アル変ストーヴ
本年度内は出費不可の私なのだが、再充填モノのガス燃器具が気温10℃でトロ火オンリーという姿であえなく敗退していく様子を見て、やはり低温下では液燃よのう、という思いを強くした。
液燃といっても、メジャーなとこで白ガソリン、次点で灯油(ケロシン)といったところか。低温下での頼もしさと、その絶大なる発熱エネルギーには、先日の野営で感謝するところであった。
本来の目的であるクッカーの加熱に対しては、カタログに書いてあるカロリー値が参考になるのだろうが、暖房兼用ということになれば、単純にカロリーだけでは判断できないと私は思ってる。
実際に幕営で使ってみたらいい。あっという間に幕体の中が暖かくなる液燃ストーヴは、やはり頼もしい存在なのだ。
でも液燃ストーヴは低温下の稼働率を圧倒的アドバンテージとしつつも、燃料単価の高さと火器そのものの価格が足を引っ張る。プレヒートという余熱作業は、未経験の人には垣根が高く感じるものはあろう。
実は液燃ストーヴを新たに調達してしまった私なのだが、新しく入手した液燃ストーヴというのは、とりあえず実際に燃焼させて使い勝手を探らなければならないところがある。
カタログデータや販売店の売り文句は、ほぼアテにならない。使ってみてナンボ、なのだ。低温下でも頼もしいと謳ってる火器の「低温」が、実はたかが15℃くらいの気温だったりするケースは少なくない。
話は少々飛ぶ。
液体燃料といえば、忘れちゃならないのがアルコール燃料。小学生の頃の理科の時間に、実験で使ったことがみんなあるであろうアルコールランプ。あんなもんだと思っていただければいい。優しく頼りない炎なのである。
ただアルコールバーナーというのは構造が非常に簡素なのが常であり、簡単に表現すると、燃料に着火してそのままなのである。加圧もプレヒートも関係ない(プレヒートしとくと調子いいのは事実ではある)。
そんなわけで、出費不可の私は、自分でアルコールストーヴを製作することにした。まずはトランギアのバーナーをなんとなく真似したスタイルから始める。名づけてVer0.1とでもしとくか。
手作りアルコールバーナーはたいていアルミ缶の加工からスタートする場合が多いようだ。
なにしろ日々大量に発泡酒の空き缶を量産してる身としては、材料に困らないのであった。
加工に15分。ニッパーとドライバー、そして工業用のマスキングテープだけで作ってみたぞお。Ver0.1はとりあえず完成した。
一般的にアルコールストーヴは風に弱く、風防の使用が欠かせないとされる。アルコールストーヴの傑作、トランギアのものも単体では頼りないが、システム化されたストームクッカーに組み込まれることにより一般的なアウトドア火器並の性能を発揮するという。
我が家の場合は風防として最適な存在がある。ネイチャーストーブだ。
簡易的ながらゴトクを備えているので、アルコールストーヴそのものはシンプルだろうが強度不足だろうが関係ない。この中で燃焼させればいいわけだ。
底部が地面から浮いていて、金属メッシュを通して下から空気が流入し、風防横にも穴があって吸気の面では問題ないと、勢いで勝手に判断した。
なにしろストーヴの材料を用意するためにアルミ缶の中身を消費しなければならない。酔っ払ってやってるんで勢いには困らないのである(^^ゞ
予定よりも背が高くなってしまったVer0.1。連続燃焼時間は室内で約70分。アルコールバーナーとしては破格の連続燃焼時間であろう。
そりゃそうだ。燃料を200ccくらい使ってんだから。普通は50ccとか100ccだもの。自分のストーヴ使用状況を省みるに、連続燃焼時間は30分くらい欲しく、つい大柄に作ってしまったのだった。
アルコール燃料は継ぎ足し不可という側面がある。ストーヴの火が消えていたとしても、熱で元ボトルにすぐ引火して大変なことになるのだ。だから燃焼時間が長いに越したことはない。
ただし燃焼効率という点では、トランギアと比べてVer0.1はかなり劣っていると思われる。あちらは公称50ccで25分。200ccなら100分燃えてしかるべきところ、私の手製では70分というのだから、やはり効率が悪いのだろう。
炎もなにやら弱々しい。もっと垂直に高く炎が上がってほしいのだ。しょうがない。作り直しだ。
Ver0.2では開口部の大きさを変えた。少し中央部の開口を狭くしてみた。そして脇の小穴は逆に太いドライバーを打ち込んで大きくしてある。これまた加工時間約10分のやっつけ仕事だ。しかもすでにかなりの酔っ払いである。
ネイチャーストーヴ内に収めてゴトクを使えるように背を低くしたため、使える燃料は減っている。入った燃料は目分量で100ccくらいであろう。
炎はVer0.1より垂直に高く上がるようになり、この立ち方なら実用になるであろうというレベルになった。イケそうだ。
また、Ver0.1より燃料が減って温まりやすくなったせいか、燃焼に伴う熱がネイチャーストーヴ内で輻射するらしく、アルコール燃料は常に泡立つ状態になった。自己加熱ノリになってるということだ。
つ、使える!
