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再録 Canon EF135mm F2.8 SOFT

 書くネタがないとすぐ再掲に逃げる姑息な私。レンズネタでいきますよ。以下、再録。

 私らしく、意表を突いたレンズを3つ目に持ってきた(2009年注 掲載した当時は3本目のレンズとして掲載)。誰も注目しないし誰も誉めないので、私が誉めるのである。俺がやらねば誰がやる。新造人間キャシャーン状態である。

P180rvp

 EF135mmソフトは、最初のEOSラインナップの頃からある第1世代のレンズであるため「古い」と思われがちなのかもしれないし、レンズ外見もいたって地味である。
 いや、地味というよりも不細工レンズかもしれない。プラスチッキーで細い筒のようである。先細りになっているので余計に貧相に見える。
 使用フードも初期型の操作性に欠けた大味なタイプで、購買欲を刺激する外観はない。使う度に「ダセえよなぁ」といつも思う。

 だいたい現代においては135mmというレンズ焦点距離が大変にマイナー扱いである。かつては本格的な望遠レンズへの登竜門といわれたものであったが、今では望遠ズームの中に内包される焦点距離になってしまった。
 キヤノンをあまり持ち上げたくはないが、135mmの単焦点レンズをないがしろにしない点では誉められる。LレンズでもEF135mmF2Lという優れたレンズを発売している。
 EF135mmF2Lは私も使ったことのあるレンズだが、200mmのLレンズとは違って135mmは完璧型を狙っており、使いやすい焦点距離でも迫力ある描写をする優れものであった。

 135mmというのはもっと注目されていい焦点距離であると思う。この焦点距離近辺では多用途性のある点で私は100mmを支持するが、135mmも悪くない。コンパクトに使え、明らかな望遠効果が得られる。
 100mmまでは肉眼の範囲内にあるといえる。人間は脳内増幅により、神経的に85~100mmくらいの望遠効果を得ている。いわゆる「注目している」という状態がこれに当たる。135mmという焦点距離は、この脳内増幅の範囲外に入る入り口でもある。そのため、望遠効果が顕著に感じられるのであろう。

 さて、EF135mmソフトだが、このレンズの最大の特徴は、絞りと別にソフト描写効果をコントロールできることだ。
 ペンタックスのソフト28mmは絞りによってソフト具合を調整しているが、キヤノンは独立したソフトコントロールリングがある。
 原理的には内部の非球面レンズを移動させることでソフト効果を出している。そのため、絞り設定の如何に関わらずソフト効果が期待できる。もちろん絞り込めばソフト効果は少なくなるものの、必ずしも開放でなければソフトフォーカス効果が出ないという制約はない。

 AFでソフトフォーカスレンズを使えるというのもメリットのうちのひとつだろう。合焦後にソフトリングを回すと厳密にはピント位置が移動するはずなのだが、ソフト効果を入れたままAFで撮ればいい話である。
 私がこのレンズをいいなと思うところは、ソフト効果0、つまり通常の135mmレンズとして使っても、アウトフォーカス部が普通のレンズよりも柔らかく出るところだ。
 しっとりとした柔らかさがある。背景と被写体の配置によっては、とても135mmで撮ったようには見えない絵になる。

 ニコンのDCレンズやミノルタのSFレンズのような難しさもない。普通のレンズにソフトフォーカスのリングがくっついているだけにすぎない。
 そういった使用上の気楽さも長所であり、レンズそのものの価格も安いものである。メーカー上代でたったの\47,500だ。ほかのEFレンズよりも値引率が低い場合もあるようだが、安価であることには変わりがない。

Ef135sf

 安いだけにチープさもある。鏡筒の中ほどにある滑り止めと思われるゴムがすぐ剥がれてくる。挙句にこのゴムがきちんと鏡筒を一周してなかったりもする。チープ風味満点の外観なのだ。
 こんな間抜けなゴムは思い切って取り外してしまい、卓球ラケットのラバーや、カー用品店に置いてある防振ラバーを加工して貼り直したほうがいい感じだが、モノグサな私は剥がれかかっているゴムの上から輪ゴムをカマして済ませている。大変に私らしい処置である。

 このレンズがそれなりにゴージャスな外見であったとするなら、とても今の価格で供給することはできないはずである。価格もレンズの立派な性能であると私は考える。
 貧相な外見の中に、実はしっとりとしたアウトフォーカスの柔らかさを秘めている。ソフトレンズではなかったとしたら、地味ながら渋い描写をするレンズとして、たぶんもっと話題になっているはずだ。ソフトフォーカスレンズであるため、その先入観から簡単に評価されて終わってしまっているように感じる。

 なんとももったいないのだ。使ってみればわかる。このレンズは常用135mmとして使ってみても、ザーザーと鳴るAF駆動音と外見以外は不満がない。普通に使える。
 そりゃLレンズと比べたらコントラストも色ノリも低い。ドキュメントタッチな派手さもない。ごく普通の写りだ。だがマウントが旧FD時代よりも大口径化したせいだろうか、ハマった時には価格以上の写りになる。ソフトフォーカス機能は非常用とでも思って使うのが正解なのではあるまいか。

 描写に捨てがたいところがあるので、私は金欠にも関わらず処分しようとは思わない。一眼レフをあまり使わなくなったのに、である。物欲的には愛せないが、レンズ本来の役目たる描写という点で、けっこう穴である。
 興味のある方は、中古ででも調達して一度お試しいただきたい。カメラ側のAEB機能を利用して露出を振ってやると、このレンズのおいしい使い方が判明するかもしれない。(2004,03,26)

 以上、再掲。

 KDXで使ってみたら、ファインダーでさっぱりソフトフォーカスの具合を把握できなかったのに、撮影結果はちゃんとソフトになっちょりました。
 ファインダーの作りに理由があるのかなぁと漠然と考えたりしてみましたが、ちゃんとソフトフォーカスになってんならいいか、と深く考えずに済ませている私でやんす。

 135mmという焦点距離が、今となっては使いにくさを感じてます。いわゆるAPS-Cサイズのイメージセンサーでキヤノンの場合、換算焦点距離が1.6倍となりますんで、216mmのソフトフォーカスレンズというあまりうれしくないレンズになっちゃいますね。
 汎用性を考えるなら、現在のデジタル一眼レフ市場の状況を鑑みても、50mm近辺のレンズをAPS-Cサイズで使うほうがソフトフォーカスでは使いやすいのではありますまいか。

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