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再録 ミノルタ TC-1

 日本って、とんでもない国民性の国に囲まれていたのだと、最近いろいろなニュースで感じております。日本も近攻遠交に姿勢転換したほうがいいんじゃね?

 さて。予告通りに、本日はTC-1の再録モノ。レンズとしては以前に取り上げておりますよ。以下、再掲分です。


 国産各社の高級コンパクトカメラ路線の中、最後期に登場したのがミノルタTC-1。その後にコンタックスからも高級コンパクト機が発売されているが、あちらは元から高級機専業のようなところがある。「普通」のカメラメーカーから発売された機種としては、TC-1が最後と呼んでもいいだろう。

Tc1

 かつてのミノルタMC、あるいはMDレンズ群のような写りを期待するとかなり違う。昨今のAF用ロッコールのGレンズ。あのへんに近い写りなのだ。
 とにかくシャープなレンズである。硬いラインの描写で、色ノリもかなりのものだ。ヘキサーの写りを濃厚にした雰囲気である。

 全体的にはB系の色カブリがあるように思うが、私は気にならない色調である。どうしても気になるのならば、できるだけ地味な性格のフィルムを使えばいいことだ。
 カラーネガで使っても、TC-1はらしさがきちんとある。L判のネガプリントを手にして個性がわかるのは、我が家ではヘキサーとTC-1くらいのもので、そのくらいガッチリ写る。写りすぎなくらいだ。

 操作体系は独特で、他社の同クラス機種と比較してもアプローチがまったく違う。絞り優先AEのみで勝負し、内蔵フラッシュにオート発光ポジションはない。
 お気軽な使い方をさせてはくれないあたり、ヘキサーよりも硬派な仕様であるという見方もできる。操作性はTC-1のほうがずっといい。

 絞りは円形固定絞りで、選べるのは4段。スポット測光搭載。露出補正は±4段。AEを中心に据えた自動カメラなのだが、AE時代のベテラン向けといった内容なのである。
 したがって操作系もプログラムAEやオート発光フラッシュを意識しないものになっており、最初はまごつくものがあるかもしれない。
 だがモードダイヤルとアップダウンレバーでほとんどの操作は可能で、絞りは独立したレバーがあるので、慣れれば納得の操作性である。

 液晶表示部が小さいのだけど、なんの不自由もない。きちんと情報がわかる。バックライトを備えている点もマルなのである。
 非常時にMFからAFへワンタッチで戻せるボタンがあるのは便利。カメラのコンセプトに逆らうのは承知のうえで、できれば内蔵フラッシュのオート発光ポジションも欲しかった。ストイックなカメラとはいえ、たまにはズボラして使いたい時もあるのだよ(^^;

 AF精度はかなりよろしいのではないかという印象がある。あくまで印象である。ファインダー内にアナログAF指針があるため、大きくおっぱずしたAFの動きがモニターできるから、それでピントをはずさないのかもしれない。
 ファインダーは最低限の撮影情報を伝えてくれる便利なもので、ちっこいくせに倍率がかなり大きい。
 そういった点では見やすいものだが、いかんせん視野率は少々低いようだ。仕上がりを見ると違和感がある。28mm広角でこの視野率の低さはいただけないものがある。

 このコンパクトなボディに中央重点測光とスポット測光を搭載し、アベイラブルライト中心で使う仕様は、なかなか価値がある。
 徹底的に荷物を減らしたいバックパッキングの旅や、機材を現地のホテルへ投げ出して出歩く街の探検なんかに最適であろう。
 雑誌などで「中間絞りが選べないのは不便」なんて書かれているが、中間絞りをそんなに使いたいのなら、TC-1なんか使うのやめておきなさい。そう言えるだけのカメラなのだ。ライカMでもなんでもお好みのほかのカメラをどーぞって感じだ。

 個人的に感じる難点は、レリーズした時の動作音がガチャついて、いささかノイジーなことである。新幹線の中で車内スナップを試みたら、乗客がみんな振り向くくらいだから、静かなカメラとはいえないようだ。(2004,02,29)



 以上、再掲分です。

 なんだかんだで、銀塩の28mmレンズコンパクト機はTC-1だけあればいいや。そんな私です。
 スカッとしたヌケではフジ写のクラッセのほうが気持ちいいかもしれませんし、どこまでも相棒として愛するにはリコーGR1シリーズがふさわしい存在なのかもしれませんが、私にとってはTC-1なのです。

 操作性にクセがあるかと思いきや、いざ使ってみればひどく納得のいく操作性であり、ダイヤル操作メインのカメラよりもずっとフレキシブルで素早く扱えると私は思ってます。
 なんといってもレンズの個性ですか。濃厚一途。どんなフィルムを使っても、最終的にはTC-1の写りになっちまってるというところが、愛すべき個性なのですよ。その濃い性格のレンズが、かなり使えるコンパクトなボディに搭載されていることに価値があるのでした。

 TC-1の黒ボディを、無理をしてでも入手しておくのだったと、今にして後悔したくなりますが、チタンカラーの派手さを避けたい私であっても、ずいぶんとTC-1を使ってきました。
 もしも毎年恒例の海外取材が続いていたとするなら、マイフィルムを装填するカメラは間違いなくTC-1でしたね。考えなしに使わせてくれる安易さはないものの、同じ硬派のヘキサーよりも撮影の自由度は上。なにより撮った満足感が大きいのでした。

 写りなどに関しては、レンズについて書いたところへしつこく述べているので、今回はあまり書きませんけど、まぁとにかくこんなにちっちゃなカメラの絵ではありません。堂々と「俺はTC-1である。文句あっか!」というような迫力があるのですよ。


 

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旧機材系・再録」カテゴリの記事

コメント

今更TC-1へは逝けないけど、G-Rokkorはまだ
諦めたわけではありません。。。え?絞りの
形状と後方のフードが違うって?むー。実際
両方持っているエンゾーさんにその辺りの違い
を一度聞いてみたいですね。

投稿: Kizao | 2010年9月29日 (水) 20:50

「レリーズした時の動作音がガチャついて、いささかノイジー」っていうのは同感です。これさえなければなぁって思うときがあります。ファインダー内の表示は好きですね。もともとの値段が値段のカメラなので、このくらいやってもらわないとという気もしますけれども。CLEを持って行かないときは最強のスナップマシンです。

投稿: hk | 2010年9月29日 (水) 21:25

げ、こんなところから誘導弾が。
油断も隙もないなあ。逃げろ!
ぴゅーっ!

投稿: エンゾー | 2010年9月29日 (水) 22:30

コレは絶対手に入れねばならぬ。
楽しみは最後までとっておく私。
ってGR買ってしまったから
少し遠くなってしまいました(^^;

投稿: ガキ | 2010年9月30日 (木) 19:34

TC-1を持ち上げる私ですが、メモ機というよりもは「武器」に近く。
ある程度ご理解いただいている方にしかオススメしません。

投稿: ビヨ | 2010年10月 2日 (土) 06:11

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