予告しておきながら、すっかりブン投げてたジェットボイルについて、今回は書く。
イントロとして、ジェットボイルというシロモノは、読んで字のごとく、ジェットな勢いで湯を沸かしてしまうアウトドア用デバイスである。野営において湯を沸かすというシーンは、当たり前にして必然的に存在するもので、それについて革命を巻き起こした品ではある。
火力を発するストーヴのバーナー側ではなく、加熱される容器側に着目した工夫がジェットボイルの優れたところであり、何度も同じことを書いているが、いわゆる放熱フィンと逆の考え方なんである。
ラジエーターやら放熱フィンってのは、熱をできるだけ素早く大気中へ発散させるべく、表面積をできるだけ増やす工夫をして大気へ当たる放熱体を設置してるわけだ。
ジェットボイルはその真逆で、バーナーの熱をできるだけたくさん受けられるよう、鍋の底に放熱フィンならぬ「吸熱フィン」ともいうべきシロモノを備えている。従来比でガス消費量は半分。効率は従来比1:2という性能を誇る。カタログ上ではな。
実際の燃焼実験に関してはたくさんの記事がWeb上にあるので、私はあえてそれに触れない。あくまで自分の感覚で申し述べておくだけにとどめておきたい。
毎度お馴染み、ジェットボイルの姿である。純正のガスボンベの下にスタビライザーを装備したお姿だ。
今回は面倒で色をいじらなかったため、モノクロでご勘弁を。インチキなブツ撮りセットがニコチンで染まってんのに、作り直すつもりがないのね(^^ゞ
まずはジェットボイルの大きさである。右側にあるのはスノピのチタン製「極」のコッヘルである。「極」のコッヘルは公称830mlというミニマムサイズ。それと比較するとこのくらいの大きさだ。
ジェットボイルのコッヘルは容量が公称1,000mlながら、縦型容器の宿命で煮立つと湯が容器外に吹き出る。よってコッヘルの中には安全ラインともいうべき500mlにラインが刻まれている。
「MAX SAFE FILL / 2 CUPS」と刻まれている。ほぼ500mlのラインであり、安全に湯を沸かすにはこのくらいの容量が適切ですよ、という親切表示であろう。
実際には、沸騰してすぐ火を消すなら、800ml程度でも問題ないのは実験済み。なにしろ湯を沸かす専業器具なんである。500mlだけしか湯を沸かせないのなら、あまりにもコストパフォーマンスが低すぎるからね。
ただパスタ系はどうかな。1人前のスパゲッティなんぞにはムイてないと思うなぁ。吹きこぼれが気になる食材は、つきっきりで火の番をしてなきゃならないこと必定。食えないというわけではないと思うが、手間はかかるはず。
ここで今回のセットを振り返る。①はジェットボイルのコッヘル。公称1,000mlで、底部には熱を吸収しまくるフラックスリングが装備されている。
②はバーナー。1,800kcalというから昨今のガスパーナーに比べたら低い火力ではある。ただジェットボイルのコンセプトが「少ない燃料でいかに早く湯を沸かすか」なので、火力が大きければいいというものではないのは、使っていて納得がいく。
③はジェットボイル用コッヘル以外の鍋でも載せられるように添付してるゴトク。④はガスボンベの下に装着できるスタビライザー。⑤がフタ。
実際はこれにコッヘルの下をカバーする樹脂製ケースがあるのだけど、購入直後に別のものに置き換えてしまった。野営定番品として使用中のチタンカップと置き換えた。
スノピ「極」の下半分というか、容量830mlのチタンポットのほかに、320mlの小さなチタンカップもついてくる。こいつがジェットボイルの下にピタリとハマるのであった。純正品でもこううまくはいくまいというくらいピッタリ。
んで、このカップはソロ行へ個人的オススメ品である。フリーズドライ系もそうだし、スーパーで売ってるインスタントみそ汁もそうなのだが、よくパッケージを見ればけっこうシビアな分量の湯を使えと指示がある。家庭でもそこまで計量して湯は使わねえよ。
でもスノピのカップは中に計量線が刻印されてる。いや、計量線があるカップはなんぼでも世にあろうが、チタンのカップというところに価値がある。
湯を投入した当初こそカップ全体が熱くはなるものの、ちょっと待てばカップに口をつけられる。熱伝導性に劣るチタンの弱点が逆にメリットなのだ。計量カップにも使えるしスープ系の器にも使える。あれこれ兼用せざるを得ないソロ行にオススメする理由だ。
バーナー部である。メッシュを使用したタイプらしいが、私はほかのストーヴをよく知らないので効能は不明。
点火装置が装備されてはいるものの、私はアテにしていない。こういったアウトドア系ストーヴについてる電着はオマケみたいなものだと思ってて、まともに点火しなくても当たり前だと考えてるからだろう。実際、点火できない。これにはきちんと理由があるので後述。
