1980年代前半)はですね、安く買える二眼レフといえば、廃れつつあるフォーマットであった4×4機か、あるいは共産中国から渡ってきた海鴎=TEXARくらいのものでした。
 なにしろヤシカマット124の中古すら、簡単にお遊びで手を出すわけにはいかない価格帯で流通してまして、クソ重たいマミヤ330と220でさえ、ちょっと考えてからでなきゃ手を出せない感じでしたよ。

 ええ。ローライなんて、4×4なら非常に安く買えましたが、6×6となったら当時も高価でした。ローライコードだってそこそこのお値段でしたよ。ミノルタオートコードはまともなタマが少なく、プレミアがついてましたし。
 二眼レフのハードルが高く、そこに海鴎の存在価値があったわけです。確かに陳腐でプリミティブな構造のカメラであり、実に簡単にシャッターが故障してしまうシロモノでしたが、それでも二眼レフのメリットというものを体感するには十分でした。

 左右逆像のレフレックス。ピントグラスは外光が遠慮なく入り、気合を入れてガン見するか、あるいは補助ルーペをひょっこりと起こして使うか。
 けれど人間というものは、ウエストレベルファインダーを上から覗き込んでいる撮影者を、撮影者としてあまり意識しない生き物なのです。人間に限りませんね。生き物は下を向いてモゾモゾしてる撮影者をスルーするようにできてんです。
 そこにウエストレベルファインダー最大のメリットがあり、デジタル時代の現在であっても、ウエストレベルファインダーの効用をよく知っているスナッパーは、本気でデジタル版の二眼レフを望んだりするのですよ。

 そりゃ中判の一眼レフ機でもたいていはウエストレベルファインダーを選べたものですよ。けれどそういった一眼レフ機は、おおむねシステム化のおかげで重く複雑になってたりしましてね。
 マミヤ645の1000Sあたりならシンプルで軽いカメラだったでしょうが、マウントがそこそこ大きいのでレンズも大きく、二眼レフの機動性にはかないません。

 でも海鴎は軽くないんです。マミヤC330よりもは軽いと思いますが、ヤシカマットあたりと比べたら全然違います。海鴎はダイキャストだからじゃないですかね。全然機動性はないっす。
 外光式で多少の狂いはあったとしても、ヤシカマットなら露出計を積んでますんで楽ですし。最初の二眼レフは露出計内蔵のほうが楽ですよ。

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再録 Ricoh GR21mmF3.5 for GR21

 血痕放置自動車の件。ネット上でほとんど報道されてないね。ローカルTVのスポットニュースは、大雨警戒と血痕自動車ばっかりなのに。

 夜間は閉鎖されるSCの駐車場に残されたクルマ。携帯電話とサイフが車内に残され、ボディにはベットリと血痕の跡。履物だけが外に残されてて所有者は行方不明となれば、どう考えても暴力的な連中の連れ去りだべさ?
 警察が現場封鎖して鑑識を入れたのも当然の状況。んで騒ぎになっちまってるから、拉致った連中も困ってるだろうねえ・・・・。

 近所の話なので不気味。田舎だからのんびりしてりゃいいのに、どーもこの界隈はたまに過激な事件が起きるんだよなぁ。殺人とか放火とか。
 そういう人たちがたくさん暮らしてる地区ってことでしょうか。確かに近所にはヤバそうな住民がいるもんなぁ。いろんな意味でヤバそうな人が。農村に引っ込んだらいいんだべか?

 話は変わりまして。

 ネタを思いつかないので、今回は久しぶりに再掲へ逃げたいと思いますよ。お出かけは来週の週末の天気に期待するとして。以下、再録です。


 世の中にもっと優れた21mmレンズはあるに違いないが、GR21という稀有なカメラに搭載されている価値は計り知れない。カメラを含めた携帯性からしたら、この21mmは最高のレンズだ。

 GR1に装備されたGR28mmレンズは、私的な感覚からすると少々柔らかい。不思議な奥深さがあるのは魅力だが、好みというわけではない。
 対するGR21mmレンズは、28mmに比べると少し硬めに出るようで、私の好みに近い。派手に出るフィルムは使いたくならない感じである。

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 思えば、バブル機でもないのに、リコーさんはよくぞGR21というカメラを発売してくれたものである。
 21mmという非日常的な画角を持ったレンズを搭載したコンパクトカメラなど、カメラマスコミで話題になったとしても、そんなに数量が売れるものではなかろう。メーカーさんだってそれは知っていたはずなのに。
 しかし21mmレンズを搭載したコンパクトカメラを使うという行為は、写真を趣味とする人間にとって、想像するだけでも刺激的なことだと思う。

 実際、GR21だけを持ち歩くのは思い切った行為だし、時にはフィルムがなかなか進まない。
 街の中ならまだしも、農村では本格的に撮り進めない。21mmくらい画角が広いと、個人テリトリーの範囲が広くてバリヤが硬い田舎では、なかなか被写体に近づけず、散漫な絵になりがちであったりする。
 それでもGR21は楽しい。小さな秘密兵器を携帯している感覚なのだ。まるで特殊なスパイカメラを持ち歩いているような高揚感がある。
 子供の頃に駄菓子屋で手に入れた水に溶けるメモ用紙。あるいは超小型のICラジオ。そんなものに興奮していた頃を思い起こさせてくれるのは、高級コンパクトと呼ばれるカメラの楽しさだ。

 この寸法のレンズとしては、とても優秀な描写だと私は思う。四隅の描写はほんの少し落ちる。周辺光量も落ちる。GR28mmに比べたら露出の過不足に敏感な神経質さもある。
 けれどディストーションの目立たないビシッとした描写は、なかなかほかのメーカーではできない端正なものだ。

