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鉄道とシブい町について

 たまにはローカルネタを書こうと考えてもおもしろいネタなんざ浮かびませんで、なんとなく思いついた話を書きます。

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 いささか懐古趣味を持つ人間がカメラ片手に散歩して楽しい町というのは、実に秋田県内に少ないものでして、「あそこにものすごい旧宅がある」だの、一点豪華主義ならあちこちにあるんですわ。でも町並みとなりますと、物足りませんの。

 そんな中で、ベタと言われようがなんだろうが、やはり角館は一見の価値があるやもしれません。密かに観光地化していくオサレな町並みの裏に、かつての地味ながら洒落者であった面影が残ってますのでね。散策する楽しみがあります。
 30年前は静かな町の中にお医者や芸術家の洋館がたくさんありましてね。古い商店もたくさん残ってて。シブい町だったんですよ。

 次点で六郷でしょうか。今は合併して美郷町の一部になっていますが、かつては繁栄した地域の中心地。
 並べられた寺社のレイアウトが物語る町の歴史や、地域に湧き出る多数の湧き水がワンポイントで、現役で町民に使われている生活密着の湧き水もあったりしまして、なかなか絵になる場所だったりします。

 そして増田ですか。こちらもかつては繁栄を極めた町で、当地の地方銀行のうちのひとつがこの町から生まれたのだと語っても、現代の人は納得しないであろうというくらいかつての繁栄とはギャップがありますね。
 今は横手市に組み込まれ、蔵の町として売り出そうとしているようですが、かつて繁栄していた町に共通する町並みの整然としたところと、あちこちに残る繁栄の痕跡が魅力だったりします。

 で、角館の場合は秋田藩主であった佐竹さんの分家が置かれ、京都文化を色濃く残す歴史もあり、城下町の色彩が強く、どこか気取った雰囲気と田舎独特の淡々と受け継がれてきたものがそのまま混在して残っている魅力ですね。
 有名な武家屋敷街は観光地化する前に保存条例が敷かれ、江戸時代の町割りがそのまま残ってたりもしますし、桜の時期は見事な景色になりますんでね、観光地にならないのが不思議なくらい。
 首都圏からのアクセスも、秋田県内としては宿の確保以外で楽な位置にありますし。新幹線で一発、高速道路でも岩手県の盛岡で下りれば1時間コースですし。

 一方、六郷と増田は地味なまんまですわ。派手に客を呼ぶ要素に欠ける町ですし、その筋の好きモノだけ訪問してりゃいい的なレベルなのですけれど。
 かつて繁栄していた町が落ちぶれてしまった理由として、国鉄マンであった我が亡き父の説によりますと、やはり鉄道を通すことに反対したからではないかというのですね。これは一理あります。

 当地における県南部の物流は、雄物川という大河川を利用した、河口の秋田への船便から、鉄道を利用した大規模貨物移送へ移行し、現代ではトラック輸送へシフトしているわけで、鉄道輸送に乗れなかった地域は衰退する時代が存在してました。
 国鉄時代、狂ったように僻地へ路線を伸ばしていったのは、なにも国鉄の組織的なプライドだけではなく、鉄道の恩恵を日本列島の津々浦々まで施さねばならないという使命感もあったと思うんです。
 けれど路線が敷かれる際に迂回されてしまうと、もはや後から愚痴をコボしてもなんともならないもので。

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 国鉄側では地域の要所として六郷を経由したかったらしいのですが、六郷町側が拒否したために横手から大曲まで最短ルートで結ぶ路線にされてしまい。
 地域は平坦な平野ですんで、土地買収さえスムーズに進んだならば、大曲から六郷までは直線路線が可能です。六郷から横手までは路線の方向を変えればそのまま直線的に結べますし。

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 増田に関してはそのような経緯があったかどうか私は知れませんけれど、おそらく似たような事情はあったんじゃないですかね。もしくは現在駅がある十文字と増田の誘致綱引きがあったとかいう逆パターンとか。

 六郷が国鉄を拒否した理由は、東京(上野)と一直線に鉄道が通ってしまうと、都会からいろいろとよろしくないものが持ち込まれるのではないかという危惧があったといいます。
 具体的には、田舎者を利用してやろうという一旗上げる系の詐欺師的な人物の流入ですとか、田舎では望ましくない流行の持ちこみとかですね。
 蒸気機関車の煙突から出る火の粉が火災の原因になるというのは、屁理屈的な理由であり、実際には異文化流入を警戒したというところが本音のようです。(木材生産が重要な産業であった県北の能代ではそれを理由にマジで拒否したらしいですが)

 もちろん、鉄道が敷設されることで自分の商売が邪魔される立場の人も少なくはなかったでしょう。
 六郷も増田も商業で栄えていた町というところがポイントですかね。鉄道が通ることによるメリットとデメリットを、どういう立場で判断したかということで。自分の家の商売だけを考えての話なのか、それとも地域のことを考えての話だったのか。

 そのへんは現代で議論してもしょうがないことではありますが、視野の広さ狭さという秋田県人を語るキーワードに関連はありそうですね。

 カメラ片手にブラリ散歩の立場としては、シブい町が残っててくれてうれしいだけなのですけれども(^^ゞ

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