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再録 Cosina Voigtlander Super Wide-Heliar 15mm F4.5 Aspherical

 リクエストにおこたえして。以下、再録です。

P636eb2b15

 コシレンが続くな。まあご勘弁願いたい。この15mmも私がかわいいと思っているレンズなのである。

 最初に書いておく。前回のスナップショットスコパー25mmも今回の15mmも、私はあえてオススメしない。おそらく一般的な写真好きが許せるような写りではないと思う。
 コシレン初期の個性そのまんま。ネガ撮りならともかく、リバーサルではナーバスな側面が顔を出しかねない。面白いと感じる人だけが使っていればいい。

 いきなり言い訳から入ったな。かっこ悪い。だがオンラインに限らず活字媒体というのはおっかないところがある。文章の前後を読まず、ピンポイントに抜き書きして、それに対してあーでもないこーでもないと物申してくれる人が、世の中には少なくないんである。だから、わかりやすーく冒頭に書いておかないといかんのであった。

 さて、この15mm。前回の25mmよりもほんの少し大きいとはいうものの、15mmレンズとしては異例なコンパクトさである。非球面レンズ導入のおかげなのだろうか。
 私はBESSA-Rといっしょにこのレンズを入手した。私のBESSA-Rは新品時からいきなり距離計が狂っていたが、どうせ15mmは目測式、私はあまり気にせずしばらく使っていた。やっぱボディはメーカーへクレームに出しちゃったけどね。対策部品とかも無料で交換してくれたっけな。

 BESSA-Rそのものはコンパクトだと表現するほどの大きさのカメラではないけれど、15mmレンズがコンパクトなおかげで、15mm専用機としては異例な小ささで使うことができた。
 もちろんライツミノルタCLにもくっつけてみた。うーむ。これはなんと小さな超広角機。まさにカスタムメイドってな感じで、私は喜んで使ったものであった。

Cl4

 そう。このコンパクトに使えるところがこのレンズの最大の武器だと思う。一眼レフではこれほど小さな15mmを作るのは技術的に無理なことなのだ。レンジファインダー機だからできることなのである。
 25mmと同じく、この15mmも安い。外部ファインダーつきでたったの\65,000だ。15mmレンズがこの価格というのは、もはやバーゲンである。量販店なら\40,000くらいで売られているのではあるまいか。
 15mmという、いわば特殊レンズと呼んでもいいレンズが、気軽に買える値段で、しかも気軽に持ち歩ける大きさなのだ。これはうれしい。

 ライカMのレンズだって小さいぞとおっしゃられる方よ。ライカのレンズは財布に優しくない価格ではないか。しかもこのところレトロフォーカスタイプの広角レンズへシフトし、なんのためのレンジファインダーなんだようと思いたくなる設計が多い。
 そんなお高いライカのレンズに比べたら、コシナフォクトレンダーのなんと潔いことよ。写りは多少文句を言いたくなるレンズもあるが、なんといっても価格が安い。毎回書いているが、価格の安さも立派なレンズの性能である。

 スーパーワイドヘリアー15mmは言うまでもなく特殊な画角のレンズである。画角は水平でなんと99度だ。20mmレンズあたりでさえ日常の視覚をはるかに超えているというのに、そんなもんではないのだ。
 そのくらいの特殊レンズであることを考えると、かなり立派な描写といってもいいんではなかろうか。周辺光量落ちはあるものの、28mmぐらいのレンズでもこのくらい落ちるレンズはある。15mmとしては気になるレベルではない。

 センター部の描写はそこそこながら、四隅に引っ張られる感じである。そして周辺ではザラついた描写になる。かつてのシグマ旧14mmに似たザラつきだ。
 というか、このぐらい写っていたら私は御の字である。完璧な仕様のレンズを望んだら、大きさも価格も軽く4倍くらいになってしまうに違いない。
 ただ初期のコシレンなので、シャドーとハイライトはまったく期待できない。逆にフラットなシーンではメリハリがつく。そう前向きに考えると、このレンズの使い道が出てくる。
 また、コントラストがつきやすい性格なので、派手なフィルムを使う時は要注意でもある。ネガ向きなのかもしれない。私はおかまいなしで使ってるけど(^^;

 なにより小さいのがいい。135の一眼レフをメインに使っていても、CLと15mmの組み合わせをカメラバックの隅に入れておく余裕はある。15mm固定機として小さなボディで使う手があるのだ。
 もちろんレンジファインダー機をメインで使っていても、レンズとファインダーはかさばらないので、セットでカメラバックの底に忍ばせておくことができる。いわば秘密兵器みたいなのものだ。レンズをたくさん持ち歩く習慣のある人でも、この大きさなら文句がないはずだ。

