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廃線は避けられず

あえて検索に引っかかりやすいタイトルにしてみたわけだが・・・。
言わずと知れた秋田内陸縦貫鉄道の話題。おそらく2年以内に廃線になると思われる。

鉱山需要が発端だった国鉄阿仁合線と、阿仁合線に接続しようと南側から建設されていた国鉄角館線。
国鉄でさえ採算がとれないと見て諦めた両線を、現代型のトンネル重視の工事で接続して一本化したのが、第三セクターの秋田内陸縦貫鉄道である。
最初から採算面で無理があったのだね。新規区間の建設費の償還もあるし。

沿線には大きな町はなく、路線の両端も旧鷹巣町と旧角館町で、人口は少なく、両地区の文化もまったく異質。結びつけるものは皆無に近い。
ただ沿線住民の足として存在価値があったのみながら、現代のように1人1台のクルマが当たり前の世の中では、運転免許を持たないジジババと学生の足でしかない。

利便性を高めようとして運行本数を増やしても、沿線人口が極端に少ないので、逆に経費ばかりかかる。だからといって本数を減らすと利便性が下がって売り上げは自然に減少する。最初っから無理がある路線だったのだ。
国鉄から私鉄、あるいは第三セクター化した路線は、国からの補助金で赤字補填という性格が否定できない。ただし補助金は年限が定められていて、いつまでも続くものではなかった。
補助金が交付されなくなった旧国鉄路線は、次から次へと廃止されている。秋田内陸縦貫鉄道は、そんな中でもよくがんばったといえるくらい続いた。

だが廃止が具体的になってきている今、もはやファイナルカウントダウンであることは間違いない。乗っておくなら今のうちである。
縁もゆかりもない私がなぜ秋田内陸縦貫鉄道にこだわるのかというと、国鉄出身の父の最後の職場がこの鉄道会社だったほか、沿線町村の観光計画に私が少なからず参画したからだ。

沿線には派手なものはひとつもなく、ただひたすら山の中をゆるゆると駆け抜けるだけの鉄道である。
鉄道会社としては日本初の女性運転士を登場させたり、硬券と呼ばれる昔ながらの鉄道切符をセット販売するなど、小さな努力を続けてきている。
だが肝心の沿線町村が外から人を呼び込む努力に欠けていた。
どうせなにもない山の中だからと、最初から諦めていたのだった。

私に言わせれば、人工の派手な施設がなにもないだけであって、人間が作り上げることは逆立ちしてもできない自然と、そんな土地だからこそ育まれてきた文化という、カネを出しても簡単に作れないものがあるじゃないかと。
それを前面に押し出し、流行に敏感な世間の大多数ではなく、マイノリティかもしれないが、とにかくその自然がなきゃ困るのだという根強いこだわりファンを生む施策を親父経由で何度か提案したのだったが、現地から返ってくる答えは「自分の住んでる土地をなにもないなどと言いたくない」であった。
『なんにもありませんけど』というキャッチフレーズの裏で訴えていることを、わかる人だけわかってもらったほうが楽だというのを理解していただけなかった。
「あるもの」で勝負しても、日本全国のどの土地と競争しても勝てる要素がないのなら、変化球しか手がないということを、当時の地元民には理解していただけなかったんであるね。

外から人が来ないと、どんどん利用者が減る鉄道に未来はない。けれど沿線住民の利便性を葵の印籠にされて、減っていくのがわかりきってる乗降客数と戦ってる鉄道会社の立場というものを、悪いけど沿線町村は真剣に考えてない。
鉄道がなくなっても生活に深刻な打撃というわけではないからだろう。
だったらこれだけ赤字が広がる前になんらかの判断を下すべきだし、爪に火を灯すようにしてもがいている第三セクター鉄道会社に対して、ビジョンというものを与えるべきだったのではないかねえ?
鉄道会社がなくなって困るなら、少しは本気になれって。鉄道会社のことは会社に任せて、あとはテキトーっつーんじゃ、廃止になって当然だっつーの。

JRと内陸線がタッグを組んで、夏休みを中心とした期間に周遊券を発売してるぞ。
県北から田沢湖までカバーして¥2,000で2日間乗り放題だ。かなりお得なんである。
もちろん私も周遊券で楽しもうと思ってる。昼間っからビールを飲みつつ、各駅停車の旅を楽しもうと考えてる。

秋田放送のニュースにクレーム。
綾ちゃん。内陸縦貫の車輌を「電車」って言っちまったね?
ひょっとして「汽車」って言ったら周囲に笑われる世代だったか?

『汽車』っつー言葉で代表されるのは蒸気機関車なのだけど、現代では内燃機関を搭載した鉄道車両は基本的に『汽車』だ。つまりディーゼルカーも汽車なのだよ。
『電車』っつーのは電気で動く。JR男鹿線やJR花輪線、由利高原鉄道や秋田内陸縦貫鉄道は、非電化区間なのでディーゼルエンジン搭載車なのぢゃよ。
『電車』っつーのは間違い。『汽車』に抵抗があるなら「列車」あるいは「鉄道」と表現すべきであった。

細かい点を指摘しやがると眉をしかめるなかれ。
「汽車」で当たり前の50歳以上の視聴者や、報道されてる鉄道関係者の立場になれば、正しい日本語で報道すべきものだよ。

で、秋田内陸縦貫鉄道では「ホタル列車」というものを運行している。
職員が孵化させたホタルの幼虫を、4月に沿線の適地へ大量に放したらしい。
その結果が沿線のホタルになり、特別列車ホタル号は生息地で超徐行運転をして照明を消し乗客へホタルを鑑賞させるのだ。

そんなサービスする鉄道会社だぜ。もったいなくはねえか?
ホタル号はこの週末と日曜に4往復運行する。最後の経験かもしんねーぞ。

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