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 21mmという特殊な画角だからといって我慢するようなストレスはないのである。これはGR21に搭載されたものもそうだし、限定発売になったLマウント仕様でも同じ。超ド級サイズの高級仕様レンズが許される一眼レフ用レンズとは違い、コンパクトさと写りの両立が基本のLマウントレンズには、かなりの価値があると表現してもいいだろう。

 私がライカMマウントの21mmを選ぶとして、長期の海外取材にでも出かけるとするならば、おそらくプレミア価格をものともせずGR21mmのLマウントを探すことと思う。
 趣味でヨロヨロ撮っている普段の私ならば、コシナの21mmで結構だと考えるが、撮影したものにある程度の自己満足とクオリティを求めるなら、選択肢はGR21mmレンズしかない。

 エルマリートはあまりにも高価で、しかもデカい(ライカMのレンズとしてだが)。スーパーアンギュロンはM5にくっつかない。本格的に動かなくなるまでM5は私のライカメイン機であるに違いないから、M5にくっつかないレンズは論外なのである。(2004,08,03)

 
 

 以上、旧本家からの転載分です。

 今の私はヨロヨロと撮ってる身だし、海外取材なんてあり得ない身の上ですんで、プレミア価格のGR21mmレンズを調達しようなんて思いません。
 しかも手元のGR21にくっついてるレンズが、どうも曇りが出たようで真ん中がぼんやりするんですね。
 そういう体験は初めてのことで、なにも防湿庫へ丁寧に機材を保管しているわけではない私ですが、ほかのレンズでそういう体験をしたことがないので、もしかしたらGR21のレンズはヤワっちいのかもしんないと考えています。

 コシナの21mmもけっこうなパフォーマンスだと聞き及んでおりますし、実際に撮影されたカットを拝見してみても、このくらい写れば御の字だと感じます。
 21mmくらいの画角になれば、もうレンジファインダーの連動がどうのこうのというより、どうせ寄れないシステムなので、被写界深度と画角にモノをいわせてドーンと撮るパターンが多くなりそうです。目測というかピント固定というかですね。
 そう考えていくと、我が家には目測式の15mmと25mmがありますんで、趣味で撮る分には21mmまでは揃える必要性がありませんね。どうしても使いたきゃ、コンタG2Dを引っ張り出してきてB21mmを使いまさぁ。

 っていうか、実は今回予定していた獅子ヶ鼻では、リバーサル装填カメラをG2Dと想定しておりましたよ。
 フラットな測光特性で痛い目に遭いそうなリハビリ状態の私ではあるものの、あれやこれやと露出を変えて撮ったら、36枚撮りをアッサリ消化できるかもですよ。
 M5では使う気になれない望遠にね、S90mmがある点でG2Dも捨てたもんじゃないんです。我が家では。G2Dならがんばってピントを合わせてくれるしね。

 G2Dを持ち出す際にナーバスになるのは、あの重さですな。大きさのわりに、実に重いカメラです。G1だと重いとは感じず、塊感という意識ですが、G2は重いんですよ。なんでだろ?

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再録 Contax Sonner T*35mm F2.8 on Contax T3

 ノリが悪いってのは、具体的にどういう心理状態なのだろうなぁ。そう思いつつ、今夜も再録モノでお茶を濁します(^^ゞ

 以下、再掲です。

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 優秀レンズである。ツアイスユーザーも誉める。ただ私はこのレンズに対して疑問を持っているのだった。写り過ぎなのではないかと。

 たとえばG用のプラナー45mmは、写り過ぎるという印象はまったくない。高度にバランスが取れている感じで、上品さと優雅さを優先させたように受け取れる。
 けれどT3のゾナーはシャープすぎる。硬い写りの印象がある。こういった写りが一般的に好まれるのだとすると納得できるが、ツアイスらしいかどうかとなると、いったいどんなもんなのかなと感じる。

 以前、東京で開催された某OFF会に参加した際、私はクルクル針クラブの主宰という立場で出席したこともあり、とりあえずニッコールマンセーの姿勢であった。
 古くからあるニッコールレンズが素晴らしい写りだとは今でも思っていないが、十二分に個性のある写りは私の好む傾向だった。
 ベトナム戦争で全世界にその名を高めたニッコール伝説の影響が残る世代であるから、なおさらニッコールの存在感は大きかった。

 ニコンF4を購入しようとして私が貯金を始めたのも、ニッコールレンズの硬さが欲しかったからである。カラーバランスが悪いことは承知の上であったのだ。キヤノンNFDの優等生的80点主義に疑問を感じ、個性が欲しかったのである。

 OFF会に出席した当時は、ツアイスにそれほどの価値を感じていなかった頃で、自分で使ったことはなかった。せいぜい京セラスリムTに搭載されるテッサーくらいのもんであったよ。
 私を招いてくれたokuraさんは全面的なニッコール野郎であったので、二人でニッコール話に花を咲かせたものであったけれど、他の出席者が、それまでEOSやらミノルタやらを使っていたはずなのに、いつの間にかツアイス全面礼賛者になっていた。
 十数人の出席者の中で、キヤノン組が2名、ニッコール野郎が2名、あとはツアイス人間と化していた。

 なぜにツァイスなのかといえば、色乗りが違うと皆さん口を揃えておっしゃる。フジのRVPが全盛の頃なので、今にして思えば仕方ない傾向なのかもしれないが、酒席において私はokuraさんとニッコールについて傷の舐めあいをするしかなかったのであった。
 クルクル針クラブ初期のユーザーアンケートにおいても、レンズに求める第一要素は色乗りであった。とするなら、正直な話、あっさり傾向の35Ti/28Tiはユーザーの期待に応えていないことになる。

