孤独に死んだ先輩
前の会社の先輩が死んだ、という情報が流れてきた。
たしか私より干支で一回りほど年上だったと思う。
「寡黙」と表現するしかないほど言葉少ない先輩は、周囲から敬遠され、有能な社員であるのに冷や飯を食わされていることが多かった。
私が入社した時期というのは、若い連中がどっと入社した時期だった。
若い連中というのは、けっこう年上の人間をよく観察しているものである。
誰といっしょに仕事をしたら快適なのか、よく知っている。
その先輩は若い衆の人気者になったのだったが、それでも彼は寡黙なままであった。
暗い人ではなく、むしろ明るい人だというのをみんな知っていたので、言葉少なかろうがなんだろうが、仲間として飲み会に引っ張り歩いた記憶がある。
あれほど言葉の少ない人なのに、営業時代はお客さんから絶大な信頼を得ていたし、事務方へスイッチしてからは頼れる兄貴分だった。
それが本社勤務になって、その異常な有能さから逆に上司に敬遠され、冷や飯を食わされていたと聞く。
やがて私がクビになった大リストラの時、パート社員という身分で残ったが、やがて会社を辞め、盛岡で見つけた仕事に就いたと聞いた。
先輩は女性にモテるタイプだったのだけど、なにがどうしたのか、最後まで独身のままだった。私と同じく一人暮らしをしていたはずだ。
死後一週間ほど経過した死体で、アパートの一室で発見されたという。
せめて葬儀には出席したいと思っても、死に方が死に方だったので、こっそり葬儀を済ませてしまった後らしい。
かなりかわいがってもらった記憶がある。怒られようが暴言を吐かれようが、ずっと懐いていた私がかわいかったのだと思う。
そんな先輩に最後のあいさつをしたかったのだけど。残念である。
まだ53歳だった。
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コメント
その先輩と自分を重ね合わせたりしたらだめよ!
投稿: 福江w | 2006年12月21日 (木) 21:32
いやー。重ね合わせたくなるものが(^^;
投稿: ビヨ | 2006年12月28日 (木) 00:36