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再録 Carl Zeiss Jena Flektogon F2.4 Auto for M42

 銀塩環境が真っ暗の田舎で暮らしてますと、M42に手を出そうなどとは考えもしないのですけれど、仙台方面で盛り上がってる方がいらっしゃいますので、順番は多少アレですが、ひとつフレクトゴンなどを。

 以下、再録になります。

 
 

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 まだ使い切れていないレンズなのだけど、おもしろいレンズだから書いちゃう(^^;

 事の発端は、私の手元に西日本方面の某氏からペンタックスMXが届いた時である。横浜から密かにM42の変換リングが届けられた。犯人はKizaoさんだ。
 M42。スクリューのネジ込みマウントだ。変換リングがKマウントにつくと↓のようになる。

Img_4152_1

 M42といえば、日本でいうとロシア方面のレンズの流入がきっかけで見直されたマウントのような気がする。
 日本においてははるか昔に絶滅したはずのマウントだ。絞り込み測光と共に語られることの多いマウントである。

 古いマウントとなれば、あちらこちらに古いレンズも転がってるはずで、当時はあまりウケなかったレンズが、現代的な目で見ると実はものすごいレンズだったりして、懐古趣味に走るだけの価値がある世界のようだ。
 懐古趣味のない私ではあるが、ごく普通の顔をした普及価格帯レンズの中にアタリを見つける行為に対しては、大変に理解がある。そうやって写真を楽しんできた経歴があるからだ。

 とはいえ、ライカMマウントですら、Lマウント変換リングのおかげで、実はものすごいユニバーサルマウントなのではないかと感じている私にとって、M42の世界はさらなる深い沼を自分の前へ用意するだけだということも、きちんと自覚できていた。
 昔からあるマウントというのは、長く続いたマウントだけあって世界中にレンズが転がっていたりするし、シンプルなマウントなら生産も楽なため、発展途上国でも生産していたりするし、機械的な連動はイマイチでもガラスに自信があるなら光学性能一点豪華主義のようなレンズもあったりして、ライカLマウントもM42も大変に危険な世界である。
 無限に広がる大宇宙。そんな空間に船出したら、もう帰って来れなくなるかもしれないではないか。ほどほどにしておかないと、地球に戻れなくなっちゃう。だからヘタレの私はライカもM42も手を広げないのである。

 だが、なにがどうしてしまったのか、私は晩酌をしながらヤフオクを見ていて、あまりにも格安だったためフレクトゴンをポチッとやってしまった。
 安かったんで、まさか自分が落札することになるとは思わなかったのだ。即落価格が設定されているとも気がつかず、私は落札してしまっていた。
 東欧を本拠とするらしい業者。聞くところによると、メールで問い合わせしても返信はまったくなく、画像の品とは違う現品を送りつけてくるような業者らしい。ポチッと落札してしまってから気がついても遅いのであった。

 ところが。忘れた頃に届いたフレクトゴンは、厳重な包装の中で鈍く光っていた。とてもきれいなレンズだったのである。コーティングの色も美しい。どうやら私はアタリを引いたようなのだった。

Img_4159_1

 M42変換リングで、MXへドッキングすることとなったフレクトゴン。フードは汎用の金属フードをフィルターネジにセットした。
 で、いざ使ってみたら、絞り込み測光にまつわるお約束を知らず、私は閉口した。絞り込むことによって移動するピント。ファインダー接眼部からの逆入光に影響されていると思われる露出計。

 最初に使った時は冬の好天で、弱い冬の光と、建て込んだ建物のおかげで露出はあまり気にならなかった。
 シャッター速度が速いような気がしたのだが、結果はまあまあの露出だったのである。アンダーめが好きな私なので、多少の露出不足は気にしないしね。
 けれど撮る場所を変えたら、とたんに露出の制御が難しくなった。都市から田舎へ持ち出したら、ファインダー逆入光の影響が大きくなったようなのだ。開けたロケーションで使ったからなのだろう。

 これは困った。フレクトゴンが下手にキッチリ写るレンズなだけに、私はなかなか諦めきれなかった。外部露出計を持ち歩くのは面倒だし、勘露出には自信がない。となればボディ側でなんとかするしかないのか・・・。

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 結果的にAFボディを選択することになった。MシリーズのAE機という手もあったのだけど、気に入ったボディとなかなか出会わなかったのである。
 MGあたりなら私の好みであるのに、めったに中古品を目にしない。そのわりにMZシリーズのボディはやたら目にする。

 M42変換リングがちゃんと使えること、絞り込み測光用のレンズでも絞り優先AEで問題なく使えること。この2点をユーザーさんへきっちり確認した上で、私はAFボディでフレクトゴンを使ってみる決意をした。
 でもMXもMZ-3も広島のぴゅんぴゅんさんちから来たのよ~。重ね重ねってやつである(^^;

 MZ-3の操作性は優れており、M42レンズを使うことになんの不自由もない。やっとストレスなくフレクトゴンを使えるようになったのである。
 ピント移動の問題は絞り込み測光を使っている限りどうにもならないのだから、開き直ることで解決。
 開放でピントを合わせ、あとは絞り込んでいく。絞り優先AEで使ってるから、そのままレリーズするだけ。しかも分割測光なので、あまり神経質になる必要もなく、集中してバンバン使える。