 現在の私はGシリーズだけとはいえツアイスを使っているわけだが、そんな私の感覚からして、ツアイスというのは色乗りするレンズだとは思っていない。
 言い方を換えれば、色乗りする傾向のレンズもあるが、色乗りよりも色分離がしっかりしている印象のほうが強い。

 色乗りを求めるユーザーの声に応え、前作T2の、時には破綻のある描写への反省を織り交ぜると、こんな具合の写りになるのか。それがT3ゾナーなのかもしれない。
 一見、ツアイスというよりも、一眼レフレンズの高級仕様レンズ、たとえばキヤノンならL、ミノルタならGレンズのようなキレと色ノリを見せる時があるT3のレンズなのだ。

 冒頭にも書いたけれど、T3のゾナーは硬い。シャドーの締まりが顕著なためだろうか、シャープというよりも硬い印象が先に出る。
 おそらく第一印象は誰でも「お、けっこうしっかり写ってるなぁ」ではないかと思う。そのくらいに見た目はいい。

 コンタGシリーズレンズでいえば、ビオゴン28mmの写りに似たものはある。ビオゴン28mmとの違いは、レンズそのものの寸法、すなわちコンパクトカメラに内蔵されたレンズであるという制約によるものだろうか。
 しかし使いにくいというレンズではない。コダックEBXを装填して使ってみても、破綻しないだけの懐の深さがある。一般的にいいレンズという噂があるレンズにありがちな、派手なフィルムを苦手とする傾向が感じられないのである。

 そして感心するのは、1m以内の撮影距離における写りである。35cmまで近寄れるAF性能を、そのままツアイスのノリで写せてしまう。
 まさかとは思うが、最短撮影距離がもっとも性能が良く、そのまま遠距離までなだらかに特性が低下していくのではないか。そんな印象を持ってしまうほど、近距離におけるメリハリがいい。
 一般的に撮影レンズというものは近距離において性能が低下するものであるのに、このゾナーはそんな傾向が感じられないのである。コンパクトカメラに搭載されるレンズとして、ユーザーの身の回りを写すという前提ならば、かなり満足のいく写りをするのだ。

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 カメラボディ側に対する不満と金欠から私はT3Dを手放したが、プログラムAEで身の回りをスナップする目的に、これほど贅沢なレンズもないだろうと思う。
 ツアイス的上品さはあまり感じられない写りながら、色乗りとシャープさではなかなかのものだ。
 ただし、気になる人は歪曲が気になるかもしれない。故に生活スナップ用の贅沢カメラというポジションに収まってしまう。
 そのへんがちょっともったいない気はする。もう少し気合を入れたレンズのシェイプアップと、ボディ側の操作性改善があったなら、たぶん支持するユーザーはもっと多かったろうに。(2004,07,17)<BR>

 以上、再掲分です。

 なんやかんやと好きに書いてはおりますが、今でもたまにT3を使いたくなる気持ちがあるのは、やはり手放したのを惜しんでるのでしょうなぁ。
 しょうがないのよ。再就職活動期間は生き地獄の金欠でしたのでねえ。売れ線からオクに流すしかなかったのですよ。

 シンプルな中にポルシェデザインっぽいラインがあるボディ。しっとりとした黒ボディ。外装で唯一残念なのは、後付フード用の切り欠きが思いっきり存在感を主張していることと、あまりにも小さく安っぽいコマンドダイヤルですね。
 常時携帯銀塩機としては稀有な万能性がありますんでね、リバーサルを入れてもオッケーのコンパクト機の中では最右翼の存在ですな。

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再録 Canon FD135mm F2.5

 基本的にノリが悪い時は、再録モノに逃げます(^^ゞ

 以下、再掲なのです。

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 この項は私が使ったレンズについて好き放題に書いているのだが、必ずしも写りの優れたレンズを取り上げているとは限らない。今回がいい例である。単に思い入れの激しいレンズの場合もあるのだった。

 私が使ったこのレンズは、旧FD初期のもので、「S.C」も「S.S.C」もつかないタイプである。かなり古い。
 絞りリングのAマークロックもない。レンズ前玉を覗いてみると、最近ではあまり見ないイエロー~アンバー系のコーティングで、カラーフィルムを使ってもいいものかしらと不安にもなる。

 だがFDレンズというのはカラーバランスに留意されたシリーズで、他社に先駆けてカラーバランスの統一を目標に製造された。基本的に色再現の心配はない。コーティングの経年変化がなければの話ではあるが。
 50mmレンズ1本勝負男、つまり交換レンズを持っていなかった私が最初に購入したレンズということで、思い入れがあるレンズなのであった。
 (2010年注/思い出したのですが、これの前にタムロンのズームを使ってたことがありましたっけ)

 生活に余裕のなかったその頃の私は、まさかあるまいと思いつつ、予算1万円で買えるレンズを探しに、初めて中古カメラ屋へ行ってみたのだった。
 場所は中野のフジヤカメラ。まだ商店街の入り口で小さな店舗だった頃である。

 今ならばとりあえず広角レンズへ走るところだが、当時は望遠レンズ、それも100mmか135mmが欲しかった。
 200mmとなると使う場面が限られてくるし、かといって85mmでは50mmとあまり変わり映えがしなくて面白くない。当時の私はそう考えたのだと思う。
 EF135mmのところにも書いたけれど、135mmレンズというのは人間の視覚からほんのちょっとハミ出た位置にあり、望遠効果を感じるレンズだ。100mmはまだ視覚感覚の延長線上である。似たような焦点距離ながら、使う場面はかなり違ってくる。

