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井の中の蛙、あるいは裸の王様について

 愕然としつつ、これが田舎の実態なのだろうと納得させられる読売新聞の記事は、夜勤明けの頭に染み付いて離れないものがありました。オンライン版の記事を、まずは読んでみてちょ。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/akita/news/20100310-OYT8T01075.htm

 田舎ってのは、とかくジメジメした人間関係が生き残っています。「ジメジメ」というのは、ウエットすぎるという意味で、湿度があることが悪いのではなく、湿度が高すぎるっつうことでしてね。
 ドライすぎると成り立たない田舎の過疎社会ですから、都会よりもは湿度が高くて当たり前ではあるものの、その一方で陰湿な地域の慣習が嫌で田舎を出て行く人は絶えないわけでもあり、地元育ちであってもそうなのですから、よそから来た人は何倍も辛いことと思います。

 秋田県人というのは、古来からお客をもてなすことに喜びを得る地域性があることは、古い文献を紐解けば理解できることではあります。
 ただしそれは一過性の歓迎であり、飽きっぽいという県民性の側面もあって、顔見知りになって新鮮さが薄れてしまい、自分たちのコミュニティの一員という扱いになってくると、手の平を返したように排他的になるのも、これまた秋田県内でよく見られることです。

 また、秋田県人はよく笑い、実際に笑いを好む性向はあるものの、明るく笑い飛ばす快活さというより、陰湿なイジメを伴う(昨今のバラエティ番組でよくあるタイプの)笑いや、もっぱら下ネタでニヤニヤしているような、明るさがない現実があります。
 もちろんすべての県民がそうではありませんが、当地において15年ほど社会生活を送ってきた私の個人的感想では、たしかに陰湿さが漂う地域ではあります。

 当地において「おつきあい」という価値観が重視されるのは、義理を欠いたら裏でなにを言われるかわかったものではない人間関係が普通だからともいえるわけで。
 その裏で言われていたことが、いつの間にか定評として表に出てきて、社会生活を縛りつける。本人の普段の行いなど、「有力者」の一撃で簡単に消し飛んでしまいます。そういう傾向が日本の平均よりもかなり強いんですね。

 ですんで、当地で出世したいなら、有力者とのおつきあいは万難を排してでも欠かしちゃならんわけです。必ずしも地位で決まる有力者ではなく、声が大きい人という意味ですが。
 そういったヨイショの類を心の底から軽蔑している私は、もちろん地域のノリから完全に浮いてるわけで、排他されて当たり前の立場ですよ。自分で理解してるから諦めてます。

 ただ、一人暮らしの老母をいろいろと気にかけてくれている農村の方々には敬意を払っていて、なにかにつけて気は使ってますが、それは人として当然のことと思っていますし、逆に必要以上のことをしようとまでは思ってません。農村行事に参加したりはしないのですよ。

 話をくだんの医師に戻せば。村の住民からなにかを得たいと思っているような医師では、とても勤まらない僻地医療。無私の意識がなければやってられないでしょ。
 それでも「もうイヤ」なのですから、おそらく読売新聞の報道以上にひどい環境であることは簡単に推測がつきます。とても記事にできないような実情があるのでしょうね。

 優秀な献身的な医師をイジメて追い出し、医者がいねえ!と騒ぎ出すことは目に見えているのに、ただ医師を引き止めることにしか腐心できていない役場はアホですな。臭いは元から断たなきゃダメ。
 歴代前任者も同様の理由で逃げ出しているということは、なにも環境が改善されていないということなのですから。

 どうせ犯人は毎回同じだろ。なんにでも突っ込みどころを上手に探し出す性向の人間はたくさんいる秋田県ですもの。いちゃもんつけさせたら天下一品。それが秋田。
 突っ込まれないように武装することに力を使ってるから、大きな仕事は絶対に無理。だから秋田発のでっかいプロジェクトは皆無。
 全国ネタになったのは、羽後町の萌え系とシブヤ米くらいのものですが、その両方とも秋田発ではなく東京絡み。純粋な地元発ではありません。(羽後町の萌え系は地元出身者ではあるものの東京在住の方がブレイン。シブヤ米は東京の企業とタイアップ。どちらも意欲的な取り組みという点では高評価されてしかるべきです)

 上小阿仁村は人口2,902人ですよ。昔のマンモス校の生徒数と変わらないっす。しかも高齢化率45.3%(平成21年7月1日現在)と県内ダントツ。県内郡部平均で33.7%ですもん。いかに高齢化率が高いのかと。
 村の立地は完全な山間部。秋田市から県北へ抜ける裏街道沿いのスルーされるだけの村。国有林ばっかりで、基幹産業であった林業はとっくの昔に衰退。
 そりゃ核廃棄物の受け入れをぶち上げたくもなりまさ。小規模農業しかないのですもん。高付加価値の小規模農業。それくらいしかできない環境で。

