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SIGMA DP2 その13 中間まとめ

 年末も近いことですし、本年は心中しちゃる勢いだったシグマDP2について、軽くまとめてみたいと思います。

Dp2_3

 興味のある読者の方はすでにご存知の通り、APS-CサイズのFOVEONセンサーを搭載したコンパクト機がシグマDPシリーズであり、41mm相当のレンズを搭載したのがDP2です。
 DP1はリニューアルされてDP1sになりましたが、映像エンジンの積み替えは見送られたようで、レンズの画角的には28mm相当のDP1のほうが使いやすいであろうと個人的に思いますが、映像エンジンはDP2のほうが後発なので、いくらかは扱いやすい絵になっていると想像できます。

 FOVEONセンサーで撮られた絵は妙な立体感を伴う感覚があるのですけど、これはセンサーサイズが一般のコンパクト機より大きなものを積んでいるため、結果として被写界深度が浅くなってることが関連している他、銀塩リバーサルの写りに近い性格の絵であるためかと思われます。
 センサーの差によって、写りが銀塩っぽくなるのはどういった技術的理由なのかは、もうまったく私は理解しちゃおりませんが、凡百のCCD/CMOS機で撮影したものよりも自然な絵になっているように、少なくても個人的には見えます。
 いかにもスチルビデオ然とした画像を嫌い、リバーサルで撮影した絵が今でも懐かしい私の感覚ですから、アナログっぽい写りということなのかもしれません。

 TRUE2に進化した映像エンジンを搭載したDP2ですが、色再現ということになりますと、ちょっと古めのデジタル機レベルのものでしかありません。RAWそのままの絵は、色調に関してあまり誉められたものではないっす。
 けれど救いは全体のバランスがそんなに狂ってるわけではないことでして、補正は楽な部類に入るのではないかと思います。

 また、カメラ添付のRAW現像ソフトであるPhotoProで調整できるパラメータと幅がかなり大きいため、派手目の色調も地味目の色調も簡単に設定できます。
 画面の中の白点拾い機能もありますので、WBの微調整時に利用できることが多いかと思います。
 このソフトによって救われている面は大きく、映像エンジンの物足りなさをかなり補ってまして、素材としてFOVEONの素直な絵でRAW撮りする使い方が一番合ってるのかもしれません。

 搭載する24.2mmF2.8レンズは、絶対的な光学性能がどうかはまったく知りませんけれど、このボディに搭載されている範囲内では、なかなかいいレンズではないかと思ってます。ダメなレンズでよくある破綻の類はまったくありませんね。
 ただし外部ワイドコンバーターとはあまり相性が良くないらしく、私が試した範囲内ではレンズのポテンシャルを削ぐような描写にしかなりませんでした。

 41mm相当という焦点距離は半端に感じる方が少なくないかと思いますが、40mmレンズは少数派ながら昔から存在し、昔は一般的であった35mmと50mmの中間を埋める焦点距離でした。
 絶妙な中途半端さを好むユーザーは少なくなく、常に一定の支持層が存在する焦点距離なのですね。
 35mmほど広くはありませんが、50mmほど窮屈ではない感じです。人間の自然な視野感覚に近いのは40~45mmだという説もあり、40mmレンズの存在に説得力を持たせています。

 このレンズの物足りなさとしてよく語られるのは、マクロ域で寄れないことでして、最短撮影距離はコンパクト機として長めの約28cmです。
 これでも銀塩時代のカメラと比べたらかなり寄れる性能ですが、一般的なコンパクト機は1cmマクロなんて平気でありますから、それと比べてしまうと見劣りするということなのでしょ。
 これはAPS-Cサイズセンサーを搭載しているためで、原版が大きくなれば最短撮影距離は長くなる傾向があり、もしシグマDPでマクロ域を充実させたレンズを搭載しようとするなら、かなり大きく派手なレンズになると思われ、ないものねだりはやめましょって感じ。

 そのへんが弱点になるのではないかと設定したのだと思いますが、シグマ純正のオプションでオカネをかけたと思われるクローズアップレンズがあり、性能は好評ですんで、どうしても最短撮影距離の長さが気になる方は買い求めたらよろしいかと思います。
 試しに古い某社のクローズアップレンズを装着してみたら、やはり描写が周辺でブワブワになる傾向が強く、どうせ買うなら純正専用品を入手しておいたほうがいいでしょう。

 DP2の最大の弱点は、あまりにもすぐなくなってしまうバッテリー。DP1より電池がなくなるのは早いとされ(映像エンジンで消費する電力が違うのか、はたまたレンズ繰り出しの電力差か)、バッテリー側の個体差もけっこう大きいようで、早ければ100カット撮らないうちにバッテリーはドロップしちゃいます。
 対策としては複数のバッテリーを用意する以外になく、季節によっては予備バッテリーやカメラボディの保温も考慮に入れなければならないかもしれません。
 幸いにして同等品のバッテリーが市場に安く出回っており、定形外郵便で送れることからネット通販で調達するのもいい方法かと思われます。