 予算1万円で買えるレンズは、FD135mmF2.5か、あるいはFD135mmF3.5SCのいずれかであった。
 普通ならなんぼでも後発のSCに行くのだろうが、私はあえて古いタイプのF2.5にした。理由は単純。口径が大きくてずっしりと重く、とても頼りになりそうな、見映えがするレンズだったからだ。

 レンズは年々コンパクト軽量化されていくものである。だから古いものほど大きくて重い傾向がある。
 古いレンズを選ぶリスクは、ガラスの変質やコーティングの劣化、あるいは絞り動作などが渋くなっていたりすることだ。そのへんのリスクをパスできるレンズなら、古いものでも見映えがいいなら関係ないもんねー。そういう単純思考で選んだのであった。
 また、昔のがっちりした作りであった大柄なレンズへの憧れもあったに違いない。とりあえずは使うことによる自己満足。それを優先したというわけ。

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 ヘリコイドの太さとトルクがちょうどいい感じであったため、けっこう使いやすく撮影に集中できるレンズだった。飛行場へもよく連れて行った。
 新しいレンズと比較すると絶対的な解像度が落ちる気はするものの、光線状態によってはたまに滲んだ描写になったりして、なんというのだろうか、とてもストレートな性格のように思える。素直すぎる雰囲気なのだ。作ったような絵ではない。

 破綻しないことが優れたレンズの条件ならば、このレンズは優れたレンズではなかろう。だけど新しいレンズではそんな発色にはならないだろうという色が出ることもある。古いレンズだからこそ出た味というものは、間違いなくあるようなのである。(2004,06,28)

 以上、再掲分です。

 なんといいますかね。デジタル全盛の今、こうしてレンズの風流さを味わうなんていうノリが大変希薄になっているように思えます。つまんね。

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再録 Konica Hexar 35mm F2

 最近なんにも使ってないなぁ、と申し訳ない気分になり、再録。

 以下、再掲分ですよ。

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 このレンズをなぜに筆頭に持って来ないのかと思っていた方もいらっしゃるかもしれない。
 あまりにも定番の凄レンズなので、天邪鬼的感覚の私としては、どうしても後から取り上げてしまうのであった(^^ゞ
 (2010年注/当時はレンズを順番に取り上げたコンテンツがあったのです)

 大変に世間の評価が高いレンズである。そのわりにヘキサーというカメラがメジャーになれなかったのは、ひたすら地味なパッケージングであったからかもしれない。
 地味なカメラに搭載されているからといって、このレンズの評価まで地味に終わるわけがないことは、今でもヘキサーを探して買い求める層がいることでもよくわかる。

 とにかくキレる。これが第一印象だ。シャープなんである。ボディ側に正確無比なAFを搭載しているおかげもあって、レンズのシャープさを堪能することができる。
 過度な色ノリはしないものの、ヌケがいいので、使用フィルムなりにコントロールできる余裕はある。
 派手な性格のフィルムは似合わない。このへんはツアイスに似たところで、派手なフィルムを使うと、ぶっ飛んでしまって、単なる硬いレンズになってしまいがちだ。

 ちなみに掲載しているカットはRVPによるものだが、実際はもうちょっと調子がノっている。EBXで試写したものは、ハイコントラストすぎて、スキャナが音を上げてしまいそうな感じであった。
 ごく普通のフィルムでもヘキサーの写りはわかる。ネガフィルムでも十分なのだ。というより、このレンズの良さを引き出している人にはモノクロネガユーザーが少なくない。

 かつて「高速レンズ」という言葉があった。明るいレンズを示す言葉で、速いシャッター速度を使えるから「高速レンズ」なのだ。
 ヘキサーのレンズを使うと、この「高速レンズ」という言葉を思い出す。このレンズを搭載するためにヘキサーはボディが大柄なのであり、レンズありきで企画されたカメラだということが、実際に使っているとよくわかるのだった。

 噂ではライカのズミクロンを意識して開発されたという。いわれてみれば、なるほどわからんでもないという写りなのだが、私はズミクロンよりも繊細で優秀だと感じる。暗部の描写はライカよりもおそらく上だろう。
 ヘキサーレンズの描写は間違いなくボディ側のAFに救われているところがあり、開放F2から安心して使える理由は、このAFにある。まずレンズありき。そこからパッケージングを追ったようなカメラなのである。

 単なる優れもののレンズなのかというと、そうでもないと私は思っている。高速レンズらしい開放でのボケの出方は好ましい。ボケがふんわりと自然になっているのではなく、ボケにも主張がある。ああ、俺は大口径レンズを使っているんだなぁと自己満足できる。
 大口径レンズというのは、絞り開放で画面全体のコントラストが少し落ちたりして、そんなあたりにも高速レンズっぽさを感じたりする。
 だけどヘキサーのレンズはそこまでの演出はなされていないようで、優秀な安定したレンズという枠からハミ出すのは、開放でのボケくらいのものかもしれない。

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 なにも言わずに他人にヘキサーで撮ったカットを見せれば、たぶん十中八九は一眼レフの単焦点レンズで撮ったものだとみんな言うだろう。そのくらいのパフォーマンスがあるレンズなのだ。
 ただし克明に描写しすぎるところはある。シャープであるゆえ、女性のポートレートなんぞは絞り開放であったとしてもやめておいたほうがいい。
 過去に私は失敗したことがある。たまたま同時にコンタGの35mmを使っていたため、そっちのカットで誤魔化したことがあるくらいだ。