 自治体そのものが廃村。そんな未来が見えてきたのかもしれません。しかもそれは自分たちで自分の首を絞めたからであって、誰のせいでもなく。
 離島でもないし、交通が隔絶されているわけでもない村が、確実に無医村になる。それが現実ということですね。
 山間部集落の衰退に心を痛めている私ですが、上小阿仁村に関してだけは「自業自得」という言葉を投げつけたいところです。

Totoro426_1

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コメント

これも酷いですよ。

■彦根の方々のご意見 「彦根市立病院での安心なお産を願う会」 掲示板|勤務医 開業つれづれ日記
http://ameblo.jp/med/entry-10024618113.html

「一彦根市民ですが、彦根市民病院での安心なお産を願う会が、医者におもねり全国で多発している殺人にも等しい医療ミスを促進するのではないかと危惧しています。彦根市民は日本の医者のほとんどを占めている金儲け主義のヤブはいらないのだという当初の設立の気持ちを失わないでいてほしいです。」

「一彦根市民です。儲けようと思ったら給料の安い公立病院には来ませんよ。 私から見れば今の市民病院でも医者に給料を払い過ぎです。半分以下にすれば私たちの医療費も安くなっていつでも気軽 にかかれるようになるので、この会の方々もぜひそういう方向で運動して下さい。それと私はこれまで勤務していた産婦人科医も、今勤務している医者も全く信用していません。私の周囲の女性達も皆そのように言っています。私たちの市民病院はもっと一流の医者を雇うべきだと思います。これも会の皆さんに強く訴えてほしいと思っています。」

「私も彦根の人間だけど、市民病院の医者が信用できないのは市民の誰もが思っていることというのは事実です。 産婦人科も同じ。もっと金や自分のことを考えずに腕のいい医者を求めることはそんなにおかしいことなのですか? ここには自分たちの利益ばかり主張する医者の書き込みだかりで 悲しみと怒りがわいてくるばかりです。会の皆さんはこういう自己中の医者連中とこれからも戦い続けて彦根市民の健康を守る役割をはたしていってください。応援しています。」

「彦根で働かして欲しいなら、きちんと地元の人に挨拶して己の分限を弁えて欲しい。自分が仕事をもらう立場であり、雇用主は地元住民であることを理解できることが必要。彦根の人々に生かされていること、自分が余所者であり、新参者であることが理解できること。つまり、地元の人々の意向が最優先されること、余所者のくせに自己主張をしないこと。このような最低限度のモラルが求められる。いままでの医者はこの程度すら出来なかった。」

投稿: 都筑てんが | 2010年3月13日 (土) 21:11

上小阿仁のそばのわが故郷で「このマチはそうはなるまい」とタカをくくっている人は、必ず地獄に突き落とされるでしょう。私は確信しているのです。「人に頼る」環境は、必ず崩壊します。遅かれ早かれ。愚かなことです。新しい病院ができたから大丈夫だと思っているのなら甘い。そこにいる医者は神でも仏でもなくて人間。自らの体を癒す相手である医者を、患者が精神的に傷つけるという愚かを繰り返せば、そのうちあっさりとすべてが崩れ去るでしょう。
 ちなみに、もちろん私は故郷では変人です。私の情けも容赦もない言動は彼らには過激に過ぎるようです。それでも私は容赦しません。地元の変人を相手にするには、私くらい変人であるほうがちょうどいいでしょうから。

投稿: hk | 2010年3月13日 (土) 21:47

> 都筑てんがさん
堂々とものすごい書き込みがあるんですね。医師をなんだと
思ってるんだか。
病院によってレベルに差があることはどうしようもない
ことであり、そのへんは力説せんでも患者が静かに使い分け
してるだけなのに。
公務員でも警察官でも医師であっても、しょせん職業の
ひとつであるという冷静な視点が欲しいところです。
 
> hkさん
上小阿仁村の件は、なんのことはない、秋田の縮図ではないか
と思うくらいです。
人口が少なく、そして無医村化しそうだというから表に
出てきただけであって。
いつから田舎は職人を尊敬しなくなったんでしょうか。
医師は技術と知識を持った命の職人ですよ。
しかも過疎の村では「ヨソ者」の医師以外に頼ることは
不可能だというのに。
天に唾を吐く行為に似た一件だと思いました。

投稿: ビヨ | 2010年3月14日 (日) 00:23

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