再録 Canon EOS7
再録銀塩EOS系の締め。EOS7ですよ。以下、再掲。
いきなり結論から入るのだけど、EOS7、よろしいんじゃないですかね。
なんでもかんでも究極を求めるムキにはおすすめしないけれども、EOS5、EOS55と使ってきてEOS7となると納得はいくだけのものがある。
まずは欠点から指摘させていただく。新機種が出るたびに小さくなってくファインダー視野率はこのEOS7でも著しいもので、仕上がりのスリーブを見ていても使ったレンズが瞬時に思い出せないほどである。
とくに広角レンズの場合は混乱すること請け合いである。仕上がりを見ても、記憶に残っているファインダー視野とまるで違う範囲が写っているからだ。
金属外装を採用したものの、アルミ合金は素材の選択としてどうであったか。コストの問題もあろうが、ここはひとつマグネシウム合金でもよろしかったのではあるまいか。これは傷のつきにくさを考慮しての話である。
EOS7の動作は基本的にキビキビしている。僕がEOS7をよろしいと思う理由の基本は、キビキビ動作して心理的なストレスがないところなのだけど、動作そのものもそうだし動作音もそうですな。
動作音というのは重要な要素ですぞ。とくにフィルム給送音。この音質ひとつで印象がかなり変わってくることはあるんでありますね。
かつてはニコンのモードラがよろしい音質でした。実際には秒3コマ程度の速度でも、秒5コマのキヤノンモードラMAよりも速く聞こえてしまった。
また旧F-1のモードラMFもいい感じの音質であった。静かでソフトな音質の中にメカチャージ音が聞こえて、実際よりもキビキビ動いているような気がした。
気分の問題と軽く扱うなかれ。ワインダーやモードラっていうのは撮影のリズムを刻んでいる要素があるから、気分の問題とはいえ満足感はまるで変わってくるのだよ。
キヤノンはAFレンズで静粛性を追求したくせに、この巻き上げ音というものに本気で気を使ったフシがまるでなかった。
静音化ということは考えても音質のチューンというのは感じられない。かつてのパワーワインダーシリーズをご記憶の方ならご納得いただけるだろう。
AFにもストレスがない。噂によればEOS-1vと同等のAF動作速度とか。使ってみると納得がいく。実用上のトロさというものがまるでないのでありますね。
このくらいの能力を持った機種なら、もうEOS-1クラスのカメラなんかいらねえよなあ、と個人的には感じましたです、はい。
実際の話、某スポーツ撮影で、ブースターつけたEOS-1nを途中で放り出して、EOS7をメインにして撮影していたのは私。
カメラを縦位置にして撮影していると、EOS-1nよりもEOS7のほうが数段ラクというのはありえることなのですよ。7点測距の便利さが縦位置で光るというのもあるんだけどね。
キヤノンらしいうまいまとめ方というのがEOS7にある。EOS55は中級機と呼ぶよりも販売上の都合で作られた中間価格帯を埋める機種でしかなかったように思える。EOS7に至って中級機たる内容になったといえるだろう。
しかもキヤノンの中級機にはハズレが少ない。これは20年以上前のシャッター速度優先AE機、EFの時代からそうである。
最高級機にはたまにハズレがあるくせにメーカー販社は認めない。普及機は大量生産すぎるからハズレの紛れる要素が多くてメーカー販社は現品交換に応じてくれる。そのわりに中級機は修理やクレームが少ないのでありますね。キヤノンを選ぶならあえて中級機を選ぶというのは理にかなった行為なのである。
願わくばかつてT90に備えられていたセイフティシフト機能が塔載されていればいうことはなかった。
高級コンパクト機でたまに見かける『超自動露出』とかいう機能と同じで、AEで撮影中に露出がアンダーで連動範囲外になりそうになると、設定していた絞りやシャッター速度を自動的に低速側へシフトする。高速側も同様にオーバーになるとシフトしてくれる。
これは私のようにAE一眼レフで育った世代にはありがたい機能で、プログラムAEやマニュアル露出が基本の撮影者にはなんの意味もない機能なのだけど。
このEOS7を見るにつけ、これでファインダー視野率がせめて98%くらいになってくれれば、もはやマジで最高級機なんかいらねえなと思える。あと3万ぐらい価格が上がっても私は迷わないだろうな。
EOS3のフラフラと定まらないAF合焦表示やこうるさい動作音を中級機と呼ぶ気になれない。中級機というのはこのEOS7のような実用性十分の機種をいうのだよ。
以上、再掲。
気軽さからkiss3を持ち出すことが多い私ながら、たまにEOS7のレリーズを動作させると、なんともいえない短時間処理的な音の短さと静かさがね、こりゃやっぱkissクラスより数段カネがかかってると納得いくのですよ。
スペック的にも入門機たるkissシリーズと違うのは当たり前ながら、レリーズ感がシャキッとしているというのは、使っていて気持ちがいいものです。
金属外装が北国の冬場という環境にプラスになるとは思えず、かつては電池の消耗やレンズなどの光路の曇りを気にしたもんでしたが、少なくても電池消耗については、バッテリーグリップ経由でエネループを使うことで低温に対する不安はなくなってます。
高速シャッターでの信頼性はEOS-1系列のほうが上かもしれません。でも普段使いなら、せいぜい1/2000秒まできっちり時間が確保できていれば問題ないっしょ。
そんなわけで、やはり銀塩EOSの決定版はEOS7だな、と今でも思います。どうしても1系列じゃなきゃダメだという用途の方もいらっしゃるでしょうが、スナップ系カメラマンならそこまでの重量負担はいらんはず。
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コメント
こんばんは。
この再録シリーズ、楽しみにしています。
ちなみに、「銀塩EOS系締め」と書かれていますが、EOS-1/1Nは出てきましたっけ?