 このヘキサーレンズを単体で使ってみたい!という欲求は当然に持つ人がいるわけで、ライカLマウント仕様のレンズが数量限定で発売された。たしか3,000本だったかな?
 シャープさそのままのレンズに仕上がり、あっという間に売り切れたらしいが、味を求めるレンジファインダー機ユーザーの間ではいまひとつウケなかったようではある。

 そりゃそうだろう。一眼レフのレンズだってここまでシャープなレンズはそうそうないのだからして。細かいところまでしっかりと写し取る現実主義的写りだ。
 この後でMヘキサノン35mmF2が登場したけれど、さすがにヘキサーレンズほどのシャープさではないようだ。むしろ逆光時のコントラスト維持などに気を配られたフシがある。ヘキサーRF用のレンズには、シャープさではなく味を与えたと見える。

 じゃあヘキサーのレンズってのは味がないのかといえば、そんなことはないのだ。ヌケのいいシャープなレンズで、優等生そうな顔をしているのに、そのくせしてどこか個性を出したくてうずうずしているような性格のレンズを、味がないとはいわないだろう。
 写真に慣れてレンズの深みを求めるような人にしかわからない描写ではなく、誰でもわかる優秀レンズ。現代的なレンズであるといえると思うが、ズームレンズが当たり前である世間一般からすると、こういった写りのレンズは孤高の存在といえるかもしれない。

 ズームレンズの作る絵に慣れた感覚には、新鮮な写りであることは間違いない。カメラ側はAE機のくせして初心者の甘えを許さないようなハードさを持つが、使いこなせた日には感激もひとしおだろう。
 私は使いこなせていないのだが、それでもとても手放す気にはなれないレンズの魅力。これは印刷物ではなかなかわからない点だと思う。ぜひリバーサルで使ってみていただきたい。ナマのスリーブを見た瞬間、あなたはこのレンズの凄さにイヤでも気がつかされるはずだ。(2004,06,08)

 以上、再掲分。

 ホント、銀塩が廃れてなきゃ、きっとヘキサー片手にとんでもない作品を出す作家が出たと思うんですよね。そのくらいのポテンシャルを持ったレンズとボディでした。
 いや、たしかに1/250秒までしかないシャッターとか、素早さに欠ける露出補正ではありましたが、そこはそれ、使うフィルムでいろいろとカバーする余地がありました。当時のコニカのカラーネガフィルム「インプレッサ50」を前提としたところがあるカメラでしたのでね。

 レンズありき、で作られた銀塩コンパクト機の、最後の存在だったように思えますね。デジタル全盛になってからは、あのくらいレンズへこだわりを持ち、かつ出てきた絵に納得がいくカメラは皆無といえます。
 なにしろデジタル機は映像エンジンが優位に立っているレベルの存在ですから、レンズがどうしたのと語るにはまだまだ無理があると私は思ってますよ。

 GRレンズとて、別の映像エンジンが載せられたら、どう味が変わるかわかったものではなく、個人的には「歪曲を気にしなくていい気持ちのいいレンズ」というあたりしか感想はなかったりします。
 よって、ツアイスの名やライカレンズの名が冠されたカメラがあったとしても、私はなんら評価せんわけです。

 銀塩使いの方々。ひとつデジタル機に文句を盛大にタレていただけませんか。それがきっとデジタル機の向かう道を変えてくれることになると思うんです。
 今のままじゃ、デジタル機は高級オモチャ、もしくは単なる記録のための道具で止まってしまいます。止まってもしょうがないのかもしれんのですけどもね。

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再録 Fujifilm Super EBC Fujinon 38mm F2.6

 大多数の我が同胞に怒られるとは思うのですが、浅田真央は銀メダルでも御の字じゃないかと私は思って見ておりましたよ。
 というのも、あまりにも学芸会のような姿に見えてしまったから。採点のために技を繰り出しているだけにしか見えなかったんです。技を失敗したとかそういうこと以前のように思えました。

 せっかくの女子フィギュアなのですから、「艶」とか「女性らしさ」というものがないと、表現力に繋がらないんじゃないかなぁと、シロートながらに感じましたです。
 採点は低くても感動させてくれる演技の選手はたくさんいましたしねえ。浅田真央は子供っぽすぎるんだなー。あ、お客さん、石投げないで。

 久しぶりに再録系です。こうして自分が書いたものを読み返すと、楽しそうでいいなーと素直に思いますです。以下、再掲。

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 私は何度となくクラッセというカメラをボロクソにこき下ろし、ついぞ手放してしまったのではあるんだけれども、こんなものはいらぬと思って処分したのではない。
 たまたま勤務先の後輩にクラッセ貸し与えたところ、傷だらけにして返してくれて、後輩が責任上買い取りたいと殊勝なことを言うので、お友達割引で安く売り渡したというだけのことである。
 それもただ責任を感じてというだけのことならば売りはしなかった。写りが気に入ってしまい、自分で新品を買うと言い出したので、わざわざ新しいものを買うのならこれを安く売ってあげようということになったのである。売却代金はパソコン用のGPSアンテナに化けたのであった(^^;

 クラッセの写りに対する第一印象というのは「とにかくヌケるな~」であった。とてもヌケがいい印象が強かった。
 使ったフィルムがフジのRDP3であったせいか、白、青、赤のトリコロール3色が派手に出る感じで、白がスカッと出るあたり、気持ちのいいものがある。
 3群4枚というシンプルなレンズ構成でこの写りは、やはりテッサータイプのレンズ構成に起因するのだろう。少ないレンズ枚数でキリッと写る場合、テッサータイプであることが多いようだ。