ジェットボイル純正コッヘル以外の鍋などを使う際には、この付属ゴトクを使う。4本足を展開した姿である。
単にバーナー部へ載っかってるだけ。低火力上等という前提であるバーナーで、普通の鍋やらコッヘルを使う価値ってもんがあるのかどうか私は疑問に感じているのだけど、そういう必要性があるシーンは世にあるかもしんないので、これはこれでアリ。
このゴトクを含めても1,000mlのコッヘル内にボンベ共々収納できるから、万が一のことを考えれば持っていても荷物にはならないかもしれない。私はそのうち排除すると思うけど。
ジェットボイルにくっついてくんなら、あえて別に買わなきゃ良かったよなぁ。まさかジェットボイルに手を出すなんて自分で考えもしなかったものなぁ。そう後悔させてくれるスタビライザー。
上の画像はジェットボイル添付のスタビライザーを110g缶へ装着した状態。スタビライザーの切り欠きが物語るように、もっと大きい250gや500g缶も装着可能である。
っていうか、いちおー公称ではジェットボイルのボンベは「ジェットパワー」という名の純正110gクラスの缶(ジェットボイルの場合は公称100g)しか発売されてない。指定以外のボンベを使うことは使用者の自己責任ということになってる。
日本にはガス検法という法律があって、指定器具と指定ボンベ以外の使用法は推奨されていない。ボンベへガスの再充填をして使うことも、加熱器具に関してはご法度である。
だがスタビライザーにはもっと大きなボンベを使う仕掛けがある。日本ほど規制が厳しくない米国でも小さな缶しか売ってない。ということは、かの地では「口金が同じで装着できるならご自由に自己責任でどうぞ」なのである。
ちなみに当地で簡単に入手できる110g缶はスノピのものなので、私はこれをしつこく使い回している。ガス検法に触れる発言は控えたいので、このくらいの表現で勘弁な(^^;
ただ「カセットガスの中身は、なんとなく火力が弱い気がする」とだけ申し述べておく。気のせいかもしれんけど、どうも火力が弱いような気がするし、対低温にも弱い感じがするのだった。
そのへんを改善すべく、今期はEPIのパワープラスカートリッジとカセットガスの組み合わせを試そうかと思ってるんだけどもね。
フタである。もちろんこいつを装着すると湯が沸くのは早いはずなんだが、加熱された時の匂いが気になって、私はあまり使ってない。
湯に匂いが移ることはないし、柔らかめの素材で大変使いやすい。湯沸しポットとして使った際の湯の出入りにも気を配ったカタチである。何度か改良されてきて、このカタチと素材になった。
コッヘルに収納する際、折りたたんだスタビライザー、バーナー部、簡易ゴトク、110gクラス缶と順に収納していくと、このくらい頭が出る。
ガス缶のキャップをはずせば少しはマシになるんだけど、このままではフタが閉まらない。というのも、コッヘルの中に傷がつくのがイヤで、私はビニール袋にバーナー部を入れてから収納しているからだろうと思う。
フタの内側には蒸気逃がしの穴に出っ張りがある。これがモロにボンベへ当たるのよね。
んで、強引に収納しようとして上からグイグイ押し込むと、その負担はバーナー上にある電着にいくようで、せっかく適切なスパーク間隔をセットしても、上から押されて電着がバーナーにくっついてしまいがちなのだった。
気になる点を書いてみたりしちゃったが、私は出勤時に常に持ち歩いている。そのくらいお気に入り。デイパックの底に収納しておいても荷物にならず、元から軽いキットである。これに簡易コーヒードリップキットとね。
500ml以下の湯を沸かすなら、世評通りにかなり早い。必要量の湯をキッチリ沸かす仕事はしてるということだ。
これが800mlとかになると、いきなり遅い雰囲気はしてくるのだけど、元来はソロ用のキットであり、実際は500ml以下の湯が沸かせれば文句ないシーンで使うものだ。
ただし110gクラス缶で使うと、なにしろ110gしかガスがないのでそれなりに減っていき、2泊以上で使うなら250g缶をオススメしとく。
ガス器具と低温の関連性については、ジェットボイルはフラックスリングが加熱して、輻射熱でボンベが暖められるようになってからが爆速なので(ボンベを温めるためにフラックスリングがあるわけではない)、一般的なガスストーヴの低温状態よりもはマシな気がしてる。このへんは低温下の野営地でお試ししてみないと断言はできんけど。
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