1Vは書かないと書かれていますので良いのですが。
先日、EOS-1N HSを買いました。
安いですし、アマチュアとして、何となくEOS-1系を使ってみたいという思いが強く。
しかし、さすがにバリバリ使い込まれた跡があるのですね。
いつまで動くのだろう?と思っています。
投稿: やまりゅ~ | 2010年1月11日 (月) 21:00
すいません。1Vと1nを間違えてました。
私が使ってたのは1nでした(^^ゞ
1nについては絶対に再録せんのですよ。
あれを掲載しちゃうと、アンチキヤノンからの
リンクがものすごくて。
某巨大掲示板ではキヤノンへのクレーマーとして
代表のように扱われてましたしねえ。
住まう地域で変わってきますよ。
当時の東北では、SSでロクな対応をしてもらえなかったということでして。
メーカーさんに対するクレームではないということを、
フツーの人々には理解してもらえなかったようなんです。
投稿: ビヨ | 2010年1月12日 (火) 19:21
今だからこそ言いますが、当時あちこちのサイトで
「ニコンやキヤノンの高級機と比べて、シャッター音が安っぽいのがぜんぜんダメで、それだけで萎えてしまう」
というような意見を見かけるたびに、この人たちはちゃんと写真を撮っているんだろうかと思ったものです( ̄▽ ̄;)。
投稿: エンゾー | 2010年1月12日 (火) 20:37
なにを求めるか、ということですよね。
ステイタスやらスペックを求める人は多いでしょうし。
また、最高級機ということでいろんな夢を抱いた人も少なくないでしょうし。
EOS7は静かさと素早く切りのいい動作に価値があるわけで。
かてて加えるなら使い勝手の良さ。不必要な耐久性(1nはタフではありませんでしたが)
は必要なく、従って重いボディは不要。
AEとAFメインで使うとなったら、露出傾向からしても
EOS7がベストチョイスだと今でも思ってます。
とくにスナップ派にとっては。軽くて静かで確実なカメラですけん。
投稿: ビヨ | 2010年1月13日 (水) 19:09
「大好きなミノルタα-7と、父親が大好きなキヤノンがつくったEOS7なるものを比べてみよう~」といういい加減な理由のもと、我が家の2台目EOSとなったのがEOS7。しかし我が家ではAPSもフツーに現役なので、残念ながら我が家の初EOSであるEOS IXEに出場機会を譲ることが多いですが、35mmでは唯一のEOS。オートフォーカスが速いことと、シャッター音が静かで、良い機械ですね。今年はもっと使うようにしよう・・・。
投稿: hk | 2010年1月13日 (水) 20:06
満艦飾の大艦巨砲主義ではなく、かといってスペックで
さほど劣るわけでもない、いい意味でのキヤノン中級機の傑作ですよ。
信頼性がそこそこあって、自動化を不自然さなく調和させている感じ。
自動化を推し進めたがるキヤノンさんながら、EOS7は
その自動化のバランスがいい感じです。
投稿: ビヨ | 2010年1月13日 (水) 21:16
はじめまして~。
Eos 55, 3, Kiss X2, X3 と使ってきて今更ながら7を購入しました。
こりゃほんまに名機だと思います。
軽い一眼をと思って昔アルファの中級機を何台か使用していましたが、操作性は比較になりませんでした。7は、この小さく軽いボディにきちんと必要十分な機能が使いやすく乗っているところが素晴らしいですね。
投稿: プレミアムコンパクト! | 2011年2月23日 (水) 00:48
やや。古い記事にコメありがとうございます。
すっかりデジタルばかり使うようになった田舎暮らしながら、
EOS7は手放せません。銀塩一眼レフで一番信頼してます。
投稿: ビヨ | 2011年2月23日 (水) 19:00