 私はテッサー構成のレンズというものにどうも弱く、なぜかいつも惹かれてしまうんである。キリリとした写りに惹かれるのか。それとも少ないレンズ構成に惚れてるのかよくわからない。
 京セラスリムTのレンズもテッサーである。もらいもののカメラだが、今でもきちんと臨戦態勢にあるカメラである。
 M&SのライカLマウント改造スリムTテッサーも入手してしまった。旧タイプのために使いにくいが、写りはキリリとしていていかにもテッサータイプである。開放で使うにはボケに不安のあるレンズだけど、テッサーが好きなせいか許せてしまう。なんだかなぁ。

 しかしテッサータイプとはいえ、クラッセのレンズには前後のボケが汚く感じるシーンが少ない。
 光量がいまひとつのシーンで被写体に接近し、なおかつ背景がゴチャゴチしていたりすると、画面がいかにもテッサーっぽく乱れてくるのだけど、めったにそんなシーンはないのだから、テッサー的な欠点は出にくいレンズなのだと思う。レンズ1面に非球面レンズを採用してるあたりが、テッサータイプの欠点を補っているのかもしれない。

S_classe

 発色にビビットな印象を与えているのは、おそらくフジ写の味付けとEBCコーティングによるものだろう。
 声を大にして誉める人が少ないのだが、フジ写のレンズは一般的に発色がかなりいい。単に派手なわけではなく、渋い色もきちんと出る。
 業務用のブローニー機だけではなく、TV局のTVカメラなどにもフジのレンズは採用されている。業務用でそれなりに評価されているレンズというのは、アマチュア用でもそれなりに優れたものであることが多い。

 遠景で解像度が落ちるというコメントを読んだことがあるが、私はどうせクラッセで遠景重視の撮り方はしないからいいんである。それより、処分してしまったことが悔やまれるほどで、ぜひまた入手したいと切望している。
 2003年後半から少しずつクラッセの価格が上がり出し、生産中止がそれに拍車をかけているようだ。仕方なく私はしばらく様子を見ることにしている。

 カメラそのものは使いにくいところがある。露出補正がものすごく面倒だし、レリーズボタンの感触もよろしくない。
 けれどAFもAEもかなり安定しているし、素早くMFに切り替えられる点は便利だ。リバーサル向きの露出設定もいい。そして写りの個性がカメラ本体の使いにくさを補って余りある。

 M&Sでクラッセ改造レンズが登場したら買っちゃうかもしれない。たぶん私は買う。登場しなくても、クラッセはまた買う。処分してから後悔した数少ないカメラである。
 カメラというものはしょせん道具でしかないのだが、レンズの魅力は間違いなくカメラの構成要素の中で大きなウエイトを占めるものなのだ。(2004,05,21)

 以上、再掲。

 結局、M&Sの改造レンズではなく、オクで買い求めることになったのですが、資金をケチったおかげでハズレの個体を落札しちゃいました。コーティングが剥げてんの(-_-;)
 それを某ぴゅんぴゅんさんに押し付けてしまい、再生産というかリニューアル品というか、その後に登場した新クラッセもとうとう買わず仕舞。
 デジタルのウエイトが増えてしまい、以前ほど銀塩機を使わなくなっているため、銀塩機を増やしてもしょうがねえだろ、という判断でした。

 クラッセSで3万半ば。クラッセWで4万チョイなのですから、写りからしたらかなりのお買い得かと思うのですけど、使った方からは露出の不安定さが指摘されており(クラッセWで慢性アンダーとか)、あまりオススメはできまへんなぁ。
 新クラッセは、露出補正がやりやすくなった代わりに、素早く無限遠へピントを合わせることができなくなっちゃって、(旧クラッセは)安定した露出のイメージがあるものですから、私はちょっと残念でした。

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再録 Canon EOS7

 再録銀塩EOS系の締め。EOS7ですよ。以下、再掲。

S_eos7

 いきなり結論から入るのだけど、EOS7、よろしいんじゃないですかね。

 なんでもかんでも究極を求めるムキにはおすすめしないけれども、EOS5、EOS55と使ってきてEOS7となると納得はいくだけのものがある。

 まずは欠点から指摘させていただく。新機種が出るたびに小さくなってくファインダー視野率はこのEOS7でも著しいもので、仕上がりのスリーブを見ていても使ったレンズが瞬時に思い出せないほどである。
 とくに広角レンズの場合は混乱すること請け合いである。仕上がりを見ても、記憶に残っているファインダー視野とまるで違う範囲が写っているからだ。

 金属外装を採用したものの、アルミ合金は素材の選択としてどうであったか。コストの問題もあろうが、ここはひとつマグネシウム合金でもよろしかったのではあるまいか。これは傷のつきにくさを考慮しての話である。

 EOS7の動作は基本的にキビキビしている。僕がEOS7をよろしいと思う理由の基本は、キビキビ動作して心理的なストレスがないところなのだけど、動作そのものもそうだし動作音もそうですな。
 動作音というのは重要な要素ですぞ。とくにフィルム給送音。この音質ひとつで印象がかなり変わってくることはあるんでありますね。
 かつてはニコンのモードラがよろしい音質でした。実際には秒3コマ程度の速度でも、秒5コマのキヤノンモードラMAよりも速く聞こえてしまった。
 また旧F-1のモードラMFもいい感じの音質であった。静かでソフトな音質の中にメカチャージ音が聞こえて、実際よりもキビキビ動いているような気がした。

