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自分で自分の首を絞める

 オフクロんちで冬の準備をしていて感じた雑感。

 うちのオフクロは、次の運転免許更新はまったく自信がないという。そりゃそうだ。オフクロが運転免許を取得したのは40歳を過ぎてからで、それも生活に必要だからがんばって取得したんである。
 運転免許は若いうちに取得して身体に感覚を刻んでおくのがベスト。そうすりゃ多少のブランクがあっても、身体が覚えている感覚は蘇る。

 40歳過ぎてから運転免許を取得したオフクロの話を聞き、こいつに運転免許を与えるのは違法だろう、と私が思うくらい、オフクロは激しい運動音痴である。
 文学芸術少女がそのまんま大人になったような人で、体育会系とは対極に位置する人生を送っている。

 病気がちな人生に対して本人は長生きの自信をすっかり消失してはいるものの、こういう人に限って長生きするというのは人生の定番ながら、運転免許更新をしたとしても、自分にクルマを転がす能力が残っているかどうかという点に対してオフクロは困っているのだった。

 けれどクルマを運転できなくなった農村の独居老人というのは、もう餓死するしかない。自家用車がなくては買い物ひとつできやしないのが、今の日本の田舎なのである。
 自転車に乗って買い物に行こうにも、およそ5kmほど離れた集落まで走るしかなく、大型車が走る国道をチャリで70歳を越えた老人が往復するにはキツい。
 夏場ならともかく、冬には歩道の確保も怪しく、コチコチに凍った路面上で転倒して骨折するのが関の山であろう。

 近所の若い人が、2日に1回くらい地元の年寄りを乗せて、どこか買い物できるところに連れてってくれないかねえ。オフクロの愚痴である。
 若い人ったって、「60歳を越えた若い人」のことなのだ。現役世代は平日からボランティアしてる余裕なんかねえから。ただでさえ就職難でギャラが安い田舎である。余裕なんかない。

 これから田舎というのは間違いなく年寄りの割合が増加していく。うちのオフクロのような独居老人も増えていくことだろう。
 山奥の農村というわけではない。幹線国道沿いの平野で暮らすオフクロでさえ、クルマがなくちゃ生活が成り立たない。半径500m圏内に酒屋が1軒と自転車屋が1軒あるのみ。

 じゃあ地方都市部に引っ越したら少しは状況がマシになるかと思えば、現実としては地方都市もクルマが基本になった構成になっており、秋田市でさえ郊外型の買い物が当たり前で、歩いて買い物に行ける地域はごく限られた一部でしかない。
 というか、秋田市内で古くからの住宅街近辺(年寄りが多い)は、もう商店街などというものは消滅しており、チェーン店スーパーに撤退されたら買い物できる店が皆無になってしまうのだ。

 クルマがなくちゃ話にならない生活への社会的移行は、公共交通機関を衰退させて当然であり、利益を出さなきゃならない民間バス会社や鉄道会社は路線縮小を考えて当然である。
 けれども年寄りは加速度的に増えてくわけで、なのに公共交通機関はどんどん減ってく。クルマが運転できるかどうか、自家用車を維持できるのかどうかというのが死活問題になっていく。

 国政も地方行政も、どうも近視野になっているように思えてならない。「今、必要とされるもの」でさえまともに手当てできない政治なのに、「これから必ず必要になってくるもの」まで頭が回らないのは当然といえば当然か。
 このままでは田舎で年寄りが暮らせないという日が必ず来る。今は仕事のない田舎より少しはマシな都会へと若者が流出してるわけだけど、若者だけではなく年寄りまで都会に流出していく現象が始まるのではなかろうか。
 オフクロの体力を考えるに、きっと東京なら歩いて買い物に行けると思う。人口密度の過密さが商圏を小さくしてくれるので、大都市なら歩いて行ける範囲に商店が存在している。

 役所のOBやジジイ議員さんはなにも感じないのだろうか。自分が独居になってしまった時に、どういう環境になるのかという想像力に欠けているのだろうか。
 独居にならなくても、自分の夫、あるいは妻が痴呆状態になって看護しなければならなくなったら、それは独居以上に苦しい環境といえるだろう。
 田舎だからといって必ず子供が同居しているとは限らない。婚姻率が低下している昨今では、私のように別居している子供というのも多いのである。

 役所の無駄な経費を減らすと称して赤字の公営バスを廃止してしまうノリが全国で続いたが、これから先の田舎の環境を考えれば、愚行であると私は思う。赤字であっても必要性から運営しなければならないのが公営の強味であろう。
 現実的に若い者が年寄りを支えなければならない社会構造が強まっていくのは目に見えている。利用しない人にまで税負担を求めるのは公平さに欠けるなんて、そんな呑気なことを言ってられるのは今だけのことではないのか。

 若者と年寄りが流出したら、中間の現役世代だって引っ越すだろう。地方自治体の破綻が始まる。平成の大合併で肥大した自治体は、人口の減少から格付けを維持できなくなるに違いない。
 ○○市を名乗りながら、現実には人口5千人なんていう自治体が増えていくことだろう。全国にミニ夕張市がどんどん生まれていく。

 その頃にはたぶんオフクロはくたばってるだろうから、必要以上の生活苦を与えることはなかろう。それが私の気休めなのであった。

 田舎は確かにのんびりしていて、生活費を節約するつもりならいろんなオプションが得られる環境でもある。人間らしい生活かもしれない。
 けれど、一向に好転しない景気と失業率の高さに激しい高齢化を重ね合わせるに、田舎の環境は悪化していくだけとしか思えない。「地方の時代」はとうに終焉し、大都市の時代へ逆戻りする時期が迫っているのではないかと私は思うのだ。


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コメント

土日だけの作業で一年半をかけ、セルフビルドで里山に6坪の小屋を建て去年の5月から一人暮らしを始めております。
ザブーンと大学病院の中間地点ですが、バスは一日2本?
かなり首を絞めてみました^^/

投稿: bean | 2008年11月13日 (木) 22:02

山の五代の近くっすか?

投稿: ビヨ | 2008年11月14日 (金) 09:48

先週久々に五代で食事をしてきました^^
もっと手前、三吉神社・旧分校の上の丘です。道路からもちょっと見えてます。
カメラとアウトドア用品を全部担いで遊びにきてください。

投稿: bean | 2008年11月14日 (金) 23:05

位置把握。五代で食事とは。お若いですなあ。
 
カメラ機材と野営道具を全部担いでったら、それは我が家の場合、引っ越し同然ですがなw

投稿: ビヨ | 2008年11月15日 (土) 08:25

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