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「鉄」なら

撮りまくりだな。っつーか、とっくに通ってるってか。近所に花輪線もあるしねえ・・・。

というわけで、秋田県内唯一の民鉄、小坂鉄道が3月一杯で運行休止ということになった。かつては「同和鉱業・小坂線」と呼ばれていたこともあると書けば、多少は記憶の底から思い出される方もいらっしゃるだろう。
国鉄のDD13型ディーゼル機関車と同等の外見を持つ機関車が、三重連で長大な貨物を引っ張る様は、国鉄にはない迫力あるシーンとして、一部の鉄道ファンには知られていた路線である。

秋田県北部、大館市よりももっと山奥に小坂町がある。日本最古の常設現役芝居小屋である康楽館のある街だ。今でも歌舞伎や芝居でにぎわう小屋であり、名だたる歌舞伎俳優が一度は上演している芝居小屋だ。
なんでそんな粋なものが秋田の山奥にあるのかというと、ここには旧藤田組によって開かれた小坂鉱山があり、小坂精錬所が設置されたため、鉱山の町として長く栄えていたからなのである。
秋田県は県北部に鉱山資源が集中していて、その中でもっとも大規模な施設があるのが小坂。ここにある小坂精錬所は現役の施設で、ここから近隣の都市である大館市までかつては同和鉱業が鉄道を敷設していたのであった。

旅客営業も長く行っており、東北唯一のデラックスカーとして自社オリジナルのディーゼルカーも走らせていたほどリッチな路線であったけれど、1994年で旅客営業は廃止。途中駅も廃止になった。
死語になりつつあるモータリゼーションのおかげで、旅客営業が採算のとれないものになったのは、なにも小坂線だけの話ではない。田舎になるほど生活の足として自家用車は欠かせないものであり、ましてや雪国となると公的機関の道路除雪作業とクルマがないと生活は成り立たないのである。
元々産業鉄道的な小坂線であったから、いきなり廃止ということにはならないだろうと誰もが思っていたはずだけど、今回は精錬所で生み出される濃硫酸がストップするということで貨物輸送も停止ということになったようだ。
「運行停止」であって「廃止」ではない。とはいえ、運行停止はたいがい廃止に直結してるからねえ、名物のDL三重連は4月から見られなくなるということになる。

ディーゼル機関車三重連というのは、機関車が3輌で貨物を引っ張るということで、重連(2輌)なら国鉄でもよくある風景であったけれど、三重連ってのはなかなかお目にかかれない光景で、知ってる鉄道マニア、いわゆる「鉄」の方はよく撮りに来ていたようだ。
しかも雪国の中でもかなり雪の深い地区でもある小坂線なので、ディーゼルの排気で生ずる陽炎なんかも派手であり、迫力の姿であったらしい。

これで秋田県内からは純粋な民営鉄道がなくなることになる(秋田内陸縦貫鉄道と由利高原鉄道は旧国鉄路線を引き継いだ3セクであるから、正確には民鉄とはいえない)。
時代の移り変わりといってしまえばそれまでではあるし、いまどき鉄道経営だけで採算が取れてる民営鉄道会社がどれだけあるのかといえば、おそらく大手でも皆無に近いと思われる。
同和鉱業という母体があるから成り立っていた小坂線である。濃硫酸の大量輸送という、鉄道でなくては不可能な業務があったために現存していた路線であり、それがなくなればたちまちのうちに存在意義を失ってしまう。
ここ何年かはローカルニュースをにぎわす脱線事故だとか車両故障が起きていた小坂線である。その頃から保線コストが削られていたのかもしれないなあと、今にして思う。

マニアではないにせよ、鉄道との関わりは私の人生でけっして小さくないウエイトを占めているため、鉄道が消えていくのはなにやら物悲しい。
そして世の中の流れで消えていく鉄道という存在が、私の青春時代を注ぎ込んだ銀塩写真という仕事にもクロスオーバーし、なおさら寂しい気分になっていくのであった。

ちなみに花輪線とは、旧国鉄から現JRへ移管になったウルトラローカル路線で、秋田県北部の中心地である大館市と隣県の岩手県盛岡市を結ぶ山越え路線である。
途中にある山は八幡平。温泉やらスキー場が散在しているものの、隣接する東北自動車道に走る高速バスの利便性が高く、かつて存在した上野駅からの直通急行列車も廃止され、沿線人口から考えたらとっくに廃止になっていてもおかしくはない路線でもある。
建設された時期の問題か、それともなにか予算的な問題か、一般的な旧国鉄路線とは違う無理矢理な路線設置が散見され、とても旧国鉄路線とは思えないローカルさの色濃さがマニアにウケた以外に、名車とされるキハ58系ディーゼルカーが盛岡管轄で最後まで走っていたことでもマニアには知られている、シブい路線なのである。

私が鉄道マニアなら、県北部には通い詰めであったことだろうと思うくらい、大館市周辺には鉄道ネタがたくさん転がっている。現役でも廃線跡であっても、ネタにこと欠かない。
秋田市への通勤通学路線として不可欠なために現役であるJR男鹿線という非電化路線が身近にあるため、なんとなく遠くまでわざわざ出かけていかないだけなのだ。鉄道マニアにもなれないしね。
けれど本格的にヤバくなってきた秋田内陸縦貫鉄道沿線は今年も撮ろうと思ってるし、いちおー由利高原鉄道もフォローしてみようかと思ってる。
由利高原鉄道、旧国鉄矢島線も、建設時期の問題か変わった路線配置の駅があったりするので、そのへんも取材してみよっかなーとここ10年くらい思ってるわりに、あいかわらず腰が重い私なのであるよ(^^ゞ

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