 気分の問題と軽く扱うなかれ。ワインダーやモードラっていうのは撮影のリズムを刻んでいる要素があるから、気分の問題とはいえ満足感はまるで変わってくるのだよ。
 キヤノンはAFレンズで静粛性を追求したくせに、この巻き上げ音というものに本気で気を使ったフシがまるでなかった。
 静音化ということは考えても音質のチューンというのは感じられない。かつてのパワーワインダーシリーズをご記憶の方ならご納得いただけるだろう。

 AFにもストレスがない。噂によればEOS-1vと同等のAF動作速度とか。使ってみると納得がいく。実用上のトロさというものがまるでないのでありますね。
 このくらいの能力を持った機種なら、もうEOS-1クラスのカメラなんかいらねえよなあ、と個人的には感じましたです、はい。
 実際の話、某スポーツ撮影で、ブースターつけたEOS-1nを途中で放り出して、EOS7をメインにして撮影していたのは私。
 カメラを縦位置にして撮影していると、EOS-1nよりもEOS7のほうが数段ラクというのはありえることなのですよ。7点測距の便利さが縦位置で光るというのもあるんだけどね。

 キヤノンらしいうまいまとめ方というのがEOS7にある。EOS55は中級機と呼ぶよりも販売上の都合で作られた中間価格帯を埋める機種でしかなかったように思える。EOS7に至って中級機たる内容になったといえるだろう。
 しかもキヤノンの中級機にはハズレが少ない。これは20年以上前のシャッター速度優先AE機、EFの時代からそうである。
 最高級機にはたまにハズレがあるくせにメーカー販社は認めない。普及機は大量生産すぎるからハズレの紛れる要素が多くてメーカー販社は現品交換に応じてくれる。そのわりに中級機は修理やクレームが少ないのでありますね。キヤノンを選ぶならあえて中級機を選ぶというのは理にかなった行為なのである。

 願わくばかつてT90に備えられていたセイフティシフト機能が塔載されていればいうことはなかった。
 高級コンパクト機でたまに見かける『超自動露出』とかいう機能と同じで、AEで撮影中に露出がアンダーで連動範囲外になりそうになると、設定していた絞りやシャッター速度を自動的に低速側へシフトする。高速側も同様にオーバーになるとシフトしてくれる。
 これは私のようにAE一眼レフで育った世代にはありがたい機能で、プログラムAEやマニュアル露出が基本の撮影者にはなんの意味もない機能なのだけど。

 このEOS7を見るにつけ、これでファインダー視野率がせめて98%くらいになってくれれば、もはやマジで最高級機なんかいらねえなと思える。あと3万ぐらい価格が上がっても私は迷わないだろうな。
 EOS3のフラフラと定まらないAF合焦表示やこうるさい動作音を中級機と呼ぶ気になれない。中級機というのはこのEOS7のような実用性十分の機種をいうのだよ。

 以上、再掲。

 気軽さからkiss3を持ち出すことが多い私ながら、たまにEOS7のレリーズを動作させると、なんともいえない短時間処理的な音の短さと静かさがね、こりゃやっぱkissクラスより数段カネがかかってると納得いくのですよ。
 スペック的にも入門機たるkissシリーズと違うのは当たり前ながら、レリーズ感がシャキッとしているというのは、使っていて気持ちがいいものです。

 金属外装が北国の冬場という環境にプラスになるとは思えず、かつては電池の消耗やレンズなどの光路の曇りを気にしたもんでしたが、少なくても電池消耗については、バッテリーグリップ経由でエネループを使うことで低温に対する不安はなくなってます。
 高速シャッターでの信頼性はEOS-1系列のほうが上かもしれません。でも普段使いなら、せいぜい1/2000秒まできっちり時間が確保できていれば問題ないっしょ。

 そんなわけで、やはり銀塩EOSの決定版はEOS7だな、と今でも思います。どうしても1系列じゃなきゃダメだという用途の方もいらっしゃるでしょうが、スナップ系カメラマンならそこまでの重量負担はいらんはず。

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再録 Canon EOS kiss3

 集中投下中。以下、再掲です。

 コンパクトさと軽量さで密かになかなか使えるカメラだと私が感じているkissシリーズの3代目である。
 これを書いている時点ですでにkiss5が販売されているのだが、黒ボディ派としてはkiss3で打ち止めって感じなのである。

S_kiss3

 メーカーさん的には、レリーズ時の像消失時間にこだわったなんてことを前面に押し出したいらしいのだが、そんなこたあシロウトさんにはあまり関係ないんでないべか。と、このカメラを積極的に買い求めるであろう層を考えると、もっとやることはあるんでないかな?

 ファインダー倍率の低さ、ピントのキレがイマイチのファインダースクリーン、低速シャッターを使うのが不安になるシャッターショックの大きさ。この3点がkissシリーズの難点と個人的には感じている。
 「安いカメラだもの、仕方ないじゃん。不満があるなら高いカメラにしたら?」というご意見はごもっとも。
 でも初めて一眼レフを使うといった人が購入する場合は多いだろう。それを考えると、せめてファインダー系を改良していただきたいものである。

 初心者に一眼レフのメリットを感じさせる程度の内容にするべきなのではないか、という私の考えは初期のkissから一貫して変わらない。
 なにしろ一眼レフというものは一般の人にとって持ち歩くにデカい荷物なんである。そして家計からしたら安い買い物でもない。
 思い切って購入して、そして使ってみて重さやデカさを感じていてもそれでも使うだけのメリットがなければ、やがてはお荷物扱いになって使われなくなり、せいぜい子供の運動会で暗い望遠ズームを振り回して手ブレ写真を量産するのが関の山、という路線はわりとよく見るのであるよ。

 kiss3はまだまだイマイチのところはあるが、運動会でのみ活躍させるにはもったいないポテンシャルも持つのだ。
 難点のうちのひとつ、ピントがよくわからないスクリーンは2型と比較すると改善されており、とりあえずピントが来ていることは確認できるようになった。

