« うーむ | トップページ | 除雪しちょるよ »

夢で打ち上げられた衛星について

 上がったねえ。まいど1号。東大阪宇宙開発協同組合ってねえ、協同組合が宇宙進出っていうあたりが泣けるね。
 町工場と大阪府立大の学生らがタッグを組み、JAXAがバックアップして実現した、町工場が作った人工衛星。素晴らしい。

L_sk_maido

 ホントはまいど1号っていう名前じゃないんだぞ。ちゃんと「SOHLA-1」っていうかっちょいい名前がついてる。通称「まいど1号」なだけ。
 シャレで打ち上げた衛星ではなく、ちゃんと雷雲観測衛星という役目があり、JAXA経由で転送されてくるデータを解析するんである。

 高度な素材加工と耐久性を要求される人工衛星。大阪の町工場が作り上げたところに価値があり、日本の町工場の底力を見せ付けるイベントであった。
 日本の製造業を長年に渡って下支えしてきた存在である町工場。規模は小さくても、その培ってきた技術力ってのは世界に冠たるものなのだ。
 その下支えがあるからこそ、日本の大企業は世界に進出できた。下請けが大企業を支えてきたようなものである。

 なのに、下請けは便利な製造調整機関っていう機能性にだけ注目するようになったあたりから、日本の製造業はおかしくなった。機能でだけ考えるから、簡単に海外へ工場を移したりしちゃう。
 海外に製造拠点を移すことそのものは悪ではない。経費が安く済むその国への技術移転という側面があるのだから。やがてはその技術移転がその国で花を咲かせることだろう。
 けれど日本国内の製造業はやせ細る一方でしかなく、アジア諸国にとっては様々の行為も、肝心の自分の国にとっちゃマイナスだったりする。

 昨今の派遣切りやらなんやらも、そういった大きな流れの中で起きてることだと思うのだ。大企業なら臨時雇用や派遣を使おうとするだろうし、製造調整には便利な労働力である。調整をプラスにするなら雇用は増えるが、マイナスに調整しようとすると切り捨て。
 下請けの町工場も同じで、発注側からしたら「必要な時にだけいてくれたらいい便利な存在」扱いが当たり前の世の中になってしまった。
 けれど町工場は所帯が小さいから、自分のとこの従業員を簡単に切り捨てたりなんかできない。家族的雰囲気で運営してきた町工場ならなおさらである。

 町工場をナメんじゃねえ。そんな心意気がね、今回のまいど1号打ち上げではないのかと。私はそう受け取っている。
 町工場は世の中にたくさんあろうし、大企業から見たら製造調整弁として便利であり、潰れようがなんだろうが関係なかろう。けれどその工場にしかない技術ってのが、日本の町工場にはたくさんある。それらまで潰してしまっていいものだろうか?

 世の中は形のないものを無視する風潮が激しい。形のあるものしか評価しない。けれど社会を構成してるのはしょせん人間なんである。
 人間にとっては「思い」「信念」「信頼」「連携感」といった形のないものをシカトして生きていくわけにはいくまい。人間とは理性的生き物ながら感情がないわけではないのだ。
 機能しか考えない世の中に対するアンチテーゼにもなってると思うんよ。まいど1号はね。夢を打ち上げたのではなく、夢で打ち上げたのだ。そう言い切った町工場の社長の笑顔が、やけにまぶしく見えたのは私だけであるまいよ。

 天体望遠鏡を抱えて山の上に行きたくなるね。探したって小さくて見えるわきゃないまいど1号を探しに。見えるわきゃないけど、夜空のどこかにまいど1号は浮かんでいるのだ。
 賛助会員制度を事前に知ってたらカンパしたのになー。個人的にかなり悔やまれる。私の小さな志すら宇宙に打ち上げられたのだから。

|
|

« うーむ | トップページ | 除雪しちょるよ »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

「皆が、高くて買えない品を作っても意味がない」っていう当たり前のことを処理する為に、製造業も苦労してます。
町工場はすごいんですけど、採算が合わなければどうにも。

とりあえず、まいど1号の打ち上げ成功は、飛び上がって喜びました。
嬉しいものは、嬉しいです。やっぱり。(^^)

投稿: Nori | 2009年1月24日 (土) 16:41

2号の打ち上げにはぜひカンパしたいと思っておりますよ(^^♪

投稿: ビヨ | 2009年1月25日 (日) 22:14

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« うーむ | トップページ | 除雪しちょるよ »