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充実した休日

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 当地でロベール・ドアノーの写真展が行われてましてね。田舎において美術展というのは貴重なチャンスなんですよ。都会ほど頻繁に展覧会があるわけではありませんので。
 エルスケンとアーウィンを好む私ではありますし、リスペクトしたいのに斜め上の作風であることは自覚してますけれど、ドアノーの作品は断片的にしか知らず、ここはひとつ作品展に行くべえと。

 いかにもフランス的な「突き放し感(気取っているという見方もできるか)」がある作風ながらも、いいですねえ。あえて余裕がある構図を取ったような感じで、その余白になにかを想像させるような心象的な奥深さがある作品で。
 んでレリーズしたくなった気持ちがすごくよくわかるんですよ。このネタを前にしたら撮るだろうって。
 「待ちの写真家」と自称するドアノーだけあって、撮影スタイルが興味深くてですね、とても刺激になりました。

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 で、その後は映画を見に行きましてね。「永遠の0」ですわ。

 1年ほど前に原作を読んでウウムと唸りまして、これがベストセラーになるとは世の中の空気が変わってきたのだなと思いました。
 戦争に関わるものは一切排除されてきた世代が私らなので。当時の大人達がそう仕向けてきたおかげか、眼を背けていれば平和が維持できるというトンチンカンな価値観が蔓延している世代です。
 平和を望むのなら戦争を知らねばならない、という簡単なことすら目を背けてきているんですね。

 この「永遠の0」すら日本の右傾化の象徴だとか、フィクションを繋ぎ合わせた手抜きだとかdisる人が多いんです。
 そんな人は小学生の読書感想文の宿題から人生をやり直したほうがいいくらい、この作品は戦争と人間というものをよく描いていると思いますよ。

 ドロドロとした最前線の人間の汚さもひとつの真実ではありますが、逆境における人間の美しさというのも戦争のひとつの側面です。
 戦場というのは生命の極限状態にあるからこそ、人間のナマの姿が曝け出される残酷な環境であり、だからこそ醜いものも美しいものも極端に出やすく。人間の生き様がそのまま現れるとでもいいますか。

 あの原作をよくここまでリスペクトしたものだと感じる映画化でしてね。よくある劣化は感じません。むしろ映像化されることによって迫力が増して先鋭化してるとでもいいますか。
 とくにラストのシーンは主人公のすべてがここへ集約されているかのような迫力で、映画を見終わっても身動きできなくなる説得力に満ちていました。
 周囲には高校生くらいの女の子やお年寄りなど、幅広い年齢層の観客がいたんですけど、もうエンディングロールが終わるまでみんな動けない状態で。そういう映画でしたよ。

 途中で何度も涙ぐんでしまいました。とくに昔の特攻隊の実写突入映像をそのままCG化したシーンは、もう泣けずにおれず。
 日本で語られる特攻隊員の話は出撃するところで終わってることが多いのですが、その先にはこういった困難な戦いがあったのだよと、これでもかと見せつけられるんです。これが特攻隊員の最後の姿なのだよと。

 帰宅してからもしばらく余韻から抜け出せませんでした。

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

心の保養、よいですね。

投稿: こんどう | 2013年12月24日 (火) 05:43

友人もかの映画を絶讃してました。
私は泣きそうなのでレンタルで一人で見ようかと思います。
映画館で鼻をすするのも避けたいですし

主人公の彼の出ていた
陰日向に咲くって映画をこないだ見て
自室で号泣してしまったので
泣きそうな映画は極力自室で一人で見ます。
風立ちぬ は不意打ちでやられたので
映画館で泣いてしまいましたがσ(^_^;)

投稿: ぴゅんぴゅん | 2013年12月25日 (水) 23:24

こんどうさん >
写真展なんてめったに行かないのですけど、市井のスナッパースタイルを貫いたフランス写真家となれば、田舎ではめったに触れることはできませんのでね。
実際にはスナッパーというよりしつこく被写体を追いかける系ではありましたが。コンタクトプリントを見て追いかける系と確信しましたw
生理的にフランスのセンスは受け付けないと思い込んで生きてきましたが、かなりおもしろかったです。

ぴゅんぴゅんさん >
「永遠の0」は人間の生き様といいますか、あるいは極限における人間の姿といいますかね。ヒューマニズムがどう昇華されていくのかという話の他に、主人公と関わった人々の不思議な縁もあって。
CGのレベルは日本映画で随一じゃないでしょうか。臨場感がものすごいです。手を伸ばせばそこに空母が航行しているような。
ラストのシーンはものすごいっす。覚悟したほうがいいかと。

投稿: ビヨ | 2013年12月27日 (金) 19:56

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