再録 キヤノンT90
以下、再録。
モードラはあるに越したことはないけれど、絶対的な速さはなくてもいい。部分測光とスポット測光を搭載したAE機で、電源は単3電池。
そんな理想のカメラが出たら買っちゃうかもなぁ。でもA-1に慣れてるから新しいカメラは不安だな~」なんてことをほざいていた私であったが、そのまんま登場してしまったのがT90。こりゃ買うしかないよな、という感じであった。
22歳の時にA-1からスイッチ。T90とA-1では操作系がまったく違うが、私は豪華版のカタログを穴が開くほどじっくりと3週間ほど事前研究していたため、たいして困らずに移行することができた。
T90は丸っこい柔らかな外見とは違い、かなり硬派のカメラで、細かいところまでコストの許す限り考え抜かれている印象がある。これ1台あれば、もうカメラは一切いらないな、と感じるほど。
もちろん私の使わない機能も満載されているのだが、必要としている機能がコンパクトにまとめられているため、無駄な機能を持ち歩いているという気はしない。
A-1はやたらあちこちと連れ回したカメラであったが、T90はそれ以上に使い倒した。台風のさなかに濁流渦巻く新宿歌舞伎町で撮影を敢行したり、時速160kmで走行中のバイクを運転しながら撮影など、とにかく大活躍であった。かなり丈夫な側面があったのである。
シャッターのショックが重いかなぁと感じる部分と、スポット測光エリアが狭すぎてシビアな点、できれば部分測光エリアをF-1と同じく四角のものにしてほしかった(技術的に難しそうではあるが)くらいしか短所が思いつかない。
視野率が100%でないなどとケチをつける人もいるようだが、私にとってはさほど重要なことではない。コマンドダイヤルは現行のEOSシリーズより数段上等の材質で作られており、EOSの最上級機種よりタッチはいい。
メインをT90にしてから真面目に撮るようになった気がする。レンズも必要最低限は揃えるようになった。あちらこちら出かけるようになり、よほど写欲を刺激するようないいカメラだったということか。たまたま熱心になった年頃と重なっただけか。
使用して11年目。とうとうシャッターチャージ系がイカれ、修理不能のメーカー宣告が下された。ご臨終である。
だがそれまではスポーツ撮影のメイン機として仕事でバリバリ使ったし、大活躍だった。私の青春の相棒と呼ぶにふさわしいカメラであった。(2004,02,29)
以上、再録。
EOS5がすでに手元へ来ていた時に修理不能になってしまい、FDマウントへの未練を捨てて泣く泣くT90を諦めたのでした。
T90の修理部品払底で泣いている方がたまたまネットにいらっしゃったもので、そちらへカニバリズムの材料として進呈し、もう手元にはありません。その方も仕事でT90を使われている方でしたので、つい義侠心が。
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