 フレクトゴンについては、その光学性能の高さからあちらこちらで語られている。もはや私がなにかを表現しようとしても、舌足らずのものになるに違いない。だから私の体験的な部分の狭い話でご勘弁願いたい。
 カール・ツァイス・イエナは、ドイツ東西分割で東側になってしまったツァイスのことである。DDRである。
 どうせ共産圏のレンズだろうという先入観は不必要で、戦前に高い設計レベルに達していた上に、スローペースとはいえきちんと新しい技術も取り入れてきているレンズだ。

 現代のいわゆるツァイス(西側ツァイスね)に比べると、絶対的なトーンとヌケのよさは落ちる気がするのだけれど、普通のフィルムできっちり勝負ができるという点で、私にとってはツァイスなのである。
 必要以上に派手なフィルムを必要とせず、中庸なフィルムで十分にそれらしい写りになる。立体感とコントラストがきちんとあるので、馬鹿みたいにヌケた描写が嫌いな人にはいいんじゃないかと思う。

 「こんなにきっちり写っちゃってもいいのかな」と申し訳なくなるくらいの写りだ。こと写りに関しては、M42であることや、旧共産圏のレンズだということを意識する必要がまったくない。お値段からしたら、コストパフォーマンスは最高なのである。
 しかも最短撮影距離がわずか20cm弱だ。近距離撮影では露出補正の必要性を感じる結果だったけれども、寄れることで撮影の幅が広がることは間違いない。密かに一本勝負向きのレンズなのではないかと思うのだった。

 M42マウントと親和性の高いKマウントボディにつけっぱなしで、ブラブラと地方へ旅に出るというような使い方が似合うかもしれない。リバーサルを普通に使って。
 スナップの基本たる35mmという焦点距離でもある。なんだか撮るのが下手になってきている自分にとって、撮る勉強をし直すいいレンズだったりしてな。(2006,08,15)

 
 
 

 以上、再録分になります。

 中古相場が高いという噂で、どれどれとオークションを覗いてみたら、確かに安くはありませんねえ。
 海外船便の送り賃と汎用フード代を含めても、2万円代半ばで調達した私は、かなりの幸せモノ(^^;

 カメラマスコミ的な視点からしますと、いろいろと欠点もございましょうが、かなり個性的な写りをするレンズといえるんじゃないかと思います。
 フンワリ系ではなくガッチリ系のレンズで、好みは大きく別れるものと思われますが、私はこのレンズ、好きですねえ。とくにフォルティアなんていう派手なフィルムと組み合わせたりしますと、もうガツーンという感じの絵になって。

 上記でも触れてますが、最短撮影距離が短いレンズながら、その近辺で撮るなら露出倍数は意識したほうがいい結果を得られます。絞りでいうと1絞りから1絞り半は最低でも必要かと感じました。
 また、デジタル適性に関してはいささか物足りなく、ヌケの良さはデジタルで使っても変わりませんが、シャープネスが物足りない結果になりがち。銀塩向きのレンズですね。

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 逆に考えれば、過度な個性がデジタルでは弱まりますので、普通に使えるっちゃ使えますけれど。わざわざフレクトゴンを使う理由がないのなら、やはりデジタル専用設計レンズを使ったほうが無難ですかなぁ。

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コメント

仙台方面へ燃料投下中?( ̄▽ ̄)今日はベルビア買ってきましたよ。
今度はどのカメラに入れようかなっと。
ヘキサーでポジ一本、コンタRTSでネガ一本、ローライ35でネガ一本試し撮り
これが今年消化したフィルムです。
もうじき入院なんでカメラは何をお供にしようかな。
銀塩一台持ち込みたいなぁ。
腰の事についてはmixiに嫌ってほどかいてますが、今回は酷いです。 (^^;;

投稿: ぴゅんぴゅん | 2011年3月 6日 (日) 20:53

仙台方面へ絨毯爆撃ですねw

これを読んだらまた欲しくなっちゃった、フレクトゴン(^^ゞ

投稿: Kizao | 2011年3月 6日 (日) 23:55

> ぴゅんぴゅんさん
俺っちも普通にリバーサルを買うノリでいたいのに、なんかもう無理かも(-_-)
それでも、まだXP2sの在庫があるし、自分で記事を掲載しておきながら
フレクトゴンを使いたくなってきてるしで、もしかしたら
またフィルムを買いに行くかも(^^ゞ
 
> Kizaoさん
MZ-3+フレクトゴンは、我が家では固定配置の常時臨戦態勢w
あのまま20mmとかに走ってたらどうだったんでしょうかと、
自分に対して思わなくもないっす。

投稿: ビヨ | 2011年3月 7日 (月) 18:40

ん~、思いっきり煽られてるw 
私にはアル変でもまだ踏みとどまれる値段です(笑)

かえってMZ方が危ないww

投稿: ガキ | 2011年3月 7日 (月) 19:28

MZ-3 or MZ-5方面は止めません。満艦全飾的なカメラを
お望みでなく、かつAFの速度や精度より、自分の意思を前面に
出したい撮り方なら、MZの一桁はオススメしますよ。
つまりMF前提でのAF機調達という意味で。
 
痒いところに手が届くレイアウトはさすがでっせ。
ペンタックスって真面目すぎるよな、という感覚のカメラっす。
各部のスイッチレイアウトとしては、AF機で最良でしょ。
そのくらい練り込まれたカメラですよ。

投稿: ビヨ | 2011年3月 8日 (火) 18:52

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