 ボディの前面があまりにものっぺりしているため、どうもうまくカメラを構えられないというユーザーもいらっしゃることでしょう。
 私もそれが少し気になってましたが、そのへんは社外のカメラケースなどを利用することで改善できるかもしれません。

Ulysses_dp

 こういったグリップ付のケースなら、ホールディングは改善されることも少なくないかと思います。
 ただし、バッテリーが泣き所で、頻繁にボディ底部のフタへアクセスする可能性があるカメラとしては、カメラケースは痛し痒しの存在です。
 このユリシーズさんのケース(カメラボディスーツ)はそのへんを極力考慮した作りにはなっていますが、それでもケースをはずさなきゃならないことには変わりがありません。手の大きな人でも構えやすくなっているのは確かですが。

 細かい点では、高感度ISO側でのノイズがそこそこあることも欠点と思うユーザーはいるでしょう。
 小さく使うカットなら気にならない程度のノイズかと思いますが、キヤノン機などに比べたら高感度時の絵は見劣りします。高感度重視のユーザーにはオススメできないのは、リコーGR/GXも同じで、こういった通受けする機種には共通してますな。

 内蔵ストロボはあくまで緊急用として考えるべき。GNがわずか6ですから。計算できる人は最短撮影距離がすぐわかるでしょうが、F5.6 / ISO100時で1m以内という発光量です。しかもレンズフードは簡単にケラれます(^^;
 ストロボを使う頻度が高い方は、外部ストロボを用意すべきでしょう。純正品の外部ストロボでさえGN14なので、パナソニックサンパックなどの社外品でもいいと思います。
 私はサンパックのB3000Sという古いストロボを使ってみましたが、結果は問題ありませんでした。若干色味が青くはなるものの、補正範囲内です。

 銀塩機から直接DP2へ移行した方には、レリーズタイムラグの長さが気になる場合があるかと思います。
 デジタルコンパクト機としてはこんなものかという長さですが、銀塩のライカMあたりと比べたらかなり差がありますのでご注意を。

 また、ボディ操作部のボタンにはまったく白抜き表示がなく、彫り込みはあるけれど白などのインクが流し込まれていません。
 このボタン表示の物足りなさは慣れで解決できる範囲かもしれませんが、私はかなり気になり自分で白塗料を流し込んでます。

Img_4628_2

 シャッターを押したら一発できれいな絵を記録してくれるカメラをお求めなら、絶対にシグマDPはオススメしません。それなりにパソコン画面上でいじってやる必要があり、そのためにはRAWで撮るのが最良なので、撮って一発出しのJpeg用途には向いてません。
 バッテリーのショボさからも日常的メモカメラとして頼りなく、業務用としては単焦点レンズが足枷になると考えられ、もっぱら趣味のカメラですねえ。

 かつてコダクロームを使って喜んでいたような方なら、たぶんシグマDPを好きになれると思います。似てるんですよ。使う感覚が。
 光の色温度に敏感で、けれどハマると他のフィルムじゃ絶対に同じように写らない、そんなコダクロームみたいな性格のカメラですから。それを楽しいと感じる方にはオススメできますよ。趣味的には深いものがあるカメラです。

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コメント

GR DIGITALをエースにしている私としては40mm付近のレンズを多用はしないのですが、CONTAX Gのプラナー45mmやPENTAX FA43 LIMITEDが40mmに近い画角というのは開発する人が意識してそうして(あえて50mmにしない)いたのかなぁ、などと思うときがありました。DP2が41mmだと聞いた時には、何か妙に納得したのを記憶しています。考えた末の結果なんだろうなぁと、勝手に解釈しています。

投稿: hk | 2009年12月27日 (日) 16:02

50mmというのは、昔から「標準レンズ」なんて呼ばれてるわりに、
いざ使うと万能かどうかは疑問だったりして。
おおむね「キリがいい数字」というところに
落ち着くのではないかと思います。
「寄って絞りを開けば望遠、引いて絞れば広角」という
標準レンズ観もありますが。
現代のようにコンパクトデジタル機のマクロ域が強力になっちゃうと、
28mmだとしてもかなり背景はボカせますからなぁ。
現代は焦点距離によるボケ具合とマクロのボケ具合を
混同してる気配があるにせよ。
 
中途半端な焦点距離や開放F値ってのは、
なんだか裏に事情がありそうな気がしますよね。
それを「販売戦略」の一言で切って捨てたくはない私って、
まごうことなきカメラオタクなのかもなぁと自覚してます(^^ゞ
ロッコール40mmで「けっこう40mmっていいじゃん?」と思いましたから
抵抗がなかったんすよ。

投稿: ビヨ | 2009年12月28日 (月) 20:10

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