たまたまの偶然でバランスが良好になってしまっただけかもしれんが、燃費も改善された。約100ccの燃料で約55分の連続燃焼時間であった。ただしラスト10分は頼りない炎なので実用にはならないと思う。
燃料が少なくなってくると発熱量が衰えるようで、金属の収縮音がネイチャーストーヴから聞こえてきた。炎も低くなっているようである。それまでの時間は約45分であった。
チャレンジ2作目にして、早くも実用に耐えられそうなアルコールストーヴが完成してしまった。昼酒しながら、飲んだ空き缶を端から加工してみただけなんだがなあ(^^ゞ
というわけで、Ver0.2を正式に「手作りビヨ版アルコールストーヴVer1.0」とするぞお。オンラインではみんな自作のストーヴに名前をつけてるらしいので、私も名づけることとする。えーと、んー、・・・・・・・『アル変ストーヴVer1.0』(^^ゞ
意外ではあったが、なんの気なしに作ってみたアルコールストーヴがこのくらいのパフォーマンスとは。自分で驚いてる。もちろんオンライン上でそれなりに情報を仕入れた結果だが。
少なくてもアルコール燃料については、自作でもかなりイケる。それは確実なようだ。ほかの液体燃料のような「加圧」という段階が不要だからだ。
アルコール燃料はガスより低温下での柔軟性がある。仮に余熱が必要なくらいの気温であったとしても、小さなシステムなのでライターで炙ってやるくらいで済む。そのわりにポリのボトルで運べる気軽さもアルコールにはあったりするのだった。
小さく軽い自作ストーヴに、風防代用のネイチャーストーヴ、そして予備燃料ボトル。体積的にはたいして節約にならないものの、重量はかなりの節約だ。
手作りストーヴの重量はおそらく20g以下。燃料ボトルは売ってる燃料用ボトルそのまんまのポリなのだから。
おお、酔っ払って思いつきで作業したわりに、大変いい結果が出た。こんなことならわざわざコールマンのジェネレーターを発注したり、灯油のストーヴを(以下略)
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コメント
ストーブに変調かかってるんすか?(笑
その場で一本やった後に制作に取りかかれるってのは、いいかも知れませんね。
ただ、明るいうちに作業しなくてはならないのが玉に瑕?なんて。(笑
で、お肉とか、焼けるんでしょうか?
投稿: Nori | 2008年10月30日 (木) 23:17
アルコール燃料で焼肉やったことがないのでなんともいえませんねえ。
燃焼臭からしたら、なんか匂いがついちゃいそうだなー、とは予想してますが。
百均の焼き網を用意しましたので、そのうち実験しようかと思ってまーす。
投稿: ビヨ | 2008年10月30日 (木) 23:31
他ブログでもアルコールバーナー作りは盛んみたいですね。
でも、そんなに良いものならどうして普及しないんでしょうかね?
軽量+頑丈+簡単+寒さに強いとくれば、とっくにガスバーナーを凌駕していてもおかしくないと思うのですが、、
やっぱり、最大火力と調節機能が弱いからでしょうかねぇ?
投稿: HERO | 2008年10月31日 (金) 11:36
> そんなに良いものならどうして普及しないんでしょうかね?
すげえイヤミだなあ(^^;
興味ねえ人はスルーすりゃいいんですよ。地味なアルコールストーヴなんて。
投稿: ビヨ | 2008年10月31日 (金) 18:00
コレ、イイです。簡単そうで奥が深そう。自作出来てしまうところが面白いです。早速、私も・・・
投稿: ガキ | 2008年10月31日 (金) 21:26
嫌ですねー、同じHMですが横浜のHEROですのでお間違えなく!
