IXY-SPICE
かたくなにIXYシリーズにはデザイン優先主義を貫いてきたキヤノンが、とうとう小さな秘密兵器をリリースした。その名も『IXY-SPICE(イクシー・スパイス)』。
「スパイス」と聞くと、かつてポラロイド社が全世界で発売したカメラの名前が思い起こされるが、あちらはアーティストであるスパイス・ガールズをフューチャーした、いわば借り物ブランドだったが、今回のキヤノンはスパイスそのもののピリッと効いた刺激を盛り込んだとメーカーリリースには掲載されている。
コンセプトは「スーパーサブカメラ」。ターゲットはプロ~アドアマ層であることはいうまでもない。絶対的な受光部の大きさでは一眼レフなどに負けるが、コンパクト機として最高の写りを最小のボディにパッケージングしたとのこと。
搭載するCCDは、IXY-DIGITAL2000ISへ搭載したものと同じ1/1.7型1210万画素CCDにDIGIC3の組み合わせだが、2000ISとは違った味付けをしているという。
当初は一眼レフ用CCD搭載も検討したというが、現時点ではIXYの大きさへ搭載することが困難として見送ったらしい。
DSC機として幅広い用途へ向けたPOWERSHOTシリーズがキヤノンにはあるが、スーパーサブカメラのコンセプトを維持するためにはボディの大型化を避ける基本イメージがあり、あえてコンパクト機用の小CCDを搭載しつつ、画像処理でカバーする方向でIXYシリーズのサイズに収めることにした。
サブカメラとしての可搬性を優先させ、IXYシリーズの大きさの中でどれだけのことができるのかという開発からスタートした企画だという。
特徴的なのはレンズ。7.7mmF2.8(35mm換算値で36mm相当)の単焦点レンズを搭載している。本機専用に開発されたもので、沈胴格納できるためメインスイッチをオフの状態でもボディ内に完全に格納される。もちろん単焦点レンズの搭載は画質へのこだわりであり、歪曲等の収差は徹底的に排除されている。
また、ズームレンズ搭載技術を応用し、レンズフードの代用になる遮光フードを内蔵している。カメラのメインスイッチをオンにするとレンズといっしょに繰り出される仕組みだ。
繰り出したレンズ先端へ後から装着する方式よりも手軽で確実。フード内面も繰り出すレンズ鏡筒もツヤ消し黒に塗装されていることはいうまでもない。この大きさならばフードの内側へ異物が入るなどして塗装がハゲる怖れが少ないため、塗装だけでもかなりの効果があると考えられる。
開発当初はズームレンズや28mm相当レンズの搭載も検討されたというが、光学的な諸条件をクリアするためには無理があり、かといって40mm相当よりも長い焦点距離ではアドアマ層全般の支持は受けられないと判断し、36mm相当になったらしい。
キヤノンお得意の光学手ブレ補正「IS」はもちろん搭載され、ISO自動設定機能も通常タイプのものと高感度優先が採用されているため、光学補正とISOの自動シフトの両方を併用することが可能。
マニュアル設定ではISO50~1600まで設定できる。最近のIXYシリーズとしてはISO50で撮影できるのが珍しいが、ISO50で撮影した際にはキヤノンDSC機で最高の写りになるという。
IXY-DIGITAL910ISでは光学ファインダーを廃止したキヤノンだが、IXY-SPICEでは光学ファィンダーを復活させた。使用を想定する層にとっては必要なものと判断されたためだ。
単焦点レンズを搭載したこともあってファインダー設計の制約が少なく、視野率90%(距離3mで)を確保したというから、一部の銀塩レンジファインダー機よりも優秀なファインダーといえる。ただし光学ファインダー内には露出情報などは表示されない。
その代わり、ボディ背面に独立した小さな液晶表示部を備え、ここへ表示させたい情報をユーザーが選べるファンクションになっている。選べる情報は①シャッター速度、②実効絞り値、③設定ISO感度、④残撮影可能枚数、⑤バッテリー残量(数値表示)など。
IXYデジタルシリーズ共通で搭載されるカラー設定機能は15種に拡充して搭載されるが、露出についてはプログラムAEのみの搭載になる。レンズ絞りについて細かい設定ができる機構の搭載を今回は見送ったためで、将来的には絞り優先AEの搭載も視野に入れているという。
ボディ色は焼付け塗装のブラックだ。黒系の塗料を何度も試して決定した色というだけあり、深みのあるブラックといえる。光の角度によっては茶色く輝いたり紫色に見える複雑な塗装であるが、プレミアム感の演出としては効果があるようだ。
なおバッテリーは新開発の小型のものを採用している。CIPA規格で液晶表示状態で150カットというから、最近のDSC機としてはけっしてバッテリーの持ちがいいとはいえない。
これもスーバーサブカメラの位置づけから結論づけられたもので、サブカメラとして使われることを想定してバッテリーを開発優先順位の上位へ置かなかったためと説明されている。
発売価格と時期は未定。おおむねリコーGRデジタルと競合する価格帯で発売されるのではないかと予想され、発売時期に関しても4月ではないかと予想されている。
本気にすんなよ。そんなもん、キヤノンは開発してねーからな(^^;
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