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沈まない太陽とやら

 大変にドメスティックな感覚で一方的に語ってしまいますが、私とオフクロはガッカリしてたというネタバレ話を。山崎豊子の『沈まぬ太陽』について。
 感動したままでいたい方は、今回このブログを読んじゃいけません。

 まさか映画化されるなんて思いもしませんでしたよ。どっから見ても、日本航空をネタにしたリアルな暴露系だというのはわかる原作。それをムービーにするなんざ、ちょっと世間的にヤバいんでねえの?
 ところが昨今は日本航空の再建が話題になり、それに伴っていろいろと問題点がマスコミをにぎわせておりますね。タイムリーな映画化だったという見方もできるのかもしれません。

 でもなぁ、あの原作はまったく一方的な解釈すぎるのではないか、という指摘も世の中には多く。見る角度で形がまったく違ってくるってことですね。
 日本航空という会社は、国策会社であったという前身により、かなり複雑なオブジェであるのですよ。アングルによってまったく形が違って見えるということでしょ。

 組織に生きる会社人として、ギリギリの努力をしているように見える主人公ながら、サラリーマンとしてサバイバルを少しは体験している私が考えても、疑問に感じる主人公の対応ってのはあります。
 そのへんの不自然さを日航の体質にすべて帰結させてるのは、それすらも小説的には不自然な感じはするのですがね。
 ようは、主人公サイドへしか取材せず、ヒーロー然としていたい主人公の、言わば英雄話にそのまんま乗っかっちゃったストーリーといえるわけで。

 舞台と登場人物だけ借りたまったくのフィクションとして読むのが正解。実際の日航がこうであったと受け取っちゃうと誤解。そういったバランス感覚を持って読まないと、日航がかわいそすぎますぜ。

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

お、見たんですね。
私の良く見る映画批評サイトでもビヨさんと
同じではないけど遠からず通じるものがありそうな
レビューがありました。
私は航空会社には全く知識がないので。
おそらく見たら渡辺謙に感情移入しちゃうかな?と
思いつつレビュー読みました。
組合の委員長って役どころも、ありますしね。
まぁ、映画にする、あるいは原作の小説を書く時点で
主人公をどちらにするかという時点で軸足は偏らざるを
得ないとは思います。
これがドキュメンタリーなら中立な視点は必要ですが。
読み物としてあるいは劇場公開映画としては
分かりやすいスタンスや主人公はやはり要ると
思うんですよ。
だからJALとは書いてないらしいし。
一応フィクションってことになってるんでしょうしね。
映画かぁ、、田舎は映画館少ないからなぁ。
見に行くのが大変、、

投稿: ぴゅんぴゅん | 2009年10月26日 (月) 21:30

あたしゃ原作を読んだクチでして。
たまたま興味を抱きましてね。最近やたら山崎豊子原作が多いではないかと。
それで『沈まぬ太陽』を読み始め、全部読む前にオフクロが私を追いかけて全巻すでに読破していたっていう。
山崎豊子的にはドキュメンタリーに軸足を置いているフシがあったらしいんですが、現実は小説とかなりかけ離れたものであったことが明らかにされてましてね。
まあ簡単に言えば「現実は真逆」のようです。本当に鼻つまみ者の「アカ」だったらしいですよ。
もちろんJALは全面的に協力拒否の上、映画化中止の申し入れまで行ったとか。
労組に携わってる人、あるいは携わっていた人が誤解を受ける可能性大で、どういう方向に転がっても労組は損する内容だと私は見てます。

投稿: ビヨ | 2009年10月27日 (火) 19:40

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