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犬の夜について

 書籍系のネタを書こうと思った本ネタ。それを今回は書いちゃうぞ。書こう書こうと思いつつ、なぜか前振りが長くなって話が七転八倒。いつも途中でくじけていたのだ(^^ゞ

 というわけで。

Books01

 ちゃんと検索で引っかかるようにご紹介する。『犬の夜/杏藤知樹/英知出版』だ。ちゃんとオビもいっしょにスキャンしてみたよ。多機能プリンターのスキャナで(^^;

 『犬の夜』ってなると、ミリオタなら『戦争の犬たち』を連想される方がいるかもしれんし、マイナー好きな私は『ブランカ』を連想した。
 で、連想しやすいように裏表紙も載せておく。横文字のタイトルが入っているので、より想像しやすいかと思うのだ。

Books02

 『THE CYDOGS' NIGHT』だ。犬というより、サイドックという言葉と、オビの文句を読めば、近未来SFのテイストが入った香りが感じられるのではなかろうか。
 著者の杏藤知樹さんが我がBBSへ書き込みくださり、読者感想文的なレスをつけた私の文章を、ネタバレしない程度に短縮して転載してみる。

 外国が舞台なの?おー。警察モノかー。冒頭の犬が絡んでくると、谷口ジローのブランカを思い出すなあ。
 で、近未来が舞台なのだと読んでいるうちに理解し。スラム街に赴くあたりでブレードランナー方面に行くかと思わせておいて。
 なんとも物悲しい話っすなー。ラストの場面で救われるものがあるものの。なんか物悲しい・・・・。そういうストーリーは嫌いじゃないですけど。

 不思議なことに、濃厚な長編であってもおかしくはなさそうな量なのに、実は場面的に無駄がなく。キャラに無駄な動きをさせず最低限のキャラ設定は理解できちゃってる。乞う続編って感じなのですね。
 でも本作、ハリウッドあたりで映画化されてもおかしくはない作りでやんす。警察モノと探偵モノの中間的ノリで、SFの要素が大きく。
 野営の夜にじっくり読もうと思ってたのになあ。就寝前の読む本に飢えて手をつけてしまった(^^ゞ


 というわけで、近未来都市が舞台になっているため、SF的要素は必然的に入ってくる。ただしSFをストーリーの都合がいいように「利用」はしていない。むしろ物語の根幹となる必然の要素である。
 近未来都市が舞台であるのに、全体的な匂いは探偵小説、もしくは米国警察小説であり、SFはあくまで舞台装置でしかない。

 フィリップ・マーロウには縁がないが、エド・マクベインのシリーズは飽きるまで買い漁って読んだ私からすると、警察方面に無駄に踏み込まず、探偵小説のような無駄なダンディーさもなく、淡々と過ぎていく内容に思えてしまうのに、気がつくとけっこうな分量を一気に読んでしまっていた。
 知人が書いた本だからといって紹介するわけではない。無駄な場面がなく淡々と話が進んでいるように見せておいて、おそらくビジュアル化するとかなりの迫力であると思う。
 そんなわけで私は「映画化されてもおかしくはない」という表現を使った。上品なブレードランナーの世界という香りがするんである。

 読後にすぐここへ書ければもっと興奮してあれこれ書いたのかもしれない。だが作品そのものは興奮を誘うというより、ストーリーを最初から思い返すとジワジワ読後の満足感が出てくる。そんな感じだ。
 米国作品にありがちな饒舌すぎるキャラクター描写を避け、ストーリーの中の動きでキャラクターを伝える書き方なのだろうと思う。だからストーリー全体を思い返したくなる。

 エンディングが続編を匂わせる。だから続編を読みたいなぁという気持ちになる。著者も近未来都市であるエッジシティを基本舞台としたい方向を明確にコメントしている。「エッジシティシリーズ」なのだ。
 シリーズになれば、自然とエッジシティそのものの姿がより明瞭になり、登場人物すべてを含めた都市の物語に発展する可能性も秘めている。

 著者の第二作もいっしょに買い求めた私なのだけど、実は野営の孤独な夜にじっくり読もうとしていたため、なんとか我慢してる。
 犬の夜だって野営の夜に読もうと思っていたのに、眠れない夜につい読み始めてしまって、そのままラストまで一気だ。もちろん寝不足になった。

 読みたい人はAmazon.co.jpでね。絶賛した人がいる話は、当ブログの外部BBSを参照のこと。

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コメント

ビヨさん

こちらでもご紹介ありがとう!
こちらの意図を正しく評価いただいてうれしいなあ。
自分としては、頭に浮かぶ「映像」をできるだけ忠実に文章に置き換えていく書き方なんですよ。他の作家がどういった書き方をしているか、皆目わからないのですが、望月先生のご評価から推測すると、もしかしたら、漫画家の皆さんと同じような感覚なのかもしれません。自分が漫画を掛ける才能があれば、漫画で表現していたかもしれませんね。
とまれ、目立つ画像を始め(笑)、ありがとうございました。

投稿: 杏藤知樹 | 2009年3月 2日 (月) 10:17

いや、漫画よりもハリウッドで(^^;
 

投稿: ビヨ | 2009年3月 2日 (月) 20:09

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