 一眼レフとしてごく当たり前であるはずのピントを目視で確認する行為が難点だったというのも、まさにAF機ならではなのだが、デフォルト状態の7点測距にしておくならば、どこにピントが来てるかわからないわけだからピントの確認は必須である。
 私はセンター1点に固定していつも使ってるから、ピントの確認はシビアにやってないけどもネ(^^ゞ。
 でも少しズレてるのが明らかな状態でも合焦ランプが点灯することはあるからね、やはりピントは確認できなきゃ話にならん。

 AFの速度もおそらく速くなっているに違いない。AFはいわゆるワンショットAFモードとサーボAFモードが自動切替である。使うこっちはAFロックしたつもりでも不意にまたAFが作動する場合があるのは閉口する。
 イメージゾーンでは自動切替させないモードもあるようで、風景モードやポートレートモードではワンショットAF固定になるようだ。シロウトの使うモードだと馬鹿にせず、積極的に使ってやるのも手かな~。

 個人的にはボディデザインが2型より引き締まったように思える。kissシリーズの元祖、EOS1000あたりは頭でっかちでもっそりしたデザインであった。ここからいきなり小型化を進めてkissシリーズになるが、どうもどこかにのんびりしたというか間延びしたというか、いかにも低価格普及機でござい、という雰囲気が漂っていて道具感が希薄だった。
 例えるなら、kissとkiss2を使う時はコンパクト機を使うのと同じような感覚で、使うこっちものんびりしていたが、3型になってからはきちんと一眼レフを使っている気になる。そんなの私だけか?(^^ゞ

 それなりにチープなところや足りないところもあるにせよ、我慢するなりユーザー側で使い方をカバーしてやれる範囲内ではある。
 コンパクトで軽量な一眼レフであり、ほぼ無音で駆動するキヤノンのUSMレンズと組み合わせることで、かなりのスナップ向き機材といえるのではなかろうか。

 願わくはレンズである。キヤノンにはコンパクトな単焦点レンズにUSM搭載レンズが皆無である。従来の普通のモーターなんでAF駆動がミーミーとうるさい。
 せいぜい28mm/F1.8がもっとも小さなUSM搭載単焦点レンズかもしれないが、もっと小さくて軽いレンズがあってもいいでのではないか。kiss3に似合うであろうF2.8クラスの常用単焦点レンズをぜひUSM仕様にしていただきたいものである。

 kiss3Lで液晶にバックライトがつき、kiss5で一段と静粛になったと聞く。でも黒ボディはkiss3が最後になりそうな按配なんで、多少不便であっても私にはkiss3が最良の軽量小型一眼レフなのである。
 ギラギラ光って目立つカメラはイヤミになりかねないからイヤなのよ(^^;。

 以上、再掲。

 なんだかんだで我が家で一番出動回数が多い銀塩EOSはkiss3だったりします。なんとかピントの山を確認できる程度のスクリーンなので、ファインダーでピントが把握できるようになったことと、引き締まったコンパクトさ、そしてめったにハズさなくなったAEお任せの測光系がメリット。
 また、樹脂丸出しのボディのくせして、ぶつけても落下させてもまったくへこたれず、ヘタな金属外装機よりもタフだったりします。

 軽くてコンパクトで丈夫。んでAF任せでもあまり不安がなく、AEでもほとんど気を使わなくてもいいとなれば、こりゃスナップ機として利用しない手はありません。
 延長グリップも単3使用が可能になり、電源についてもフレキシブル。今ならエネループを利用するのが賢い使い方でやんすね。

 金属外装機は高級感という点で樹脂よりはるかに上ではありますが、実際に使っていて気になるのはタフさなのですよ。
 その点でkiss3はかなり丈夫です。ぶつけても傷がつくだけでして、凹んでしまう金属外装機とは違います。衝撃吸収性といいますかね、そういった点でkiss3は個人的に合格点を出します。
 AFでもAEでも便利なものは甘受する性格の私ですから、必要範囲内の性能なら文句を言いません。ただし一眼レフとして必要とされる要素において初代と二代目は物足りず、kiss3になってやっと最低限の線をなんとかクリアしたかという感じなんです。

 もちろんkiss3以降は改良されているわけですが、今度はボディの色が派手になってしまっていて、趣味のスナップ機は地味な黒ボディであってほしいと願う私にとって、銀塩kissは3型で終わってるんですね。
 黒ボディkissとして最終型の3型であり、スナップマシン一眼レフとして最低限のラインに乗ってきた3型以降という関係で、kiss3は個人的最終型なのですよ。

 また、樹脂ボディのメリットとして、冬場に必要以上にボディが冷えないという点があります。とかく安っぽいと評される一般的なプラスチッキーカメラではあるものの、気温の影響をあまり受けない点はメリットだと思ってます。
 とくに電池駆動のカメラではそうですね。ちょっと放置しておくとキンキンに冷えてしまい、電池が低温でドロップしてしまう金属外装機は、デジタルの世の中になっても変わらぬ不安さなのですよ。

 内部フレームが金属であったとしても、冷えてしまう部材は少ないに越したことはない。北国の住人としては、そういった点も気になる要素なのでした。

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