自作アルコールストーブとは考えましたね。
因みにトランギアのアルコールストーヴですが構造的には給油口から燃焼部の穴までは筒状の2重構造になってますね。
開口部で熱せられたアルコールが燃焼部では気化されてうまい具合に燃焼するようですね。
イワタニから出ております五徳はコンパクトでなかなかの優れものです。こいつも意外と簡単に自作出来るかもしれませんね。
投稿: HERO | 2008年10月31日 (金) 22:12
> ガキさん
工夫と試行錯誤で、かなーり遊べると思うんですよ。しかもリーズナブルに(^^;
幸い、手元にネイチャーストーヴがありましたので、風防とゴトクは考えなくてもよかったのがラッキーでした。
> HEROさん
二重構造になってるというのはいい情報でした。ありがとうございます。
350ml缶と250ml缶の組み合わせでイタズラできそうですねえ。あるいはフタつき350ml缶のテーパー部を使うとかetc。
こうして妄想してる時間も楽しいんですよねー(^^ゞ
投稿: ビヨ | 2008年11月 1日 (土) 07:44
ひょっとして武井のやつ、いってしまいましたか?
私も欲しいんですよね。
使用感教えてください。
私も特攻します。
投稿: HERO | 2008年11月 1日 (土) 09:00
え!?
全く嫌みのつもりじゃなかったんですが、、、
嫌な気持ちにさせてしまっていたとしたらごめんなさい。。。全くそんなつもりじゃなかったんです。。
軽量で本当に興味があったので、、素朴な疑問だったんですー。
投稿: HERO | 2008年11月 1日 (土) 12:56
無視、、、ですか。。。
わかりました。今日はショックな一日でした。。
すごく残念ですが、もうカキコミはしないことにします。
悪意はまったくなかったので、誤解されたままなのは非常に悲しいですが、もう二度と顔をださないことにします。
嫌な気持ちにさせてしまい大変申し訳ありませんでした。
面白い内容、これからも書いてくださいね^^
それでは失礼致します。
投稿: HIRO | 2008年11月 1日 (土) 22:18
@夜勤中なのですよ。相棒の目を盗んで書き込んでるとこです。
武井に手を出しちゃいませんし、HNの区別がつかなくなって困ってるのが正直なとこです。
投稿: ビヨ | 2008年11月 1日 (土) 23:43
横浜HEROです。
HN改めますね。
現行の灯油ストーブで武井さんでは無いとすると・・・。
ふむ、わかりませんね。ひょっとして意表をついて大ブズか子ブスあたりに行かれたとかですかね。
投稿: ZO-3 | 2008年11月 2日 (日) 00:15
やや。お気を使わせてしまって申し訳ございませんです。
m(__)m
灯油専焼のやつじゃないですよ。ここ何ヶ月かいろんなお店で特価投げ売りモードに入ってるやつ、と表現したらおわかりになりますよね?(^^;
実は室内でお試し点火して火事を起こすとこでした。おっかねえのう・・・・。
投稿: ビヨ | 2008年11月 2日 (日) 12:05
やや、プリムスさんですか。
マルチフューエルEXならガスも使えますしね。
余熱は私も火柱を上げてから室外でやるようにしてます。
ビヨさんのスタイルですと武井の選択は無いですね、きっと。
軽量・コンパクト・低燃費でしょうから。
アルコールバーナのこんな会社もありますね。
面白そうですね。
http://www2.plala.or.jp/ts_stove/
投稿: ZO-3 | 2008年11月 2日 (日) 12:53
1000mlのボンベがセットで1万円チョイなら、騙されてみてもいいかなあと思い、バリフューエルをポチってしまいました。ええ、もちろん酔っ払ってました(^^ゞ
どーも私には「危険な火器を扱ってる」という意識が薄くて。つい室内焚きしちゃうんです。天気悪くて出かけられないと。
さっきはアル変ストーヴVer2.0の実験してて、燃料モレて、また炎上しちゃいましたしねえ(-_-;)
バリフューは速攻で灯油のニップルと交換しました。これからの季節、北国じゃ灯油全開の生活ですので。燃料は常に在庫キープというわけです。
プレヒートにはエスビットのタブを使うかなー。
それにしても。おもしろいサイトを見つけてきますねえ。見て驚きました(^^;
商業レベルになってんですね。国内より海外から引きがありそうな感じです。
投稿: ビヨ | 2008年11月 2日 (日) 18:59