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再録 Contax G2

 グダグダと前置きなしで、今回はいきなり再録。以下、再録。

 G1というカメラは、使い慣れてみるとなかなかよろしいものがある。カメラボディの造形的に飽きないところがあるし、各操作部は京セラがどうしてこういう設計にしたのか納得できるものがある。
 ミノルタのTC-1に対して感じるポリシーのようなもの、それをG1にも感じるのだ。

 ただしG1は世評通りにAFが頼りない。一度合焦すれば信用できるが、なかなか合焦せずにイライラしてくる場面はかなりあるのだ。
 そのくせしてMF機能が充実しているかといえばそうではなく、AF機能からフィードバックされる情報を基本とした距離情報表示になるわけで、アテにならないAFからの情報なんか信用できんから、まあ目測でしかMFは使えないのでありますね。
 そうなってくるとBESSA-Lあたりで被写界深度を意識しながら使ってるほうがよっぽど気は楽、というのはある。

 まあG1はそんな具合なので、AFのレンジファインダー機でレンズ交換が可能ということには存在価値があるけれども、撮影の道具としてはどうなのか、というのがあり、京セラが真面目にこのシリーズを続けるのならば後継機が出るだろうというのは暗黙の了解ではあった。
 でもなー、G2の登場はあまりにも早すぎなかったか。2年過ぎてないうちだからねえ。これじゃあG1を買った人がなんかかわいそうだなと素直に感じる。
 G1はいまいっちょのカメラだったんですってメーカーが率直に告白してるようなもんじゃないの。G2になにか画期的な機能が塔載されていてG1とは完全に差別化されているというのならまだしも、実質G1の改良機だからなあ。

 とはいえ、G2のこのデカさは、重さを敬遠して逆にG1を選ぶ人がいる可能性を感じさせる。チタン外装ボディということもありG2はけっこう重いカメラなのである。レンジファインダー機でこの重量、そして大きさはなんだべかと思わないでもない。

 G1の欠点をフォローするべく塔載モーターを一気に倍の4モーターとしたようだが、レンジファインダー機をAF化するとこれだけモーターを積まなければならなかった、とも受け取れてしまう。
 モーターが多いということは、消費電力と静粛性で不利なのはいうまでもない。モーターが多いからといってけっして騒々しいカメラではないのだが。
 そんな重さやら無意味な4モーター化などを感じるため、スナップカメラとしてはAF一眼レフの普及機、たとえばキヤノンのkiss3であるとかミノルタのsweetクラスのほうがよっぽど軽量で安価で確実に撮影できるのではないかと思ってしまう。
 ただしこのGシリーズに装備できるツァイスレンズは一眼レフ用ツァイスを凌駕しているのではないかと思われるレンズもあり、ここにGシリーズ最大の価値があるということになる。

 G1よりも操作部材が増え、贅沢といえば贅沢。しかしG1がなかなか無駄のない操作系であったことを考えると、無駄に部材が増えたと感じてしまう。とくにMF専用ダイヤルはいい場所を占有しているわりに、実用性は疑問。
 それでもAFは確かにしっかりしたものになったとはいえよう。あくまでG1と比べてではあるが。迷うときはやはり迷うAFである。G1と比べると迷いは減っているし、だいたい目測で感じている距離にピントが来ることは多くなった。
 それとAEB機能を活かすために巻き上げ速度を向上させたのも納得。ただし個人的にはAEBも高速巻き上げも不必要と感じてはいるが、AEBに頼らなければ不安なユーザーは多いからねえ。

 ツアイスレンズに価値を感じているのでなければ、単なる見栄張りだけでこのカメラを買おうというのはおすすめできない。
 G2よりもG1のほうが小型でレンジファインダー機として意味がある気はするし、G2を買う予算があるのならばもっと気楽な高級コンパクト機のほうがもっと楽に見栄は張れるかもしれない。あるいは安いAF一眼レフを買ってレンズにカネをかけたほうがいいだろう。
 AFというものはしょせん未完成な技術で、撮影者がそのへんはフォローしてやるべきという西欧的道具感をお持ちの方で、どうしてもツアイスを小さく使ってみたいという方にのみすすめられるカメラではないか。私は素直にそう思うのでありますね。

 (2003,07,10)まあ以前は酷評しちまったんだが、RF機をメインにして使うとなると、このGシリーズはレンズ描写に最大のアドバンテージがある気がするから、欠点を指摘するだけではなんの生産性もないのであった。
 ビオゴン16mm、ビオゴン28mmなどはGシリーズ専用といった存在であるし、これらのレンズで「仕事」をしたいと思う人も世の中には少なくないと思う。「仕事」をするのならば、多少は大きくて不細工であったとしても、G1よりも機能的に上のG2を選ぶ気持ちはよくわかる。
 ビオゴン28mmはドキュメントタッチの鋭い写りと色調の美しさがある。このレンズはプラナー45mmと並ぶコンタGレンズの傑作レンズではあるまいか。そんな気がする。

 もはや業界から足を洗ったビヨの字は、趣味性からG1を強く愛玩するわけだけど、真面目にストリートスナップをしようというのならやはりG2を選ぶ。仮に置きピンで被写体に挑むとしても、G1よりG2はレリーズのタイムラグが小さいから意味がある。

 以上、再録。

Img_1678_2

 今でも手放す気がないシステムですよ。銀塩を使うなら、という前提でしかないけれど、唯一無二の存在感があります。ツアイスを小さく安く使い倒す気になれば、ユーザーがそれなりにカバーしてやることでかなりの実力を発揮する。そんなカメラとレンズだと思ってます。

 このまま銀塩衰退の彼方へ押しやってしまうにはあまりにももったいない存在です。

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