 ライカに狂っちゃってる人にはオススメなんぞしないけれど、レンジファインダー機そのものを楽しんでらっしゃる方には、中古で安く出回ってるのを見かけたらシャレで手にしてみることをオススメする。小さくてかわいいなぁと思ったら、買っちゃえ!
 ただでさえ使いこなしが難しい超広角レンズである上、使うシーンそのものも選ぶ性格の描写だから、このレンズを使いこなせるようになったなら自慢していい。きっと超広角の達人になれる。

 どうせ目測式なんだから、シビアなピント合わせに縁なく使える。付属ファインダーの視野はほぼ80%の視野。そんなアバウトなレンズは、無意識のうちに撮影者の頭脳を占めているであろう、シビアなピント合わせや「構図」「作画」という名のこだわりから解放してくれるに違いない。
 あら。なんだかんだでオススメしてるな。繊細な写りじゃないからね。勢いで見せるレンズだから。それだけは念を押しておくよん。(2004,04,27)

 以上、再録。

 読み返してみると、言い訳が多いですねえ。なにかヨソで発言に関して責められてることでもあって警戒してたんでしょうか。それともノセられて手を出したユーザーさんに文句タレられるのを怖がってたとか?(^^;

 現代のピシッと写る超広角レンズが当たり前だと思ってる感覚の若者にはオススメしませんよ。
 むしろ70~80年代に写真を楽しんでいらっしゃった方なら、当時の一眼レフ用対角線魚眼の写りを思い起こしていただければ、ご納得いただけるだけのパフォーマンスがあると思うのですね。

 再録本文にも「かつてのシグマ旧14mmのようなザラつき」という表現がある通り、時にはフラットに、でもたまに荒々しさが強調されるという性格のレンズです。
 そりゃそうです。15mmなんていう画角のレンズは、キワモノに近い存在のレンズであり、現代型の優等生レンズを頭に置いちゃうと見れたものではありません。
 ですがレンズを楽しむ行為というのは、すなわちレンズの個性を味わうことなのだと私は思うのですよ。

 そこそこソツなくこなすレンズは世の中に数あれど、どんな場面でも完璧なレンズというのはあり得ないと私は考えます。
 ましてや私はチープクラスのレンズに真実を見出そうとする人間ですので。一点豪華主義の高価なレンズなんざ眼中にありませんのでね。必然的に「完璧なレンズなんざあり得ねえ」という価値観に落ち着きますわな(^^ゞ

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旧機材系・再録」カテゴリの記事

コメント

このレンズ、ビヨさんにもらったベッサLに着けて、サイパンに持って行きました。
海岸から太平洋を撮ると、青い海と白い雲の織りなすもの凄く雄大な写真が撮れましたが、人工物はからっきしでした。
被写体を選ぶレンズと思いました。<腕がないせいかも(^^ゞ

あと、カメラをいい加減に構えて指が写ってしまったカットもありました。<やっぱり、腕がない証拠(T_T)

投稿: kazurin | 2009年9月13日 (日) 21:26

この記事を初めて読んだときから、いつかは
手に入れようと思いながら今に至っています。
一応今の段階でプライオリティは3位。
年明けぐらいまでにはなんとかしたいですね。

投稿: Kizao | 2009年9月14日 (月) 00:02

うぉ、なんか
苦手な広角レンズが欲しくなってきたぁ。
24ミリすら使いこなせないのに。
15ミリかぁ、、
と思ったけど使えるボディがなかったよ(w
よかったよかった。
あったら危ないところだった。
645用にロシアン魚眼も危ない感じに入手を考えた
事もあったなぁ。

投稿: ぴゅんぴゅん | 2009年9月15日 (火) 00:06

> Kazurinさん
入手したものの使わず仕舞のL号ですいませんでした(^^ゞ
ハマれば雄大なカットが得られるのに、人工物相手だとヘロヘロなあたり、いかにも初期のコシレンですよね。
そういう感慨をキッチリ得られてるあたり、腕がないということではないと思いますよー。
 
> Kizaoさん
キワモノレンズですから~。プライオリティ5位くらいまで下げてもいいと思いまっす。
想像するに、たいした描写力じゃないとガッカリしてリリースされたレンズが中古市場にあるかと。
急がなくてもいつでも入手できる気がしますですよ。
個人的には、いい意味でのアバウトさを私に教えてくれた先生レンズですんで、スナスコ25mmと共にかわいいレンズですよ。
 
> ぴゅんぴゅんさん
15mmくらいはキワモノすぎるんで、スナスコの25mmが狙い目よ~。
なに。ボディがないと。そんな家庭持ちのあなたには、我が家で置物になっているBESSA-Rを強制送りつけかなぁ。
ええ、慢性距離計ズレ病はメーカーさんでもなんともならず、まさに目測式レンズのための(以下略)

投稿: ビヨ | 2009年9月15日 (火) 09:45

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