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再録 ニコン28Ti

 再録モノ。

 クルクル針クラブの主宰ということになってしまってる私(注・当時)が、実はほぼ10年35Tiのみであったというのはみんな知ってる秘密だ。ワハハ。

 銀塩衰退期というのは焦りを生み出す。早くキープしとかなきゃ手に入れられなくなるかも!という焦りである。
 かつては35mm男であった私も、いつしか28mmを重用する男になりつつある。TC-1とGR1がその犯人である。使い慣れないままに使っているうちに28mmのほうが楽しくなっちまった。
 そういう事情があるものだから、28Tiはなんとか調達したいものだのうと考えていたのである。

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 例によってヤフオクにて調達した。28Tiは程度極上のまま流通している場合が多い。そしてプレミア的に高い価格で取引されている。
 だが私はどうせカメラをきれいなままに使い続けられない人間である。ならば外見は多少ボロくても構わない。それよりも完全動作品であることが重要なんである。
 待ちに待って、望み通りの格安28Tiをヤフオクにて発見。外見は傷あり、塗装ハガレあり。その代わりに価格はリーズナブルに収めることが可能となった。

 35Tiユーザーである私が28Tiに対して最初に抱いた期待は、レンズの描写である。とかくヌルいと評価されがちな35Tiの自称ニッコールレンズ。これとの差はどうなのかといえば、当たり前なのだが35Tiと同じ傾向であった。
 もしかしたら硬めだったりするのではないかと期待していたのに、まんま35Tiと同傾向である。つまり、シャープと表現するようなエッジのキレはなく、硬いと表現するほどのコントラストもない。いたって普通なんである。
 ただし暗部の粘りなんていうものも35Tiと同様であり、一概に薄っぺらな描写とは決め付けられないものはある → 枻出版一連の図書はあまりに表面的なインプレにしかすぎない。

 35Tiと同様のレンズ描写であるなら、おそらくコダックのEBXあたりがベストフィットのフィルムではないかと思われた。あっさり系の描写をフォローするという意味においてのフィルム選択である。EBXは色が派手で硬めのフィルムである。
 RVPやEB3でも試してみたが、ニッコールらしい雰囲気にはならない。悪くはない写りになるが、昨今の業界的写りの基準からしたら物足りないのも事実である。
 EBX、あるいはE100VSならばとりあえず世間が納得する程度になる。ただしEBXのフィルム特性から、暗部やハイライトの微妙な部分はスポイルされがちにはなってしまうが…。

 測光に関しては35Tiと違う印象を受ける。RVPを除けば35Tiでは-1/3補正固定がリバーサルフィルムに適した露出と私は考えているが、28Tiで同じことをやるとアンダーすぎるんである。露出補正固定はまったく必要がない。
 使い始めた当初は28mmレンズの画角から空を拾った測光になっているのだろうかと考えてみてはしたが、撮り進むうちに35Tiとはどうやら測光のアルゴリズムが違うようだと考えるようになった。
 ひょっとすると28mmレンズ搭載ということで、ニコンさんサイドがあえてニュートラルな補正いらずの設定にしている可能性はある。
 つまり28mmレンズを選ぶユーザーはリバーサルやB/Wフィルム使用の頻度が多いのではないかという仮設に基づき、35Tiのカラーネガ向きオーバー傾向をキャンセルしている可能性がある。

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 外装の黒塗装は噂にたがわずニコン流上品さがある。いわゆる「黒チリ緬塗装」である。和風とでもいうか、東洋的と表現すべきか、フラットではない黒塗装は独特のものである。これは他メーカーに対して大きなアドバンテージであろう。あまり話題にならないがセールスポイントである。
 このチリ緬塗装はホールディングにもいい影響があるに違いない。チタン地を保護するガラス塗装を施した機種というのは、表面がテラテラしていて汗で滑ったりするものだ。そういう心配はチリ緬塗装に少ない。

 ニコンらしいといえばニコンらしいカメラである。基本設計が古いにも関わらず、後発機と互して使える内容だ。あえて欠点とするならレンズのあっさり具合だろう。それ以外は最新機種と比較しても劣る内容ではない。
 完成度の高いコンタックスT3には液晶部の照明が装備されていないという欠点がある。GR1シリーズはAFが不安定だという短所がある。ミノルタTC-1は万人向けの操作性ではない。地味ながらニコンTi機にはそういった欠点がない。

 どんなシーンでも対応でき、必殺の3D分割測光、そして卓越したスピードライトコントロールにより、道具という観点からするなら、設計が古かろうがニコンTi機はかなりの高レベルでまとめられていると断言できる。総合点で優秀な存在なのだ。
 なんでこのカメラがマイナーなままなのか不思議である。それは重箱みたいな四角いボディのニコン的ダサさか。それともボディ上部のクルクル針がギミック的すぎるとでもいうのか。赤色の内部照明がダサいとでもいうのか。実用度はかなり高い。オススメなんである。
(2004,01,24)

 以上、再録。5年前ですか。予測はしていたものの、こんなに早く田舎で銀塩趣味が難しくなるとはねえ。

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コメント

ん、いつの話だ?と思ったら。
もう5年前でしたかぁ。
早いもんですねぇ、ほんと。

投稿: ぴゅんぴゅん | 2009年7月14日 (火) 19:23

んだのよ。もう5年も過ぎてるのよ。求職泣きの頃でやんすなぁ。
40歳過ぎると時間が過ぎるの早いねえ。そのわりに怪我の治りは遅くなるっつーのはどういうわけだ。

投稿: ビヨ | 2009年7月15日 (水) 17:54

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